大井川 所の沢 2008年7月19日〜21日
メンバー けも氏、にゅで氏、あう
8/19 赤石渡(9:05)---所の沢出合(9:10/9:30)--4m滝(9:40/11:00)---25m滝(14:20)---25m滝上(18:20)---1200m付近テン泊適地(18:45) |
8/20 テン泊適地(7:25)---10m滝上(9:30)---5m滝高巻き開始(10:55)---高巻き終了(12:10)---大ゴルジュ(15:00)---1730m二俣(16:15) |
8/21 二俣(6:40)---1850m二俣(7:15)---登山道(7:55)---中ノ宿吊橋(10:45) |
本文中の赤文字は写真あり
赤石渡付近で大井川に降り立った | 所の沢出合はなんかショボ〜 |
出合から歩いていくとなにやら怪しげな雰囲気に | いきなり連瀑帯 4m滝(F1)と続く8m滝(F2) |
CS8m滝(F3) | F3は左側のカンテ状から登った |
6m滝(F4)はにゅで氏の人柱攻撃 | 6m滝と5m滝と5m滝の連瀑 |
海の日連休は毎年の恒例の南アルプスシリーズです。 昨年は倉沢だったので今年はお隣の所の沢に行くことになった。けも氏にゅで氏の趣味に付き合うのも大変なんです。 大井川水系では倉沢と双璧のゴルジュ沢らしい。さてさてどうなることやら〜 朝一で入渓したいところだが諸々の事情で赤石渡から大井川の河原に降り立ったのは9時をまわってからだった。 今日あたりに梅雨明け発表があったかどうかわからんが快晴の天気で気分よろしい。 所の沢は大井川左岸の支谷で大井川本流が増水してたら入れないが今日は穏やかな流れ。 赤石渡から5分も歩くと所の沢出合に到着。 なんかそのへんの藪沢と変わらんようなしょぼい感じだった。 出合でだらだらと準備して出発。 平凡な河原を進んでいくと両岸の壁が高くなり前方が怪しげな雰囲気になってきた。 最初に出てきたのは釜をもった4m滝(F1)だ。その上に8m滝(F2)が続いている。 さらに奥の壁が高く続いてまだまだ何かがあることが想像できる。 水流右壁が登れそうな感じなので泳いで取り付くが予想以上に手ごわい。 けも氏と僕で交互でちゃぷちゃぷと泳いでへばりつくが結局時間の無駄になる。 あとで記録を見ると左壁からスッと登ってはった。あう〜(>◇<) 僕はここでコケてしたたか右ひざを打撲。これがのちのちひびいてくる。 さて1時間半の奮闘むなしく巻くことにする。ここは左巻きだと下部連瀑全部巻いてしまうようなので右から巻き上がる けも氏に「はいどーぞ♪」とロープの端っこを渡されたのでどうやら僕が登るようだ。とりあえず空身で登らせて〜 取り付きだけカム&アブミで乗りあがってあとは草付き泥壁を這い上がる。立ち木にFIXし後続に上がってもらう。 ここからはF2が丸見えでF1に登ってたとしても結局おなじルートでF2を巻くことになるようだ。 にゅで氏けも氏が上がったところで2P目をお願いしてその間に僕は懸垂下降でザックを取りに戻る。 ザックを背負って戻るとけも氏が2P目のルート工作を終了していた。 にゅで氏、僕と続いて8m滝F2の上部まであがる。そこからは谷が左にまがりCS8m滝F3が見えた。 捨て縄があったので利用させてもらい懸垂下降でF2落ち口に降りる。 さてCS8m滝F3は左のカンテ状から登れそう。 するとまたけも氏に「はいどーぞ♪」とロープの端っこを渡される。沢靴のフリクションを信じてピン2とブッシュ1で滝上に抜ける。 ここも立ち木でFIXし後続に登ってきてもらった。 さて続く6m滝F4は水流沿いしかなさそうだ。おまけにぬるぬるしている。 いよいよ膝故障、内臓故障、ストレス、疲労持ちのにゅで氏の登場だ。水流の中で人柱になってもらおう。 けも氏がにゅで氏ショルダーっていうかにゅで氏ヘッドで滝に取り付くがザックが重くて失敗。外野で見てる分は楽しい。 こんどは空身でチャレンジし、タワシをフル稼働させて登りきった。続く5m滝×2は右の岩溝から巻き越えた。 |
