境川 大畠谷右俣~開津谷下降 2008年10月11日~13日
メンバー けも氏、大ちゃん、にゅで氏、よっちゃん
10/11 桂橋(7:50)---大畠谷入渓(8:00)---2段25m滝(8:50)---大谷出合(12:20) |
10/12 大谷出合(6:45)---2段40m滝(9:20)---二股(10:45/11:10)---高巻き終了(13:50)---小尾根乗越(14:50)---開津谷二股(15:45) |
10/13 二股(7:20)---魚留滝(8:00)---堰堤(8:30/8:45)---桂湖(9:10) |
本文中の赤文字は写真あり
吊橋から大畠谷を見下ろす | 最初は平凡な河原を行く |
水は雨降りで通常の20cm増しくらい | 3m滝と第1ゴルジュの入口 |
両岸狭まりいよいよ始まり | 2段25m滝 |
左のルンゼ状斜面から高巻き開始 | 第一ゴルジュ出口に懸垂で降り立つ |
穏やかな河原を進む | 大谷出合少し手前でテン泊 |
10月の三連休は上越か大畠谷かで悩んでいたが最後は交通費が決め手となり大畠谷に決定。 自慢じゃないが金がない。 同じく関東貧乏3人組を「相乗りだと割安になるでしょう」となんとか説き伏せて白川郷まで出張ってきてもらう。 さて大畠谷と書いて「オバタキタン」と読むらしい。ここは二股の写真を見て一度本物を見てみたいと思っていた。 どんなとこか楽しみ楽しみ♪ 当日早朝に世界遺産白川郷にある「道の駅」で関東貧乏3人組と合流。 久しぶりに見る顔はみな貧乏そうな顔に拍車がかかっていた。天気はあいにくの雨模様。 ゆうべからずっと降り続いている。しばらく道の駅で仮眠をしながら様子見るがいまいちすっきりしない。 いよいよ明るくなってきたのでとりあえず現地まで移動することにする。 開津谷橋手前にあるお手洗いの軒下でだらだら準備をする。 完全に出遅れてるので今日はもう二股まで行くことを断念。 大谷出合までのんびり行こうってことになった。 クルマを一台下山予定地の開津谷林道分岐付近にデポしてから桂橋に移動。 小雨の降る中を歩き出す。大笠山に続く登山道を50mほど歩くとすぐに大畠谷吊橋に到着。 吊橋の上から谷の様子をうかがうとゆうべからの雨で若干水が増えてるようだ。 まあ遡行には問題なさそうなので吊橋手前の小屋横から境川の川床に下降。すぐ横に大畠谷出合がある。 大畠谷に入るとまずは平凡な河原が続く。谷は深いが河原が続くので問題になるような場所はない。 左にガレ場を見送り奥へ奥へと進んでいく。途中腰まで浸かって進むところがあったが冷たいだけで問題なし。 雨はいったん止むが水量は岩のこけから判断すると平水の20cmくらい増量くらいか。 だらだら小1時間くらい歩いていくと釜を持った3m滝の奥に急激に狭まった岩壁が見えてきた。 いよいよ第1ゴルジュのおでましのようだ。そのまま進んでいくと両岸切り立って何かが出てくる気配。 すると突然2段25m滝が登場。おお素晴らしい~♪ なかなかの迫力だ。 まわりをぐるりと見渡し、定石どおり左のルンゼ状斜面から高巻くことにする。 まずは大ちゃんがロープを引っ張っていく。一段上がった棚から少し右に回りこんでルンゼ状を直上する。 灌木でピッチを切り。続いてけも氏が2ピッチ目を引っ張る。ずるずるの草付きをあがり小尾根で切る。 あとは下降気味にトラバース。最後は懸垂で第1ゴルジュの出口に降り立った。4人だと時間がかかり高巻き2時間半 そこからは穏やかな河原が続く。今日は大谷出合までなのでもう悪場はない。 のんびりと行くはずがなぜかみな足早に進む。なぜや?? 仕方ないので僕もひーひー言いながらついていく。 第2ゴルジュ入口手前で左から大谷が入るがテン場にふさわしい場所がないので少し戻った河原にツエルトを張る。 相変わらず天気は降ったりやんだり。なかなか雨具が脱げない。空気が入れ替わったようでどんどん気温も下がっていく。 それでも夕方には雨もあがり焚き火にあたりながらまったりと過ごした。 気温は低いが狭いツエルトに大の男が4人も寝るとぎゅーぎゅーで暑いくらいだった。 |
