#104/104 ●連載 ★タイトル (CKG ) 02/12/30 13:44 ( 75) @コラム468 イラク脅威論には根拠がない ヨウジ ★内容 02/12/30 14:03 修正 第3版 イラクのフセイン政権の性格が危険なことは確かであるが、 それが直ちにはアメリカや世界の脅威とはならないという意味で イラク脅威論には根拠がない。 だから、周辺国や世界に多くの犠牲を払ってまでの 政権転覆のための武力行使を行なう理由もない。 まず、イラクの大量破壊兵器の保有は疑惑を域を出ていないが、 仮に保有しているとしよう。 イラクは何を目的に大量破壊兵器を使うだろうか。 仮に領土拡張のための侵略を行なったとしよう。 その戦争に大量破壊兵器を使ったとしよう。 それは当然多くの犠牲者が出るだろう。 それで次はどうなるだろうか。 当然、安保理決議が行われ アメリカを中心とした圧倒的な多国籍軍の反撃を受け フセイン政権は今度こそ本当に政権転覆させられる。 イラクがそのような愚かな戦争を仕掛けるだろうか。 いや、絶対に行なわない。 つまり、仮にイラクが大量破壊兵器を保有していたとしても 攻撃のためには使わないということだ。 もし仮に使うとすれば自衛のためだ。 (反政府勢力やイランに対して化学兵器を使ったことはあるが、 イランの場合はアメリカ政府がイラクに肩入れしていた) よって、イラクのフセイン政権はアメリカや世界の脅威とはならない。 次にイラクの大量破壊兵器がテロリストに渡る場合の脅威については まず、イラク政府とアルカイダとの直接的な関係を示す証拠がない。 イラクはパレスチナの自爆テロ犯の遺族に見舞い金を贈っているようだが、 これはイラクの自由意志の範疇であり、 ここで扱う国際テロ組織の脅威とは直接関係がない。 それから住所不定(決まった国土を持たない)でまとまった資金を持たない テロリストには 一カ所に集まった組織的研究開発はできないから、 高度な大量破壊兵器を作ることは困難である。 特に最近は資金源の監視が強化されたから尚更である。 大量破壊兵器は国家しか作れず扱えないということだ。 自爆テロが精々なのである。 アメリカの同時多発テロも大量破壊兵器を使ったものではなく ただの旅客機を使った自爆テロに過ぎなかった。 また、イラクが開発した核ミサイルを アルカイダが持ち出してどこかの国に打ち込むことも困難である。 大きなミサイルを偵察衛星に気付かれず、 海上臨検を逃れてどうやって運ぶというのか。 仮にばらして運ぶことができても 組み立てから発射まで行なう技術を持てるだろうか。 そこまでできるなら自前で開発できるだろう。 しかし、それは国家でしかできない。 スーツケース核爆弾というのもあるようだが、 それはロシアから行方不明になったものでイラクではない。 イスラエルの旅客機を狙った小型地対空ミサイルが精々である。 生物化学兵器は比較的小規模な設備で作れるが、 それはイラクに限った問題ではなく、 作ろうと思えばどこででも作れる。 疑って掛かったら切りがない。 どのように防備を固めてもテロリストに意志があればテロはまた起こる。 使うところで使えばマッチ1本で大惨事を起こすことさえ可能だ。 それより反感を持たれない政策を行なう方が簡単だ。 肝心な自由を制限する必要もなくなるし。 イラクのフセイン政権の性格が危険なことは確かであるが、 それが直ちにはアメリカや世界の脅威とはならないという意味で イラク脅威論には根拠がない。 査察により隠し持っていた大量破壊兵器が発見され かつ安保理の武力行使容認決議がない限り、 イラクに対する武力行使は行なうべきでない。                             ヨウジ *--------------------------------------------------------------------* | Backup&Copy BCOPY / Shell&Menu SMENU / 地球温暖化対策Program CO2 | | PC-VAN:CKG36422 e-mail:CKG36422@biglobe.ne.jp | | NIFTY :BXC02020 e-mail:BXC02020@nifty.com or BXC02020@nifty.ne.jp | | Home Page http://www5b.biglobe.ne.jp/~youji/ | *--------------------------------------------------------------------* P.S.「イラクに原油価格を釣り上げられる」の類のことはアメリカ企業も行     なっていることであり、イラクの脅威や武力行使の理由にはならない。