大人用音楽
YUMI'S CD REVIEW

BONNIE PINK 「Private Laughter」 2004.01.21

 

明日発売の新マキシ、もちろん前日ゲット!買ってきましたよ。
ちょうど一年前、2003年の私のシングル一枚目もボニーちゃん「Tonight, the Night」だった。一年ぶりの新曲はまたまたトーレとのコラボ!これがまた、いいんですわぁ!

01. 「Private Laughter」

1/18付けのJ-WAVE TOKIO HOT100では、発売前にもかかわらず1位!
邦楽が1位になることも珍しくなくなったこのチャートだけど、発売前っていうのは異例です!しかも、連続6週1位に君臨してたアリシア・キーズ 「YOU DON'T KNOW MY NAME」を引きづり下ろしてだからね
(ちなみに、2位はマドンナfeat.ミッシー、アリシアは3位。5位にスピッツ。)
部門別ではオンエアチャートで1位だったの。それが効いたのかな。

もう私の耳にも、すでにこびりついて離れないサビ。聴くたびに歌っちゃってたんだけど。しっかり聴きたくてねぇ、特に質感を。いつもなら帰りの車内で聴いちゃうんだけど、家に着くのを待ってコンポで聴いた。

ビックリしたー!スカパーでの放送を何度も聴いていたのというのに、全然違ったのよ!質感がっ!とってもいいの!さすが魅惑のトーレ!

これはですね、是非、CDでね、できるだけ大きな音で聴いて欲しい!曲の表情がくっきり伝わるから!歌が、歌詞の感受が絶対変わるから。そういうマジックがあるんです。

C/Wがまたいい!だから絶対CDを聴いて欲しい!

最強タッグと呼び声高いこのコンビだけど、この曲にしてしかも確実にヒット。最高ですよ。これこそボニーって感じ。今度のアルバムもトーレだということで、超超期待!

しばらくこのシングルはヘビロになりそう。

では曲の感想を。
不思議な曲構成だと思った。
まず、イントロからAメロはR&Bテイスト。Bメロもそうなんだけど、それからロックな方向に進み、サビで感情爆発!そしてCメロではさらに大爆発!

ちょっと不自然な流れなんだけども、そのどれもが各々ボニーらしい特徴が出てて、それが合わさって、すっごく「これぞボニー!」といったような、らしすぎる1曲に整ってると思った。そして、タンバリンスタジオの頃とは違ってHi-Fi感が出たトーレサウンドだけど、やっぱりボニーのロック的な部分を引き出しがとっても良い。そして、なんといっても、ボニーちゃんの下まで見えてきそうな、ヴォーカルの録音のされ方がとっても裏エロい感じで良い!!

そして、歌詞の方面からの感想を。
タイトルの意味は「私的な微笑」…言葉はなくとも通じ合えるふたりだけの笑顔があったはずなんだけど…。それがなくなってきたんで、イラだって怒り始めてる女の子の歌なんですね。でも、そのLaughterの復活を切に願ってるところがすごくかわいい。情念系なんだけど、ボニーちゃんの声は重くならなくて、適度に湿ってて、ほんのちょっとエロくって、かわいいのです。そこが良い。

そして、さりげなく挟まる英語詞は、ちゃんと英語圏で暮らせるレベルじゃないと出てこない表現だよね?これでノリやグルーヴが出るのはわかるけど、でもこのくらいなら、日本語で通して欲しいなぁ、とも思うんよね。だけど、日本語よりも短いセンテンスで、少ない音で、表現できる英語っていうのは、やっぱ歌にとって便利だな、と。この感じがもうボニーちゃんの専売特許?でも、ラヴ・サイケデリコみたいに、何を言ってるかわからないわけではないので、よいです!「easy as pie」という表現をはじめて知りました。お勉強になりました!

03. 「Maze of Love」(GULA SESSION)

C/W、3曲目に収められている「Maze of Love」(GULA SESSION)を是非ともここでもリコメンドしたい!

実はこの曲、ボニーちゃんのデビューアルバム『BLUE JAM』に収録されている、当時から名曲と名高い曲で、そのセルフカヴァーなんですよ!
このアルバムもね、全体的なテイストはオルタナロック的な部分が強いんだけど、時代を感じさせず、懐かしみを感じさせない名盤なんで、新しいボニーファンにも是非聴いて欲しいんですけど。

その中でも特に瑞々しいバラードがリメイクということで、私もこのリリースを知ったときにすごくビックリしつつもかなり期待したんだけど、それ以上の名曲に生まれ変わりました。

(GULA SESSION)という副題が付いてますが、GULAというのは今プロデュースのトーレ・ヨハンソンの今のスタジオの名前(もうタンバリンスタジオではないんですね)。『BLUE JAM』はトーレプロデュースではなくそれ以前、国内の名プレイヤーによって作られていたのですが、それが最強タッグ、トーレによってどう生まれ変わったか…。

歌詞の内容はタイトルのとおり、愛の行方に迷い自問を繰り返している悩み嘆き。作られたのは95年、ボニーちゃんは22歳、まだ現役の大学生だった頃。その時私はもう社会人になっていたんだけど、とても大人っぽい曲だと思っていた。今でもそう思うが。

今バージョンは、若い恋に悩む曲ではなく、儚い愛や人生までも含め、長いスタンスで悩み迷いもがいている大人の女性の嘆き、大きな人生の歌に聴こえる。アレンジにそう思わせられる部分も大きいが、ヴォーカライズが違うのだ。(ディテイルに拘ると、英語の発音がずいぶんとネイティヴな感じに成長していたり!)
迷って考えて答えがないというのは、30歳になっても変わらないのか。

<考えず考えず 生きるのはとても難しい>
と一節が、前ヴァージョンよりも非常に痛い一曲になった。
永遠もゴールもないのは頭ではわかっているのだけど、求めてしまうのね…。

愛に悩める女性、必携の、代弁してくれる一曲です!ハマります!

この曲は、アルバムには収められないと思われますので、是非、このマキシを!

 

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