続く25m滝でいよいよ前進不可 | てなわけで高巻き開始 |
25m滝落ち口 | 3m滝と10m滝 |
所の沢名物?の石橋 | ゴルジュ帯のど真ん中に唯一の河原 |
すると前方に釜を持った25m滝が立ちふさがる。えろぽんさんの事前情報ではエイドで登れるらしいが我々には気合もギアもない。 ここまではほぼ水線できたがこれは高巻くしかなさそうだ。 観察すると左から一箇所登れそうな斜面があるのでそれを利用。 けも氏がロープを引っ張る。40mくらい登り立ち木にFIX。2P目は僕がロープを引っ張る。 ボロボロのいやらしい登りが続く。40mくらい登ってから立ち木でビレイ。 けも氏が3P目も行きたまえと言うので泣きながら登る。途中で右手へトラバースを試みるが壁に阻まれる。 しかたがないので上へ上へ登る。一度足元の岩が全て崩れておしっこちびりかけた。・・いや、ちびった。 これ以上登ったらハマリそうなので2度の懸垂下降で上流側のルンゼに降り立った。 ルンゼ対岸の斜面を登り、次のルンゼに再び懸垂下降で降り立つ。これでなんとか25m滝は越えれたようだ。 4時間弱の大高巻きだった。たどり着いたのは25m滝上にある6m滝上。 そろそろ時間も押してきた。このあたりにテン泊適地はなさそうだ。昨年の倉沢での時間切れビバークが頭を掠める。 6m滝の上には3m滝と10m滝が続く。先を急ごう。 けも氏が10m滝の左壁に取り付くが戻ってくる。ロープを出せば登れるが巻いた方が早そうとのこと。 左のルンゼを少し登ってから右手斜面へトラバース。小尾根にあがり先をのぞくとなんと河原が見えている。 なんとかテン泊予定地にたどり着けそうだ。 薄暗くなる中、そのまま小尾根を少し登ったところにある鞍部から河原に降り立った。18時45分。日没ギリギリセーフだった。 河原から下流を見ると、所の沢の有名な景観の石橋が見えている。 河原の上流には登るには厳しい10m滝が立ちふさがっている。 ここはゴルジュに挟まれた唯一の落ち着ける場所のようだ。 標高1200m地点、地形図を見ると出合から直線で400mしか進めていない。 さっそく設営やら晩御飯の準備をしてるうちに完全に日が暮れてしまった。 日没ぎりぎりまで粘ったにゅで氏の竿には何もかからない。 F1で無駄なあがきをしなければもう少し余裕があったがまあいいか。 とりあえず初日の予定は無事に終了。お酒を飲みながらけも氏作のパスタを食べる。 久しぶりに谷底から細長い夜空を眺めながら眠りについた。 |
テン泊適地にある10m滝 | 10m滝を高巻きし川床に降り立った。 |
ここは何故かトラロープがFIXされていた | ゴルジュ地形はまだまだ続く |
8m滝を登ると谷は右に曲がる | 右に曲がった先の廊下 |
5m滝と続く15m滝 | しばらく小滝が続くようになる |
日が変わる頃から寒くて寝れなかった。さすがにシュラフカバーだけではだめか(>◇<) 薄明るくなったので4時には起き出してしまう。しかし谷中で迎える朝は気持ちいい♪ 今日も長い1日になりそうだが朝はだらだらとして準備が進まない。けが病人にゅで氏は朝から体調すぐれないようだ。 それでも7時半には出発。目の前の10m滝はちょっと登れない。右手ルンゼから巻き始める。 朝一からなかなか手強いルンゼの洗礼だ。けも氏が先行しロープを張ってくれた。 その後はなんとか登りきり適当な場所から谷側にトラバースしていく。 40m+40m+25mの懸垂下降3回で川床に降り立った。途中だれかが落とした赤いアブミが落ちているのが見えた。 つるりとした10m滝を右から巻いて滝上へ。続く釜を持った1m滝は左壁にトラロープがFIXしてあり使わせてもらう。 