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情報化投資効果

(´ー`)ノ< こんにちわ、吉川幸雄です。

雅子様、ご出産おめでとうございます。
まだか、まだかといわれ続け、相当なプレッシャーもあったかと思
いますが、無事出産されて安心しました。
これからもまだ、皇室の後継問題に巻き込まれて気苦労は耐えない
でしょうが、お元気なお子様に育つことをお祈りします。

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◇情報化投資効果の評価測定の必要性

米国に比べ10年は遅れているといわれてきたわが国でも、社会、経
済的にITの重要性が認識され、設備投資意欲が冷え込んでいる中
にあっても情報化投資が増加傾向にある。

しかし依然として業務改善的なシステム導入を行っている企業も数
多くある。業務改革を伴わなければ、情報システムの十分な投資効
果は得られないのであるが、その認識が不足しており、かつ業務の
再設計能力がないのが現状である。

また、情報化に関わるコストを投資ではなく費用として認識してい
る状況が一般的であり、この点の意識改革も必要となる。

また、一方でベンダー側にも問題がある。
ユーザーニーズと情報サービス産業との認識の差を調査した報告書
によると、以下の項目においてユーザーニーズとのギャップが大き
くなっている。

・業務分析能力
・システムコンサルティング能力
・経営戦略と情報システムを結びつけるコンサルティング能力
・ERP等パッケージを有効活用するためのコンサルティング能力

(出典:「情報サービス産業白書」社団法人情報サービス産業協会
 1998年版)

そもそも情報システムの価格は、「あってないようなもの」と言わ
れ、公共的な事業では100円入札や1000円で受注といった常識はず
れな受発注がいまだに行われているのが現状である。
従来の商取引では、売る側に価格決定権があり、「メーカー希望小
売価格」が設定され、それに対して流通業がいくら値引したといっ
た競争が行われてきた。

しかし、近年ネットワークの進展によって価格の決定権が消費者側
に移ってきており、情報システムにおいても企業側が「適当」につ
けた価格では利用者は満足しなくなるであろう。
そのため、システムを売る側にとっても情報化投資の効果を適切に
測定することは重要となってくる。

「これだけの効果が望めるから、このシステムは○○万円です」
そうはっきりといえるような価格設定が必要となる。

一方で、現在情報化の投資効果を適正に算定する手段がないため、
ユーザー側もベンダー側も情報化の必要性を感じていながら、適切
な投資が行えないというジレンマがある。
結果として、流行に乗ってCRMのシステムを導入したのは良いが
十分な効果が上がらないといってベンダー側が責められるというこ
とも起きてしまう。

今後は、ユーザー側・ベンダー側の双方がも情報システムの導入の
目的とその効果を認識し、情報システムの導入を進めていくことに
よって、両者にとってよい関係が築かれるとともに、国内産業の構
造改革にも貢献することができる。

そのためにも、情報化の投資効果の測定手法の開発が必要となる。


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◇バランスト・スコアカードの活用

近年、企業の戦略的な目標がいかに達成されたかを可視的に評価す
る手法として、バランスト・スコアカードが用いられている。
バランスト・スコアカードでは、@財務、A顧客、B内部ビジネス
プロセス、C学習と成長という4つの視点から企業の業績を評価す
る。

@財務−株主は企業をどのように見ているか
A顧客−顧客が企業をどのように見ているか
B内部のビジネスプロセス−企業はなにに優れている必要があるか
C学習と成長−企業は継続して価値を生み出せるか

これを情報技術の領域に限定したときにいかなる視点が必要かを、
米国会計検査院(GAO)が先進企業に調査したところ、次の9項
目が重視されていることがわかった。

@顧客のコミットメントと満足度、Aサイクルタイムとサービスの
時間、B品質、Cコスト、D(投資)予算管理、E情報技術インフ
ラの可能性、F内部の情報技術オペレーション、G情報技術のスキ
ルの可能性、H顧客のビジネスプロセスの支援

このような結果から、GAOでは情報技術の評価に適用する際に、
次の4つの評価視点が望ましいとしている。

@企業の戦略的ニーズの達成
A個々の顧客ニーズを満たす
B内部ビジネスの業績の達成
C革新と学習の推進

これらの評価尺度をバランスト・スコアカードに落とし込んだ例が
次の通りである。

1.企業戦略評価尺度

目的1)機関のミッション・目標
<サンプル評価尺度>
(1)ITのソリューションとサービスに帰することが可能なミッ
   ションの改善点(コスト、時間、品質、数量)の割合
(2)計画IT利益の見積値対実現値の割合

