尾白川 黄蓮谷右俣 2006年10月7日〜9日

メンバー moto.p、かっきー、よっちゃん 

10/7 尾白川渓谷駐車場(10:20)---五合目小屋(14:00/14:15)---千丈ノ岩小舎(15:00)
10/8 千丈ノ岩小舎(7:20)---黄蓮谷入渓(7:30)---二俣(8:00)---黒戸尾根(11:55)---甲斐駒ケ岳(12:05/12:25)---五合目小屋(13:15)---岩小舎(14:00)
10/9 千丈ノ岩小舎(7:30)---五合目小屋(8:05/8:30)---尾白川渓谷駐車場(10:25)

同行メンバーのレポート moto.p  

出発は竹宇駒ケ岳神社 黒戸尾根名物? 刃渡り!
五合目小屋からの下りから見た奥千丈ノ滝 千丈ノ岩小舎は快適♪
10/7 AM5:00 10月連休は上越国境の谷に入ろうと夜行バスで群馬県の藤岡ICに降り立ったのでした。
ここでかっきーパジェロに拾ってもらう計画だ。 しかしここ数日、連休の天気予報がどんどん悪い方向に変わってきているじゃん。
最新の予報では7日から8日にかけては完全に冬型の気圧配置に変わっていた。
どう考えても上越国境方面の沢に入れる状況じゃないよなあってことで
moto.p、かっきーと合流したあとコンビニの休憩室で作戦会議をする。
・天候が安定してるのは南アルプス。
・今から転進して3日目に大阪に帰れる谷。
・地図が無くてもなんとかなりそうな場所。
以上のような理由で甲斐駒ケ岳に詰め上がる黄蓮谷に変更!!。

さっそく移動! 上越道の東部湯の丸ICから諏訪に抜けて小淵沢へクルマを走らせる。
前日の大雨で途中の川はどれも濁流状態(;◇;)  まあ遡行するのは明日やし、なんとかなるやろ。
尾白川渓谷駐車場にクルマを止めてささっと出発準備。
竹宇駒ケ岳神社を通り抜けて尾白川を渡り黒戸尾根の登りにかかる。
急斜面を九十九折れながらどんどん登っていく。 地面には栗がいっぱい落ちている。 秋だなあ〜!
黒戸尾根と言えば日本でも有数の標高差を持ってる尾根として有名! だったかな?
どっちにしろ今日は半分だけだからまあいいか(^−^;

ところどころにある宗教チックなポイントを見ながらぐんぐん高度を稼いでいく。
と書くだけなら簡単だが実際はみんなヒーヒー文句垂れながらのヘロヘロ登りだった。
途中で出会った二人組の沢屋さんは最初尾白川沿いで登ったがあまりの増水で引き返して黒戸尾根コースに変更したとのこと。
明日は尾白川本谷を登るらしい。
かっきーが二人組沢屋さんにどの谷に入るか聞かれていたが答えられない。 
・・・って言うかいまだにどこに向かってるか知らないらしい。
そういえば作戦会議中は買ったばかりのエ○本の表紙見ながら上の空だったような(^^;

刃渡りってところで少し休憩。 黒戸尾根下半分では一番見晴らしがいいところらしい。
しかし今日はガスが多くて展望はイマイチ。残念。
刃渡りを過ぎるとハシゴやクサリ場がところどころ出てくるが問題なく五合目小屋に到着。
廃小屋になっているが雨が降ってきたので中で少し雨宿りをする。
通り雨だったみたいで10分もすると止んだので小屋の裏手から黄蓮谷に下りはじめる。

地図はないがmoto.pが去年アイスクライミングで通ってるので迷うことはない。 っていうか目印のテープがいっぱいだった。
途中から見た奥千丈ノ滝が結構な傾斜のように見える。 あれホンマに登れるんかな?と思うがmoto.pいわく問題なしらしい。
標高差で400mほど下ると千丈ノ岩小舎に到着。 計画はここをベースにして明日は日帰り荷物で黄蓮谷を登る予定だ。

岩小舎は立つことは出来ないが寝るにはとても快適な感じ。 水は隣に流れている五丈ノ沢からとれる。
寒波の影響で気温はどんどん下がってくる。 焚き火にあたりながら夕食を食べてさっさと寝る。
夜中、なんども突風の音が聞こえるが岩小舎の中はとても平穏な世界だった。

  

千丈ノ滝上部 坊主ノ滝35mは右から巻いた
美しいナメが続きまくる 二俣を行く 右奥が右俣
二俣手前15m 快適に登れる滝が続く
奥千丈ノ滝下部を見下ろす 奥千丈ノ滝 トユ状部
翌朝は5:30に起床。だらだら準備をして7時過ぎに出発。 さすがに気温は低い。 出来ればシャワーは避けたいところだが・・
岩小舎から5分も急下降すると黄蓮谷の川床に到着。
降り立ったところはちょうど千丈ノ滝の落ち口。 しかし、ここからは千丈ノ滝全体は見えない。。
上流側に振り返れば目の前が五丈ノ沢出合ですぐ先に8m滝が立ち塞がっている。
これは登れないので右から巻いていく。 踏み跡はとても明瞭。 巻きあがったところが快適なテン場スペースになっていた。

