冷風扇の紹介

省エネの決め手である冷風扇を紹介します

『冷風扇とは』

 エアコン(クーラー)が当たり前の時代で「冷風扇なんて知らない」という方もいらっしゃるかも知れないので、簡単に説明します。
 冷風扇とは水の気化熱を利用した扇風機並みの消費電力で扇風機より涼しい機械です。気化熱とは液体が気化するのに必要な熱量(カロリー)を言います。100度Cの水の場合は1g当たり539calです。1gの水の温度を1度C上げるのに必要な熱量が1calであるのに対して、気化熱は実にその539倍です。この物理法則を利用したものが冷風扇です。
 冷風扇の背面には網状の繊維(スポンジのものもあります)があり、絶えず水で湿らせるようになっています。円筒形のファンが回転し、背面から空気を吸い込みます。空気が繊維のすき間を通る時、水の気化が起こり、残った水の温度が下がります。すると後から通る空気が冷たくなった水で冷やされ、冷気となって冷風扇の全面から吹き出します。これが冷風扇の原理です。
 気化は自然現象として起こるのでエネルギーを要しません。だからこそ冷風扇は省エネになり、環境にやさしいのです。また穏やかに冷えるので、エアコンのように生体のリズムを狂わせたり、風邪を引いたり、冷え性になることもありません。経済的で健康にも良い冷風扇を使って地球温暖化を止めましょう。
(2004.08.08)

 冷風扇は扇風機のように自由にどこにでも置いて使っても良いのですが、夜間睡眠時により効率良く使ったり、都会なので外からの騒音の浸入を防ぐため工夫して使っています。夜間は下記の写真のように設置して使っています。(昼は扇風機のように都合の良い場所に置いて使っています)

【注1】
 ベランダが暗いのは遮光ネットを二重に張っているからです。実際はもっと明るいのですが、写真は実際より暗目に写っています。



 この部屋はたまたま二重サッシになっているので外側から網戸、外側のサッシ、内側のサッシの順になっていて、夏期だけ内側のサッシのガラス1枚を透明な塩ビ板に取り替えて使っています。何故かと言えば、冷風扇の吸気口に合わせた穴が必要だからです。以前は冷風扇の吸気口にピッタリ合わせて穴を開け冷風扇をはめ込んで使っていました。
 ところが先日、以前の冷風扇が故障して買い換えたため、穴の位置や大きさが合わなくなりました。冷風扇を買い換える度に塩ビ板を作り直すのは無駄なので、今回、穴の真ん前に置くだけではめ込まない使い方に変えました。その代わり蚊が入らないよう塩ビ板の穴に網戸を取り付けました。塩ビ板左下のブロンズ色の縦長のものが網戸です。(小型の網戸を買って流用しました)
 「外側に網戸があるのにどうしてまた網戸が必要になるの」と思われるでしょうが、外側のサッシを中途半端に開けた時に網戸と外側のサッシとの間に隙間ができて蚊が入ってしまうからです。「じゃあ中途半端に開けなきゃ良い」と思われるでしょうが、自動車騒音をできるだけ少なくしたり、気温により開け幅を調節したり、戸締りをしたりするには中途半端な開け方が必要になるからです。

 

 

 


 冷風扇を以上のように置いた上で、夜なのでブラインドを閉じて、左の写真のようにロールスクリーンを下ろし暗くして寝ます。
 一方、反対側の出入り口付近には換気扇を取り付けており排気を行ないます。冷風扇からは冷たいが湿った空気が出るので換気を良くする必要があるからです。「開けて置けば換気扇はいらないのでは」とお思いでしょうが、蚊の侵入を防ぎ、自動車騒音をできるだけ少なくするためです。また換気扇を使った方が効率良く換気できるからです。換気扇の消費電力は僅か14Wなのでこの方法を取っています。エアコンの消費電力が数百Wであるのに対して、冷風扇51W、換気扇14Wの合計65Wですから、これでもエアコンよりは遥かに省エネになります。
 ここでついでにこの換気扇の風量ごとの消費電力を示して置きます。実測値です。この値は給水フィルターの消費電力2Wを含んでいます。

 風量  消費電力
  強  51W
  中  45W
  弱  38W

 


 2004年の「7月度 CO2削減実績報告」で述べた通り、購入した冷風扇に付いてきた給水フィルターと呼ぶ回転フィルターが吸水性や通気性が悪いためか、吹き出す風の温度が0.5度しか下がらないので自作しました。エアーフィルターを外すと左の写真のような洗濯用ネットで作った自作の回転フィルターが見えます。右側面は給水口の扉を開けたところです。ここから水を補給したり、保冷剤の出し入れを行ないます。水は7〜8リットル位入ります。寝る前に満タンにすれば一晩中使えます。

【注2】
 保冷剤は余り効果が認められません。出し入れが面倒ですし、使わなくても十分に冷えるので、水の補給だけ忘れずに行なってください。

【注3】
 そのまま数日以上使っていると吹き出す風に臭いが出る場合があります。これはタンク内の水に雑菌が湧く等、水質悪化が原因です。タンク内の水を交換すれば直りますが、頻繁にはできないので、私の場合は風呂水清浄剤(花王の「ふろ水ワンダー」)を10片位に砕いて、その1片をタンク内に投入しています。朝起きて電源を落とした直後に投入しています。これによりいつも臭いのない清涼な風が吹き出します。

【注4】現在は品数豊富ですから、皆さんは最初から良く冷えるフィルターの付いた冷風扇を購入してくださ    い。


 冷風扇の操作パネルです。押すと「ピー」という音がし切り換わります。「冷風」ボタンを押すと給水フィルターが回りだし、気化熱の効果で室温より数度低い冷気が吹き出します。私の実験では3.5度下がりました。しかし、湿度の高い日は2度位しか下がらないこともあります。こういう日は気温も低目ですし、自然の法則なので仕方がありません。

 真夏なら寝る時は掛け物なしで風量を「強」にして寝ます。猛暑になった日は夜も暑いので朝起きるまで「強」のままで寝ることも良くあります。途中で寒くなると「中」や「弱」に切り換えたり、掛け物を掛けたりしています。途中で寒くなっても翌朝喉が痛くなったり、風邪を引いたりしたことは一度もありません。エアコンのように極端に冷えたり、空気が乾燥したりしないからです。

 


 本体のリモコンホルダーに収納したリモコンです。本体の操作パネルと同じ操作が行なえます。

 

 

 

 

 

 

 

 


 冷風扇は近くに置いて風が直接体に当たるようにして使ってください。布団で寝る時は吹き出し口上下調節レバーを動かし、風が良く当たるようにしてください。猛暑の夜でもまるで高原にいるような爽やかな風が吹き、涼しく眠れます。

 以上、私が愛用している冷風扇の紹介でした。

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最終更新日 : 2011/08/24.