#7707/7707 連載 : AWC.3.2 ★タイトル (CKG36422) 02/01/18 12:08 ( 41) @コラム406 税率格差より所得格差の是正が先  ヨウジ ★内容  政府の諮問機関というのは往々にして担当分野のことしか考えない傾向があり ます。今回の税制改正を議論する税調についてもこれまでそういう傾向がありま した。経済危機、財政危機に加え、少子高齢化が急速に進む今、税制の抜本的な 見直しを行なう必要性があることは否定しません。  しかし、ここで一つ考慮しなければならない重要な問題があります。所得税の 課税最低限引き下げや消費税率引き上げが自明の理になっていますが、その前に 国民生活のことを考えてください。税率格差の是正や税収の安定的確保も重要で あることは理解できます。しかし、長引く不況の中で失業者の増大や所得格差の 拡大が急速に進んでいる今、更に低所得者の負担を増やすような税制改正を行な うことが本当に社会正義と言えるでしょうか。最近大手企業が矢継ぎ早にワーク シェアリングの導入を発表しましたが、これは企業の経営や競争力より雇用を重 視する方向の施策です。言いかえれば所得格差を是正する方向の施策です。とこ ろが政府が今やろうとしていることは税率の平準化なのでこれとは逆の方向を目 指すものです。相対的に貧乏人から徴収する税金を増やしその分金持ちから徴収 する税金を減らすことです。お金持ちの自民党支持者はそれは喜ぶかも知れませ んが、庶民生活は益々苦しくなります。所得税の課税最低限引き下げも消費税率 引き上げも庶民生活を苦しくする方向の政策変更です。  このようなことから税率格差を是正(?)するより所得格差を是正する方が先 だという結論が出てきます。失業者や時給労働者を放って置いて所得税の課税最 低限引き下げや消費税率引き上げはないでしょう、と言いたいのです。搾取があ るからお金持ちはお金持ちでいられるのだから、税負担をするか、労働者への分 配を増やす以外に社会正義(最大多数の最大幸福)は達成できません。労働者間 の取得格差もこれと同じ問題です。大企業と中小企業との間の所得格差、社員等 常用雇用者とパート等臨時雇用者との間の所得格差です。低成長ないしはマイナ ス成長下の所得の伸びない厳しい時代では、能力のある者と能力のない者との間 に賃金のメリハリを付けることより、賃金を平準化することの方が重要です。  民間企業が行ない始めたワークシェアリング的施策を政府も行なわなければな らない時代になったのです。だから、税率格差より所得格差の是正の方が先です。                               ヨウジ *--------------------------------------------------------------------* | Backup&Copy BCOPY / Shell&Menu SMENU / 地球温暖化対策Program CO2 | | PC-VAN:CKG36422 e-mail:CKG36422@biglobe.ne.jp | | NIFTY :BXC02020 e-mail:BXC02020@nifty.com or BXC02020@nifty.ne.jp | | Home Page http://www5b.biglobe.ne.jp/~youji/ | *--------------------------------------------------------------------* P.S.低所得者の生活実態を良く調査して生活に支障が出ないよう配慮して貰     いたい。政治(国家)は国民の幸福のためにあるのだから。