第2ゴルジュ入口 | 大ちゃんが何かを発見 |
5m+2m滝は左から登る | 2m滝落ち口へのへつりは怖かった |
登りやすい小滝が続く | CS2m滝とCS5m滝は登れず右から巻く |
最後はCS8m滝上へ斜め懸垂 | 6m滝+6m滝の連瀑 |
6m滝は細かいホールドを拾って大ちゃんが登る | 6m逆くの字斜瀑は右壁から |
翌朝は5時に起床。今日は長い1日になりそうだが準備はおそおそとして進まない。 だらだらと朝食を食べてから撤収し結局7時前に出発。 大谷出合を横目に見ながら第2ゴルジュに入っていく。とたん大ちゃんはいきなりTOPギアに入りぴゅーっと消えていく。 最初のうちは悪場もなくするすると進んでいけるがすぐに正面は岩壁で行き止まり谷は左、右と屈曲している。 先行していた大ちゃんが立ち止まって何かを眺めている。何かなと僕も見てみると5m滝と2m滝が落ちていた。 大ちゃんは「左からいけるで~」と言ってささっと登って行く。 僕もつづくが5m滝左側の岩を簡単に登るとそこからは微妙なへつりが待っていた。 大ちゃんはあっという間にへつって早くも2m滝の落ち口に立っている。 不安定な足場になかなか足が出ないがえいやっと気合でなんとか5m滝上へ。 そこから岩棚を1段上がってもう一度へつりで2m滝落ち口へ。なかなか怖かった。 続く5m滝は右から簡単に落ち口へ登れた。 ゴルジュはまだまだ続くがしばらくは簡単に越えれる滝が続く。しかしCS2m滝で行き詰った。 これは巻くしかないな。右のブッシュをかき分けながら登ってトラバース開始。 すると残置ハーケンがあったのでありがたく使わせていただくことにする。 ここからCS2m滝上のCS5m滝落ち口に向けて斜め懸垂で降りる。 再びゴルジュ内を進むと今度は連瀑帯になった。最初の6m滝は左壁から簡単に登れる。 落ち口で水流をまたぐ時に滑りそうで少し緊張。続く6m滝は右壁を大ちゃんがロープを引っ張る。 中間部はホールドが細かいがロープ張ってもらったからラクチン♪ その上の5m斜瀑は釜をへつってから左の壁を登るのだが途中胸まで水につかり凍える。 お次の6m逆くの字滝はけも氏がロープを引っ張るが滝上にあがるところで苦労しているようだ。 登ってみるとたしかに最後は足の置場が微妙でロープあっても怖い。けも氏えらい。 その後は悪場もなくどんどん進むと両岸が広がっていき、どうやら第2ゴルジュは抜け出たようだ。 穏やかになった河原を高度を上げながら進んでいくと右手上の方にスラブ壁が見えてくる。 あれが黒池の大スラブ壁かなあ?? |
2段40m滝は左から高巻いた | 岩峰の奥に左俣大滝が見えてきた |
二股と大畠谷奥壁 | 右俣ゴルジュの入口 |
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狭く曲がりくねったゴルジュ内 | CS10m滝 |
左岸壁にとりついた | 右俣ゴルジュ内の滝を展望 |
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簡単な岩壁だがボロボロで怖い | 4P目ボロボロトラバースはもっと怖い |
左に枝谷を見送るとすぐに2段40m滝が出た。これは簡単には登れない。 右側は壁が立っているので少し戻って先ほどの枝谷から左巻きに入る。灌木を掴みながらのモンキークライムで登っていく。 小尾根を越えてトラバースし最後は懸垂で川床に戻った。高巻き40分くらい 滝上からはしばらく両岸狭いが快適に進んでいける。 右手に岩峰が見えてくるとその奥にスラブ壁とでっかい滝が見えてきた。あれが左俣大滝だろう。 いよいよ二股が近付いてきた。みな期待感でペースアップ。小走りで進んでいく。 すると突然開けた河原とその奥に二股が登場。写真で見たあの景色だ。 大畠谷奥壁が見渡せる。 これは素晴らしい♪ みなで記念撮影。 ここでランチタイムとする。 