黒部川 新越沢 2007年9月22日〜24日
メンバー 大ちゃん、かっきー、よっちゃん
9/22 黒部ダム(12:55)---内蔵助谷出合(13:40/14:05)---新越沢出合(15:00) |
9/23 新越沢出合(5:30)---新越ノ滝上(7:45/8:00)---7m斜瀑布(9:10)---12m滝(10:50)---2段30m滝(13:30/14:00)---屈曲点BP(17:40) |
9/24 BP(5:20)---1560m二俣(6:10)---1960m二俣(8:50)---稜線(11:55/12:20)---種池山荘(13:05/13:25)---扇沢(14:45) |
本文中の赤文字は写真あり
黒部ダム放水中 | 切れ込んだ谷間に続く旧日電歩道 |
新越ノ滝 | 近くて遠い取り付き点 |
新越ノ滝は4段60m くらい?? | 黒部峡谷を肴に前夜祭♪ |
秋の3連休第2段もやっぱり遠征するっきゃないでしょ☆ しかしかかし前日まで出張が入ってしまったよ〜(;◇;) 帰ってから準備をするので出発がどうしても深夜になりそうな悪寒。 てなわけで初日は朝一からの行動が出来ない。丸3日かかるところは×か・・ 必然的に行く場所が制限されてしまった(>◇<) そんな中で選んだのは黒部川中流域の右岸支谷である新越沢ってところ。出合にかかる立派な滝が目印だ。 この谷は黒部ダムが放水してる間は渡渉できず入渓できないらしい。 渡るには放水前の朝一しかないとのこと。 そんなこんなで初日はのんびりと新越沢出合の対岸で泊まって夜明けとともに行動すればいいのだ☆ 当日は昼ごろに扇沢に到着。行楽客に混じりトロリーバスで黒部ダムを目指す。 中途半端な時間帯だがさすがに秋の連休ってだけの事はあって結構な数の乗客がいてはる。 黒部ダム駅に着いたら人の流れと逆行して下ノ廊下方面に向かう。 トンネルから外に飛び出すと先ほどの喧騒とは正反対のとても静かな世界だ。 準備をしてさっそく歩き出す。 まずは黒部川の川床まで下降し、ダムの放水を見ながら橋で対岸に渡った。 あとは左岸沿いの道をひたすら歩く歩く。途中にある内蔵助谷出合で通行止めのロープを越えていく。 どうやら今年は残雪の影響で公式には下ノ廊下は開通してないようだ。しかしちらほらと通行人を見かけるが・・ 紅葉にはまだ少し早いが黒部クオリティーの両岸きり立った壁を見ながらのんびり歩く。 かっきーは膝をいわしてるらしくサポーターぐるぐるでダブルストック突きながらのけが人仕様(^^; しかしそんな事を感じさせないペースでガシガシ歩いているし。 ホンマに痛いのだろうか?? 内蔵助谷出合から小一時間も歩くと目的の新越沢の出合が見えてきた。 下ノ廊下を歩いていたら誰もが立ちどまって眺めるであろう新越ノ滝4段60mが入り口だ。 とりあえず対岸から観察すると滝上はV字に切れ込んでいて奥に次の滝が見えている。 なかなか厳しそうな気配がする。 踏み跡から黒部川本流まで下り、絶好の河原で本日の寝床を確保。黒部川は放水の影響で濁った水が滔々と流れている。 この水は食事には使いたくないなあ(>◇<) 落ち着いてから明日の為に新越ノ滝の取り付きを偵察する。 対岸から渦巻く大釜を挟んで見るかぎり取り付き点はなかなか立っていて厳しそうだ。 どっちにしろこの濁流ではこれ以上近づけないのでさっさとテン場に戻り宴会スタート☆ 黒部の景観を肴に飲む缶チューハイはとても美味しい☆ しあわせ気分だ♪ |
新越ノ滝1P目を登る大ちゃん | 高度感のある3P目を登る私 |
10m斜瀑 | 8m滝は巻き巻き |
7m斜瀑 | 7m斜瀑を登るかっきー |
1m滝と3m滝が続く | 12m滝を登る大ちゃん |