その後も両岸立ったゴルジュ地形は続くが難しいところはない。 8m滝はけも氏がシャワー浴びながら直登。僕とにゅで氏は左から巻き上がる。 滝上で谷は右に曲がり廊下になっており、左からは枝谷が20m滝で入っている。 またまた壁は高くなり何やら出てきそうな雰囲気になる。 するとやはり釜を持った5m滝とその先のホールに落ちる15m滝が見える。 これはだめなので右壁から高巻き開始。けも氏がロープを引っ張る。ずるずるのいやな登りだ。 2P目もそのままけも氏が引っ張って行く。がんばれけも氏! こちらもいやな感じの登りだった。 では3P目もそのままけも氏ってなわけにはいかなく今度は僕がロープを引っ張る。 ルンゼをトラバースして立ち木でFIX。後続に来てもらってる間にもう1本のロープで川床まで懸垂下降で降りた。 これでいったん出合から続いていたゴルジュ帯は抜け出たようだ。 両岸から樹林が降りてくる。ここからはスピードを上げてどんどん進んでいく。谷の中は小滝が続くがほとんど直登可能なものばかり。 しかし距離があるのでどんどんヘロヘロになってくる。今年初の沢泊まりなので荷物にカラダが慣れてない(>◇<) |
大ゴルジュ入口の15m滝&15m滝 | 滝上は通行不可能なゴルジュが続く |
7m滝 | 5m滝は左ルンゼから高巻く |
1730m二俣 | 最後は登れる小滝が続くようになる |
登山道横断点で雄叫びをあげるけも氏 | 最後の核心 中ノ宿吊橋 |
途中で2度ほど休憩をとりながら進んでいくと、またまた両岸が狭まってきた。 釜を持った5m滝が登れないので右から巻いていくと目の前にどかんと連瀑が登場。 みな一斉に「おおー!!」と声を出す。これが通行不可能なゴルジュの始まりのようだ。 15m滝と15m滝が続いたあと上部がこれまたどうすることも出来なさそうな廊下が続いている。 しかしそのまま高巻いていくと踏み後が出たのでそれをたどりゴルジュ帯を抜ける。 最後はそのまま川床に戻ることが出来た。 次に出た7m滝を越えるとお次は越えれなさそうな5m滝が出てきた。ここは左ルンゼから高巻く。ボロボロのいやな登りだ。 草付きの嫌なトラバースを交えながら川床になんとか降り立った。左から枝谷が一本入っている。 そこからはすぐに布引沢との二俣に到着。地形図では標高1730m付近。 3人寝れそうなスペースを整地して設営する。にゅで氏は今日こそはと竿を持って出かけた。 昨日にくらべ時間があるのでのんびりと準備。やっぱり沢はまったりがいいねえ〜 しばらくしてにゅで氏がなんの手土産もなく帰ってきた。がっかり。 てなわけで今晩も炭水化物のみの晩御飯。お酒を飲みながらけも氏作のそうめんを食べる。 もちろん今晩も寒くて寝れない。寝不足のまま朝を迎える。今日もいいお天気だ。のんびり準備して出発する。 二俣は登山道に近い右俣を行く。このあたりから斜面の崩れが目立ってくる。 小滝が続く中を登っていくと1850m地点の二俣に到着。ここは両方とも滝で合わさっている。 我々はより下山に有利な右俣を行く。このあたりになるといよいよ水も少なくなる。 標高1950mを過ぎる頃からキョロキョロと登山道に注意しながら登っていく。 するとけも氏が左上にロープと赤テープを発見した。 登山道横断点に到着し沢装備を解く。 あとは登山道を中ノ宿吊橋まで下るだけだが、時々不明瞭な箇所もあった。 僕はF1で強打した膝が痛くて苦痛の歩きだった。中ノ宿吊橋は高度感があり揺れてこわい。最後の核心か。 偉大な先人の方たちの評の通り、倉沢に比べて登れない滝が多かったです。 まあ、お隣同士と言えども同じ具材で中華とイタリアンくらい違うようなもんです。甲乙つけがたい内容ですわあ。 さすが両方とも大井川を代表する素晴らしい沢だけのことはありました。 同行のみなさま楽しい沢旅をありがとうございました。 |