#2544/4530 連載 ★タイトル (CKG36422) 92/12/16 16:32 ( 22) ●連載パソ通小説『権力の陰謀』 17.再就職U ★内容  やるだけやっても就職できなかった信一は、当時、良く求人していた営業マンをやっ てみた。 前から自分に向いていると考えていた職種だった。 学生教材の販売、管理 者教育の教材の販売等の。 確かにある意味でこの仕事は向いていた。 自分でも信じ られない位、良く説明でき売れた。 しかし、信一は買いそうもないお客に上手いこと を言って買わすのは好きでなかった。 本当に良い、お客のためになるものを、心を込 めて売りたかった。 そうでないと情熱が湧かなかったのだ。 だから、この職種は体 験した程度でやめた。 アルバイトだが、電話でのセールスの仕事も、お客との意志の 疎通がスムーズに運び、良く売れたが、2ヶ月位でやめた。 コンピュータのセールス の仕事は、そういう理由もあり、研修を受けただけでやめた。 これを最後に、もう営 業マンという仕事は目指さなかった。 そして、余り就職が決まらなかったので、とり あえずアルバイトをした。 近くの硝子工場でも働いた。 夏バテと台が低く腰が疲れ るので奴隷のように辛かったが、それでも4ヶ月位は続けた。 その他本職として、編 集マン、電気技術者等の仕事を学校で学んだ上でやろうとも考えた。 しかし、色々な ことを考え、結局、断念した。  そうこうしているうちに、月日は飛ぶように過ぎ去り、帝都を辞めてから3年近い、 昭和53年3月がやってきた。 コンピュータの仕事は、もうやるまいと考えながらも 、心の片隅では、また、やってみようという気持ちもあった。 それで、新聞の求人欄 にプログラマーの募集があるのに目が留まった。 時代はオフィス・オートメーション の始まりを告げていた。 面接に立ち会った人がいい人だったこともあり、信一は同年 4月より、その旭OA販売鰍ノ勤めることになったのだった。 それは、信一のこれか らの運命を大きく変える分かれ道だったのだ。