素晴らしい景色を眺めながら食べるランチはサイコー♪ さてさて、景色を堪能したあとは越えなければならない。 我々は右俣ゴルジュを進む。またもや大ちゃんがぴゅーとゴルジュの奥に消えていく。 大ちゃんはゴルジュが大好きでしかたがないようだ。右俣に入るとすぐに両岸が極端に狭まってくる。 狭い両壁を突っ張りで越えてからショルダーで右岸に移動。曲りくねったゴルジュを覗きながら進むとCS10m滝で行き詰まる。 CS10m滝は左壁を登る記録もあるが結局滝上から左岸壁に戻ることになるようだ。 時間もないのでCS10m滝の手前から左岸壁に取りつくことにする。大ちゃんは残念そうだが。 ここは岩登り大好きけも氏が他のやつらに行かせてたまるかとさっさとTOPで登って行く。 簡単な岩登りだがなんせもろい。ロープをさばいただけで落石が起こる。 僕は最後尾だったので上に3人いてると石の一斉射撃にあってるようだった。 びゅんびゅん飛んでくる石に注意しながら登って行く。振り返ると左俣大滝と右俣ゴルジュの景色が素晴らしい。 右俣ゴルジュは10m滝の上にも大きい滝をいくつかかけている。まあ遡行はできなさそうだが。 3ピッチで灌木帯まで上がり4ピッチ目でトラバース。全部けも氏がTOPで行く。 最後は少し藪こぎトラバースをして小尾根から川床へ懸垂なしで下降できた。 |
ゴルジュの上は一転し穏やかに | 秋色の渓谷を行く |
右の尾根が近付いてきた | 尾根を乗り越して開津谷へ入る |
976m付近二股でテン泊 | 連瀑帯は右から巻き下りる |
時々こんな滝が出てくる | 左岸支谷の素晴らしい景観 |
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魚留滝15mは懸垂下降 | 桂湖が見えてきたら終了まじか |
ゴルジュの上はとても穏やかな景色が広がっている。紅葉も盛りでとても美しい。 秋色の渓谷をのんびり進んでいく。途中40m斜瀑などが出てくるが快適に登っていける。 稜線まで詰めると日暮れのおそれがあるので途中で小尾根を乗り越してお隣の開津谷に入ることにする。 標高1400m付近で谷が西へ折れるあたりが一番小尾根との標高差がない。 そこから少しの藪こぎで小尾根に乗りあがり開津谷側の斜面を下って行く。 最初は急なルンゼ状だが次第に傾斜も落ちついてくる。いくつかの枝沢が集まりどんどん沢らしくなってきた。 けも氏と大ちゃんはあっという間に下って行くがにゅで氏と僕は膝の具合が悪いのでとろとろと降りる。 地形図976m付近二股のテン場適地で2日目の行程を終わらす。 少ない枝を拾い集めて火をともす。昨日よりも気温は下がっているようだ。 だらだらと意味のない話をしながら過ごす時間はとても楽しい。最後は睡魔にまけてツエルトにもぐりこむ。 相変わらずツエルト内はぎゅーぎゅーだ。今夜は結露がひどくて顔に滴があたり何度も目が覚める。 翌朝は薄明るくなって目が覚める。今日は谷を下るだけなのでそんなに慌てる必要もない。 だらだらと火をおこしてから朝食を作る。のんびり出発準備をして7時半前に歩きだした。 歩きやすい谷を快適に下って行くと連瀑帯に行き当たった。 ここは右から巻き下りていく。踏み跡もしっかりしていて問題なし。 巻き終えると連瀑帯は終わって河原状になっていた。 その後も快適な下降が続く。何か所が5mクラスの滝が出てくるが残置ロープがあったりするのでラクショー。 左から豪快な支谷が滝となって落ちているのを見るといよいよ魚留滝が出てきた。 ひとつ手前の5m滝を懸垂下降で降り、つづく魚留滝15mも懸垂で降りる。 その後はたいした滝場もなく堰堤にぶちあたる。堰堤を左から巻き下りると林道が出てくる。 あとは林道をだらだらと歩いていく。最後は桂湖のバックウォーター沿いを進みクルマのデポしている駐車スペースに飛び出した。 さすが有名な谷だけあって楽しいところでした。適度な難度と素晴らしい景色の名渓です。 ご一緒したみなさん楽しい沢旅をありがとう~♪ |