今日は長い1日になるはずなので無理やり3時に起床。 眠いぞ〜(>◇<) まだまだ暗いうちから準備を始める。 見上げると黒部の狭い空には満天の星が瞬いている☆ 薄明るくなるのを待って行動開始。まずは新越沢出合の対岸まで移動し黒部川本流を渡渉する。 放水前の黒部川はとても澄んでいて容易に渡ることが出来た。その後は新越沢の流れ込みをジャンプして取り付き点に這い上がる。 さてさて、新越ノ滝の1P目は大ちゃんが名乗り出た。さすが好き者! かぶり気味の岩壁を慎重に這い上がっていく。 岩壁上のブッシュまで登りビレイ。 続いて僕も登るがロープ張っていてもひーひー言う始末だった(>◇<) 2P目と3P目は僕がロープを引っ張ることに。 2P目は単純な木登りだが一箇所岩壁を回りこむ嫌なところがあった。 3P目は簡単な岩登りだが高度感あり。 ハーケンがきまるリスがなくてランナウトで落ち口まで抜ける。 新越ノ滝上からの眺めは格別だねえ♪ 旧日電歩道を歩く人がこちらを見ている。 ウォーミングアップの滝登りを終えて次はいよいよ本題のゴルジュに入っていく。 どうやら大ちゃんとかっきーはゆうべしこたま飲んで朝からへろへろのようだ。ありゃりゃあ〜 エースの具合が戻るまでは控えの僕がロープを伸ばさせていただくことにする(^^; まずは対岸からも見えていた10m斜瀑。ここは右壁を登り潅木でビレイ。続く8m滝は登れないので木登りで滝上に出る。 黒部特有の高い岩壁に囲まれた谷底を歩いていく。4m滝を左から越えて次に出てきた8m滝は下部がつるつるできびしそう〜 ここは左から巻いていくことに。高巻き途中から先を眺めると噴出した7m滝が見えている。 ルンゼから川床に戻り、3m滝を右の岩棚から越えて7m滝の下までやってきた。大ちゃんも調子が出てきたのか俄然やる気モードだ。 まずは右手のポッドホールに這い上がる。狭い穴におっさん3人がぎゅうぎゅうに詰まっていて客観的にはとても滑稽だろうなあ(^^; 右壁にハーケン連打で滝上に抜ける。 なおも深い谷底をごそごそと進んでいくと1m滝と3m滝が続き前進を阻まれた。ここはロープを出して左からトラバースする。 谷は右に曲がり12m滝と4m滝が続き、その先は谷筋狭まりなにやら続いてそうな雰囲気。 周りは垂直の大岩壁に囲まれていて巻くとすると結構な大巻きになるだろう。 とりあえず登ってみよう(・◇・)/ ってことで大ちゃんがロープを伸ばす。 |
12m滝を登るかっきー | 振り返ればV字の向こうに黒部別山 |
2m斜瀑の奥になにやら見えている | 4m斜瀑を登る大ちゃん |
ゴルジュの底でじたばた | 2段30m滝 |
通行不能なゴルジュを見ながらトラバース | 地形図上の屈曲点が見えてくる |
大ちゃんのザックを荷上げしてから僕が続く。落ち口にあがる箇所がぬめぬめして怖かった(;◇;) 滝上で水流をまたぎ次の4m滝を越えるとその先はあやしげなツルツルな世界。手前の2m斜瀑をずりずり這い上がる。 さてさて次が問題だわ。この4m斜瀑を抜けなければ12m滝下まで逆戻りしなければならない。 まずは大ちゃんがショルダー&アブミで1段上の棚にあがりそこからハーケン連打で岩壁を回り込む。 最後は水流を跨いでずりずりと抜け出た。ここはセカンドでも大変だったがとりあえずなんとか滝上へ(^O^; 結局12m滝から距離にして30mくらい進むのに2時間くらいかかった。 あいかわず続くV字の底を進んでいくと7m滝。左のガレからボロボロの泥壁をあがり落ち口にあがる。 その上は見た瞬間降参の2段30m滝が登場。 まいりましたあ。 滝のまわりは開けた空間になっているのでここでランチタイム。黒部の景色を見ながらパンをかじり幸せ気分にひたる。 お腹いっぱいになったのでさて巻きまくろう。 左のルンゼをどんどん登っていく。 どんどんどんどん登ってしまい壁が立ちふさがってきてこりゃ間違いやわとなる。