目的2)ポートフォリオの分析と管理
<サンプル評価尺度>
(1)検討及び処理されたITポートフォリオの割合
(2)使用終了した旧アプリケーションの割合
(3)実施されたアプリケーションの使用終了計画の割合
(4)コア・アプリケーション・モジュールのモジュールの再利用
   可能性の割合
(5)新たなIT投資対総IT支出の割合

目的3)財務と投資のパフォーマンス
<サンプル評価尺度>
(1)社内で提供されるサービスの割合とコスト対業界標準
(2)業務予算の割合としての業界標準との比較によるIT予算
(3)正味現在価値、内部利益率、投資利益率、純資産利益率

目的4)IT資源使用
<サンプル評価尺度>
(1)構成単位全体の統合/共用資源の割合
(2)構成単位間共用のデータベースとアプリケーションの割合
(3)相互運用機能付きのハードウェア/ソフトウェアの割合


2.IT顧客の評価尺度

目的1)顧客の協力と関与
<サンプル評価尺度>
(1)統合プロジェクトチームを使用したプロジェクトの割合
(2)IT顧客/サプライヤー合同のサービスレベル契約の割合

目的2)顧客の満足度
<サンプル評価尺度>
(1)IT製品提供に満足している顧客の割合
(2)IT問題の解決に満足している顧客の割合
(3)ITのメンテナンスとサポートに満足している顧客の割合
(4)ITの訓練に満足している顧客の割合
(5)間に合って発売された製品の割合
(6)遵守されたサービスレベル契約の割合

目的3)ビジネスプロセスのサポート
<サンプル評価尺度>
(1)プロセス改善のプロジェクトをサポートするITソリューシ
   ョンの割合
(2)新しいITソリューションを使用するための訓練によってカ
   バーされたユーザーの割合
(3)最初の訓練後に支援なしでアプリケーションを使用できる新
   ユーザーの割合


3.IT部門ビジネスプロセスのパフォーマンス

目的1)アプリケーションの開発のメンテナンス
<サンプル評価尺度>
(1)1作業時間につき引き渡されるファンクションポイント数
(2)ユーザ受け入れ時の100ファンクションポイントあたりの欠
   陥数
(3)生産における100ファンクションポイントあたりの決定的な
   欠陥数
(4)アプリケーションソフトウエアの障害、問題の減少の割合
(5)決定的な欠陥を解決するための平均時間。
   開発のためのサイクルタイム

目的2)プロジェクト・パフォーマンス
<サンプル評価尺度>
(1)時間内及び予算内のプロジェクトの割合
(2)機能要件を満たすプロジェクトの割合
(3)システムに対する標準手順を使用したプロジェクトの割合
(4)分析と設計

目的3)インフラストラクチャー利用可能性
<サンプル評価尺度>
(1)コンピュータ利用可能性の割合
(2)通信利用可能性の割合
(3)アプリケーション利用可能性の割合
(4)オンラインシステム利用可能性割合

目的4)機関アーキテクチャー標準準拠
<サンプル評価尺度>
(1)1年につき検討と監査によって検出された標準からの変化の
   数
(2)アーキテクチャーを使用したシステムの増加の割合
(3)関連標準について訓練を受けたスタッフの割合


4.革新と学習

目的1)要員の能力と育成
<サンプル評価尺度>
(1)新たな技術と技法の使用について訓練されたスタッフの割合
(2)専門的資格を有するスタッフの割合
(3)管理スキルについて訓練されたIT管理スタッフの割合
(4)訓練とスタッフ育成に当てられたIT予算の割合

目的2)高度な技術の使用
<サンプル評価尺度>
(1)高度な技術のアプリケーションに熟練した従業員の割合
(2)高度な技術のスキル開発を支援するために利用できる予算

目的3)手順の現在性
<サンプル評価尺度>
(1)使用されたいるアプリケーション開発方法の現在性
(2)高度なアプリケーション開発方法に熟練した従業員の割合
(3)認識された方法とツールを使用して開発されたプロジェクト
   の割合

目的4)従業員の満足度と離職率
<サンプル評価尺度>
(1)ミッションをサポートする既存の技術上及び業務上の環境の
   能力についての従業員の満足度の割合
(2)職能別の従業員の労働移動率の割合

以上、出典:「バランスト・スコアカード活用による情報化投資評
価の研究」(平成12年3月)社団法人情報サービス産業協会

例示したのはあくまで一般的な指標であって、実際に情報システム
を導入する場合には、その目的に沿った指標を設定する必要がある。

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皆様からのご意見、ご感想をお待ちしています。
それでは、また来週。(´ー`)ノ
あいうえおかきくけこさしすせそたちつてとなにぬねのはひふへほ