#110/110 ●連載 ★タイトル (CKG ) 03/01/31 15:57 ( 68) @コラム469 アメリカのイラク脅威は表向きの説明とは違う ★内容 アメリカにとってのイラクに対する脅威は表向きの説明とは違う。 アメリカはイラクが大量破壊兵器を密かに開発・保有し、 これを使って戦争を仕掛けてくるに違いない。 だからイラクは脅威だと言っている。 あるいはイラクは開発した大量破壊兵器をアルカイダに渡すかも知れない。 だからイラクは脅威だと言っている。 しかし、それはおかしい。 前者の脅威の理由については イラクは国内の反政府勢力に対して化学兵器を使ったことがあり、 またイランとの戦争でも化学兵器を使い、 劣勢だった戦局をひっくり返したという話を持ち出す。 しかし、反政府勢力を抱える国では 弾圧・迫害を行い、武力で押さえ込むということは 多かれ少なかれ行われていることだ。 (パレスチナ問題も好例) その手段として化学兵器を使ったからと言って特別に悪いことではない。 人殺しであることには違いなく、 建築物を壊さない分増しであるという考え方も成り立つ。 それよりむしろアメリカがアフガニスタンで使ったクラスター爆弾などの 大量殺傷兵器の方が余程非人道的である。 戦争が終わった後も多数の不発弾が残り、 無実な一般住民を殺傷し続け、生活地を使えなくしてしまっているから。 あの戦争で分っているだけでも4000人を超える一般住民の犠牲者が出たと 言われているから。 それからイランとの戦争の場合は、 アメリカがイランを敵視し、イラクに対して軍事援助を行ない、 大量破壊兵器の使用を黙認していた。 そのイラクに対して今は極端な敵視政策を行なっているという矛盾がある。 また湾岸戦争の原因となったクウェート侵攻では イラクは大量破壊兵器を使わなかったという史実もある。 また後者の脅威の理由については イラクが同時多発テロの共犯であるという証拠がない。 そのようなことをすれば絶好の攻撃の口実になるから イラクはそのような愚かな関係は持たないだろう。 イラクは豊富な石油資源に恵まれ余計なことをする必要性などないのだし。 よって、イラクが大量破壊兵器を開発・保有しているのではないかという 疑惑は残るものの、そのことが即アメリカや世界の脅威だという根拠はない。 根拠のないことを理由に国際法で認められていない先制攻撃を 国際世論を無視して安保理の承認なしででも強行しようとするのは 他に理由があるからだ。 この地域での圧倒的軍事力を背景にした政治的支配力を維持するためだ。 もしイラクが核兵器等大量破壊兵器を手にすれば アメリカが軍事的に手出しできなくなり、 政治的支配力が弱まってしまうからだ。 いやこの地域だけでなく世界を軍事的政治的経済的に支配し続けるためだ。 日本がある東アジアもそうだ。 アメリカの承諾なしで日本や韓国は北朝鮮と国交を結ぶことができない。 圧倒的軍事力を背景に支配されているのである。 同盟国が守られているという観点もあるが、 国連を軽視するなどアメリカの身勝手さが目立てば、 それはむしろ支配されていると言った方が適切となる。 アメリカの軍事予算は2位から15位の国のそれを合わせたよりも多いという。 軍事力の異常な一極集中である。 そして政治力も一極集中している。 アメリカにとってのイラクに対する脅威は表向きの説明とは違う。                             ヨウジ *--------------------------------------------------------------------* | Backup&Copy BCOPY / Shell&Menu SMENU / 地球温暖化対策Program CO2 | | PC-VAN:CKG36422 e-mail:CKG36422@biglobe.ne.jp | | NIFTY :BXC02020 e-mail:BXC02020@nifty.com or BXC02020@nifty.ne.jp | | Home Page http://www5b.biglobe.ne.jp/~youji/ | *--------------------------------------------------------------------* P.S.アメリカは国際民主主義の脅威となっている。     「2002/08/09 @コラム439 アメリカのイラク攻撃の真の狙い」参照