水中花火

平成３年，夏の日の夕刻．
糖尿病患者さんの自律神経データを採り終えた私は，椅子に腰掛け一息ついていた．

その日は，しばらくすると弓ヶ浜で花火大会が始まるという．
そこは病院からでも十分見える距離にあり，
先生は，赴任してからいつも病院の屋上から見ておられたそうだ．

私がいるということで，一緒にビールを買って浜に出た．
恒例のおっさん２人．

私はそれまで，海岸での花火を見たことがなかった．
何発も上がる打ち上げ花火に，しばし時を忘れ去る．．．
と突如，水の中に向って花火が打ち込まれる．
次の瞬間，火の粉とともに水柱が立ち上る．
なんだこの花火は．．．感動だ．．すごい！

私は色とりどりの花火に心を移す．
そして，花火の火の粉が散るように，心のしこりも幾分か和らいだ．

最高な夜をありがとう！