#127/127 ●連載 ★タイトル (CKG ) 03/02/23 17:19 ( 93) @コラム485 独仏の離反と新帝国主義アメリカ ヨウジ ★内容 クリントン政権時に南北和解が急速に進み、 米朝の関係も著しく改善したが、 ブッシュ政権に替わり北朝鮮を「悪と枢軸」と名指しする 敵視政策が取られたため、 ここへ来て急速に関係が悪化した。 問題は昨年10月に北朝鮮の高官がアメリカに対して 密かに核開発計画を進めていることを打ち明けたことを切っ掛けに アメリカが米朝枠組み合意に基づく重油の供給を停止したことから始まった。 北朝鮮は米朝対話による解決を強く求めたが、 アメリカは「核開発を放棄しない限り交渉には一切応じない」と言って これを突っぱね続けた。 ここから米朝の非難の応酬が続き、 北朝鮮は核不拡散条約(NPT)からの脱退、 IAEAの査察官の強制退去、 封印されていた核関連施設の再稼働・・・と 次々に核開発に向けた動きをエスカレートさせ 何とかアメリカを交渉のテーブルに引きずり出そうとして来た。 しかし、それでもアメリカは対話を拒否し続け、 問題をIAEAに持ち込み 更に国連安保理での問題にエスカレートさせ、事を荒立てた。 この結果、米朝関係はすっかり悪化し、 この影響で韓国と北朝鮮との関係も足踏みし、 拉致問題解決を含む日朝国交正常化交渉も頓挫してしまった。 表面的には北朝鮮の核開発計画から起こったように見えるが、 根底にはアメリカの世界戦略がある。 アメリカの言いなりにならない国を排除することである。 その一つとして北朝鮮に対する敵視政策がある。 アメリカはそういう北朝鮮につけ込む隙を見つけ チャンスとばかりに故意に手厳しく対応し、 関係を悪化させ、 日本や韓国を初め関係各国に手伝わせ 同時に支配力の維持・拡張を行なっているのである。 北朝鮮と韓国や日本との関係が改善し、 この地域の脅威がなくなってしまったのでは アメリカの影響力が弱まってしまうからである。 米軍の必要性がなくなり、 この地域に駐留できなくなり、 結果的に政治的影響力も弱まってしまうからである。 覇権を維持・拡張するには絶えず敵が必要となり、 それで敵視政策を取るのである。 適当に紛争がある方が覇権の維持・拡張には好都合だからである。 アメリカの言いなりにならない国を潰し、 あるいは武装解除させる。 こういうことを世界中で行ない続け、 今日の超大国ができ上がったのである。 新帝国主義と呼ばれるアメリカの存在は 時に有り難く、時に迷惑となる。 敵から守られた時有り難く、 支配され自由が束縛された時迷惑となる。 アメリカの価値観が押し付けられる時迷惑となる。 アメリカのルールが押し付けられる時迷惑となる。 国際社会共通の願いや取り組みが アメリカ一国の勝手で潰された時迷惑となる。 世界が平和になるに従い、 あるいはアメリカがより強大になるに従い 敵から守られる場面よりも アメリカに束縛される場面の方が多くなってきた。 9月11日の同時多発テロは単なる犯罪ではなく 積もり積もった反米感情から起こったものである。 アメリカが世界に対して行なってきたことの裏返しなのである。 今回のイラク問題についても 元々戦争に賛成しているのはイギリス、スペイン、イタリア、オーストラリア等 極一部の国の政府レベルのもので その他の国や市民レベルでは戦争反対が圧倒的に多くなっている。 査察が始まったばかりの段階から派兵し始め、 今や20万人を超える大規模な軍隊を集結させている。 つまり、最初から戦争をするつもりでいたことを示している。 同時多発テロやITバブルの後遺症から立ち直ろうとしていた世界経済は いつ起こるとも知れない戦争から来る不安で低迷し続けている。 アメリカ一国の勝手で起こそうとしている戦争のために 世界中が計り知れない悪影響を受けている。 これで本当に戦争になければ影響はもっと大きくなり 戦費や復興費用の負担による悪影響も大きい。 イラクの脅威と世界が受ける損失の大きさがまったく釣り合わない。 これは今やアメリカが一番迷惑な国になってしまったことの表れなのである。 単独行動主義。 これはアメリカの傲慢さや身勝手さから来たものである。 京都議定書からの脱退もその表れである。 今やアメリカは国際民主主義の最大の脅威となってしまった。                             ヨウジ *--------------------------------------------------------------------* | Backup&Copy BCOPY / Shell&Menu SMENU / 地球温暖化対策Program CO2 | | PC-VAN:CKG36422 e-mail:CKG36422@biglobe.ne.jp | | NIFTY :BXC02020 e-mail:BXC02020@nifty.com or BXC02020@nifty.ne.jp | | Home Page http://www5b.biglobe.ne.jp/~youji/ | *--------------------------------------------------------------------* P.S.これまででは考えられない同盟国ドイツやフランスの離反は     そういう重大な背景があって起こっていることである。     そしてそれが国際世論と一致していることは決して偶然ではない。