すんません、登りすぎましたあ(>◇<) これ以上登るとハマりそうなので戻ることにする。尾根まであがってしまうと戻れるかわからんし。 痛恨の1時間ロスタイム。懸垂2回で微妙なバンドに降り立ってトラバース開始。いよいよ日暮れとの競争になってきた。 ゴルジュ内を覗きながら微妙なトラバースを4ピッチ。地形図上の屈曲点にあたる部分が近づいてくるが日暮れも近づく。 最後は懸垂下降で屈曲点から伸びるルンゼに降り立ってセーフ。 川床に戻り本日のビバーク地を探す。 すると少し高台にちょうど良い平地があったのですぐにシェルターを張る。 あっというまに日が暮れたが先週のように高巻き斜面でのビバークは免れてほっと一息(^^; しかし出合から500m進むのに12時間かかったよ〜。 恐るべし新越沢。 今日も黒部の高い岩壁を眺めながらの缶チューハイに酔いしれる♪ 寝床の整備をしっかりしなかったので背中が岩でぼこぼこだ。なかなか眠れずに過ごす。 |
CS2m滝 | 開けたガレ場を登る |
トユ状の連瀑帯 | 連爆帯を抜ける |
4m滝とわたし | 詰めは草原に出た☆ |
種池山荘が見えてきた | おつかれさまあ〜 |
さて最終日も長丁場だ。なのでやっぱり無理やり3時起床。今日も眠いよ〜(>◇<) 明るくなってくるのを待って出発。 小滝とナメ滝が続くが昨日の険悪さは皆無。 CS2m滝は泳ぐのを嫌って右から高巻き懸垂下降で川床へ戻る。 その先は急激に開けてくる。広いガレ場となりどんどん高度を上げていく。 朝方は熊が水を飲みに降りてくるらしいので笛をピーピーふきながら前方に目を凝らして歩く。 1560m二俣はなるべく下山に有利なようにと左俣を行く。すると前方で谷が狭まりトユ状の滝を連ねている。 行けるかなあと取り付くが結構悪くてシャワー浴びて途中で凍えてしまい振り出しまで戻る。 変わりに大ちゃんが雨具を着込んでロープを伸ばす。続くCS5m滝はショルダーで越えた。 その次の5m滝は直登難しく右側壁にロープを伸ばして滝上に抜けた。 今日は延々ガレ場登りで悪場はないと思っていたが結構最後まで手を抜かせてくれない。 その後再び単調に進み次の1960m二俣も左に進む。さすがにこのあたりは傾斜がきつくどんどん高度が上がる。 4m滝はシャワーを嫌ってロープを出して右側壁を高巻き。浮石が多くびゅんびゅん石が飛んでくる。ひえ〜(>◇<) さすがにこのあたりにくるとだいぶ源流の雰囲気。地形図とにらめっこしらながら詰め上がる場所を確認しながら進む。 CS3m滝を空身で乗りあがるといよいよ大詰め。熊よけの笛をピーピー吹きながら樹林の中を登る。 まわりは熊さんの好きそうな木苺や山ぶどうがいっぱい成っている。ピーピー吹きまくり(;◇;) 藪こぎをきらってひたすら沢筋を詰めるが、そのうち沢筋も斜面の中に消えていき笹薮にうまってきた。 笹の斜面をひーひー言いながら登って行くと正面に這い松帯が出てきたので左の草原に逃げる。 なるべくあのキツイきつい這い松漕ぎは避けたいところだ。 すると上手い具合に笹原が稜線まで続いている♪ きつい藪こぎを覚悟していたが簡単に稜線の登山道に飛び出せた☆ ラッキー♪ 景色は残念ながらガスでいまいちだが時々となりの岩小屋沢岳や爺ヶ岳が見える。 ハーネスやらギア類をザックに仕舞いこんで中年ハイカー気分で稜線を歩く。かっきーもダブルストックを取り出した。 種池山荘までくると結構な数の登山者が休憩していた。北に続く後立山連峰はやはり人気コースのようだ。 ここから扇沢までひとっ下り。小雨が降りだすがあまり気になるほどではない。 どんどん下っていき沢の音が近づくとともに扇沢のターミナルも見えてきた。最後は車道に飛び出して終了。 核心は500mと短いながらさすが黒部の谷。なかなか充実した2日半でした。 大ちゃん、かっきーサンキューでした☆ またヒーヒー言わされに行きましょう♪ |