その先すぐに坊主ノ滝35mが出てくる。 これも登れない(・◇・)/
ここも右から高巻いていく。右に入るルンゼ状を登り適当なところで左の斜面に取り付いて踏み跡を辿って落ち口へ。
坊主ノ滝上からはこれでもかって感じでスラブ滝が続く。 快適にフリクションをきかせながら登っていく。
すると15mスラブ滝、その上が二俣になっている。 左俣が滝で入っていて右俣も奥に滝が見える。 僕達は右俣へ入る。
15mスラブ滝を水流をまたぎながらペタペタ登っていく。水しぶきが異様に冷たい。ブルブルっ(>◇<)

右俣の滝は2段滝で直登は無理(;◇;) じっくり観察観察。 左壁から登れそうなので取り付いてみる。
腕力勝負の木登りになるがなんとか滝上に出ることが出来た。
そこからは狭い谷間に大岩がゴロゴロ。弱点を探しながらどんどん登る。
気温は低いまま、日の光もあたらず動かないとやってられない。 
大岩ゴーロ帯でどんどん高度を稼ぐとやっと日光を浴びる事ができた♪
しかし、気温が低いのであまりあったかく感じないのが悲しい。
ゴロゴロ帯を過ぎると快適に登れる滝が続くが水に手をつけると冷たくて痺れるような痛み。 足の指先もジンジンする。

しばらくするとシャワーを浴びないと登れない滝が出てきたので思わず左から巻き逃げる。
moto.pが先に上がって滝を見下ろすとどうやらこれが奥千丈ノ滝の始まりだったようだ。
小巻きにして川床に戻る。さすがに高度差100m、長さ200mの滝だけあって全部を見渡せない。
シャワー覚悟じゃないと登れないが、巻いたら面白くないので水線で登ることに。
細かな筋を拾いながら登るのだが水流に指を漬けるとイタイイタイ(>◇<) すぐに泣きが入る。

 

寒波の中でのシャワーはつらい(>◇<) 奥千丈ノ滝 中間部スラブ帯
奥千丈ノ滝 中間部 ここで全身シャワーを浴びて戦意喪失(;◇;)
奥ノ滝 霧氷の藪こぎで黒戸尾根に上がる
甲斐駒ヶ岳に到着♪ 下山日は最高のお天気だった
トユ状の部分はどうしても水を浴びる。もう全身ひえひえ(;◇;) かんべんしてくれえ〜
その後も延々スラブ滝が続いていくがなるべく水流を避けて登る。 奥千丈ノ滝は長いなあ〜・・
後半は傾斜が出てくるが快適に登っていける。 しかし最後の滝で全身シャワーを浴びてしまいあえなくダウン。
「もうあかん(>◇<)巻いて巻いて巻きまくる」とごねる。
左から巻き上がるが結構な大巻きになる。 見上げると稜線付近は霧氷で真っ白だ・・・

やっと川床に戻ったところで休憩。 いくら高巻いても体があったまらない。
ここで雨具を着込んでやや復活。 moto.pは治りかけてた風邪がぶり返したようで調子が出ないようだ。
かっきーも指先が痛い痛いと言ってる。

そこからもなるべく水流をさけてどんどん登る登る。僕は雨具を着込んでからは寒さは感じなくなる。
奥ノ二俣を過ぎ奥ノ滝を右から巻いていくといよいよ霧氷地帯に突入だ。
moto.pは早く黒戸尾根に出たいようなので最後は左よりに進路をとる。ルンゼ状を詰めようとするがそこはベルグラ状の氷が・・・
僕がまた「こんなんよう登らん」とごねて、霧氷の張り付いた這い松帯を登ることに。
絶妙に絡まる這い松の枝を掻き分けながら登りきると黒戸尾根の登山道に飛び出た。
尾根の向こうがわには富士山が見えている。 達成感より辛かった思いの方が大きい。
修行のようだった沢登り終了の握手をして僕とかっきーはてっぺんを目指すことにし、体調不良のmoto.pは先に下山し始めることに。

そこからてっぺんまではほんのひと登り。 甲斐駒ケ岳(2967m)の頂上はすごい人だ。 殆んどは北沢峠から人達のようだが。
頂上でパンをかじりながらいちご牛乳を飲む。 寒くてあまりゆっくりもしてられないので早々に退散することとした。
一歩黒戸尾根に入るとまたひっそりとした山に逆戻り。 五合目小屋まで一気に走り降りる。
千丈ノ岩小舎に戻るとまだ2時だった。 あったかいミルクティーを飲んでホッとひといき。
その晩はゆうべほどの冷え込みはなかった。

下山日は朝から青空が広がっている。 どうやら移動性高気圧の中に入ったようだ。
最高の天気の中を早々と下山するのは少しもったいない気がしたが大阪まで帰るのでしかたない。
五合目小屋まで登り返し、あとは長い長い黒戸尾根をひたすら下るのみだ。

今回は苦行のような沢登りになったが、夏ならとても快適なシャワークライミング出来るのだろうな。
またいつかいい気候の時に来てみたい沢でした。

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