#7518/7519 連載 : AWC.3.2 ★タイトル (CKG36422) 01/03/29 14:45 ( 41) @コラム275 諫早干拓推進派の理由  ヨウジ ★内容  有明海の海苔の記録的不作に端を発して起こった諫早干拓問題ですが、推進派 の漁師が事業を継続させたい理由は、何とこういうことだそうです。有明海の環 境悪化で魚貝類が獲れなくなり漁業ができなくなったので、生計を立てるには干 拓事業の工事に携わる以外にないからだということです。つまり、推進派は干拓 が必要であるからではなく、干拓工事が必要だからだということです。そうなる と長崎県知事が干拓中止では県民に申し訳が立たないと言っている真意はどこに あるのでしょうか。  農地造成を目的に始めた干拓事業が、その後の国の減反政策により必要なくな り、途中から事業の主目的が洪水や高潮対策に変えられました。それなら干拓地 は必要なく、潮受け堤防だけで良いのではないでしょうか。それから潮受け堤防 は既存の干拓地の浸水対策には役に立たないという調査結果が出ており、浸水は 既存のポンプの活用で防げるということです。更に潮受け堤防閉め切り前の洪水 時の潮汐は諫早市街の手前1、2キロまでしか及んでいないので、干拓事業と洪 水対策とは無関係だということです。つまり諫早干拓は高潮対策だけの意味しか ないのです。高潮対策だけなら既存の内部堤防かまたはその補修で防げるのでは ないでしょうか。これだけのために国営事業として国が2490億円という莫大 な借金をしてまで干拓事業を行なう妥当性はあったのでしょうか。事業を始めた 1989年から何度も見直す機会があったはずです。しかし、結局当初の予定通 りに事業を進め、1997年には潮受け堤防の閉め切りというギロチンと呼ばれ た死刑執行が行われ、貴重な干潟を消滅させてしまいました。そして今、日本一 の海苔の名産地である有明海全体の環境破壊にまで発展してしまったわけです。  何かこの諫早干拓事業に日本の公共事業の問題が凝縮されているように思えま す。国や地方の借金依存体質、政・官・業の癒着体質と政治腐敗、一度動き出す と止まらない公共事業の硬直性、行政の非効率性、政治・経済の行き詰まり、貴 重な自然環境の破壊・・・等々と言ったように。こういうことが長年全国で行わ れ続け、日本は今、財政が破綻する程の未曽有の財政危機に見舞われているわけ です。  諫早干拓を日本の公共事業見直しの出発点として、反省すべきことは反省し、 正すべきことは正し、きっちりと解決させて貰いたいと思います。そしてまた ムツゴロウが元気に跳び跳ねる干潟を再生させ、日本一の海苔の獲れる有明海に 戻して貰いたいと思います。                                 ヨウジ *--------------------------------------------------------------------* | Backup&Copy BCOPY / Shell&Menu SMENU / 地球温暖化対策Program CO2 | | PC-VAN:CKG36422 e-mail:CKG36422@biglobe.ne.jp | | NIFTY :BXC02020 e-mail:BXC02020@nifty.com or BXC02020@nifty.ne.jp | | Home Page http://www5b.biglobe.ne.jp/~youji/ | *--------------------------------------------------------------------*