北アルプス 前穂高岳北尾根 2003年10月11日〜13日
メンバー かっきー、よっしぃー
10/11 上高地(7:25)----横尾(9:15/9:35)----涸 沢(12:10) 10/12 涸 沢(5:40)---5.6コル(6:30)---W峰(7:25)---V峰---前穂高岳(10:20) ---奥穂高岳(11:50)---涸 沢(13:30) 10/13 涸 沢(3:55)----横尾----上高地(7:45) |
上高地を出発! | 目指す北尾根! |
屏風岩基部の紅葉 | 紅葉のトンネルを行くかっきー |
今回は日本の三大岩稜の一つと言われている前穂高岳北尾根を目指すことになった。 季節も秋真っ盛り! 涸沢の紅葉も楽しみだねえ^^ 10月の連休と言うこともあり恐らく上高地は観光客と登山者でエライことになってることが想像できる^^; なるべく早い時間に上高地を通過してしまいたいと考えて、平湯のアカンダナ駐車場に4時頃到着。 ガーン! しかしゲートが閉まっていてすでに車が何台も並んでいるではありませんかあ。。 予定が狂ってしまったがしかたがない。ここで少し仮眠タイムをとることに… 6:00になってようやくゲートがオープン。結局上高地に入った時には7時を過ぎていたのでした^^; すでに観光客と登山者でいっぱいの上高地をさっさと通りすぎてひたすら歩く歩く。 明神、徳沢、横尾と登山者の行列が途絶えることなく続いていく。。 どんどん追いぬくが次から次と列は続いてキリながないぞ〜^^; 途中左手には今回の目的の前穂高岳北尾根が見えている。いやがうえにも気分は盛り上るぜ〜 横尾大橋を渡り横尾谷の左岸に沿って歩いていく。屏風岩周辺の紅葉がとてもキレイだ。 本谷橋で右岸に渡る。周辺は休憩してる登山者で足の踏み場もない。こう言う場所は通過通過。 ここから少し傾斜が急になり登山者の列も詰まり出す。 |
涸沢のテン場まで紅葉の中を進む | ここまで来たらもうすぐ到着だ |
テン場の中でも1、2位を争う貧弱な我が家 | おなじみの涸沢の風景 |
美しい紅葉のトンネルの中を進んで行くと右手前方に涸沢ヒュッテの吹流しが見えてくる。 見えてからが長い長い、歩いても歩いてもなかなか近づいてこないのは何時もの事。 最後の坂ををあえぎながら登り切るとやっと涸沢ヒュッテに到着。 先週末でテント400張りとの情報があったので恐る恐るテン場を覗くと… よしよし、まだテントは少ないようだ。今のうちに少しでも良い場所を捜そう♪ 今回はかっきー持参のシェルターが我が家。モノポールでお手軽な感じだ。 しかしこのお手軽さが翌日に思わぬ事態に…^^; 日が暮れるまではまだまだ時間があるのでのんびりと過ごすことにする。 なんといっても紅葉が素晴らしすぎる!いくら見ていても飽きない。 今まで涸沢の紅葉はすごいと何度も聞いてきたが、これほどスゴイとは・・・ この景色が見れただけで大満足♪ ほとんど徹夜だったので早めに夕食の鍋をつくりお酒を飲んで明るいうちに寝てしまった。 |
5.6のコルへの登り(前日撮影) | 5.6のコルのかっきー |
岩の脆いW峰の登り | |
W峰の登りにある目印 | W峰の頂上は細長い |
夜中、急に天幕を打つ音が・・・「ま、まさかこの聞きなれた音は」 雨音はますます勢いを増す。ちょっと勘弁して〜 無常にも雨はいつまでも降り続く。。 予定の出発時間は5時。しかし、いっこうに雨が止む気配も無い。 徐々に止んでくるだろうと予測して少し出発を遅らせる。 昨日の調査ではヘルメット組は少ないのでそれほど尾根上で混まないだろう。 結局5:40に出発。外はまだ真っ暗。ヘッデンをたよりに歩く。 5.6のコルへの道は昨日の昼間に下見していたので迷うことはない。 ガラガラの緩やかな傾斜を登って行く。15分程登ったあたりで左側斜面に踏み跡が出てきた。 そこから5.6のコルまでは急登。だんだん明るくなってきてヘッデンも不要になる。 コルに着く頃には雨もほとんど上がるが景色はガスでまったくだめ(><)。 コルには何張りかテントやツエルトがあったがまだ出発しそうにないみたいだ。 少し休憩をとりいよいよ北尾根に突入! まずはX峰の登りだ。パッと見ると鋭いリッジの稜線が続くが道は涸沢側にしっかりとついている。 それも歩いてみると普通の一般道と変わらない。問題無くX峰を通過し涸沢側から4.5のコルに下る。 W峰は打って変わって浮石だらけの登りでちょっと嫌な感じだ。 コルから涸沢側の踏み跡に沿って行き。踏み跡がとぎれるあたりから稜線を目指して登る。 このあたり岩が脆く大きな岩がぐらっとして何度もヒヤッとさせられる。 目の前に岩壁が立ちはだかったところで奥又白側へ。 このあたり稜線上唯一目印が書いてある場所だ。 ここまできたらだいぶ岩もしっかりしてきて快適に登って行ける。 もう一度涸沢側に戻ると、W峰の頂上までひと登り。 晴れたら高度感がすごいのだろうが今日は真っ白でぜんぜんだめだあ。 細長いW峰を後にして3.4のコルへ。 ガスで視界がないがV峰に取りついてるパーティのコールが聞こえてくる。 |
|
V峰の下部テラスにて順番待ち | 2ピッチ目チョックストーンを越えるよっしぃー |
3ピッチ目凹角通過後 | ロープぐるぐる巻きよっしぃー |
U峰下降はクライムダウンで通過 | 前穂高岳頂上はガスの中 |
奥穂高岳頂上とよっしぃー | パノラマ道から見た涸沢のテン場 |
3.4のコルでロープを出してハーネスをつける。いよいよ登攀開始。 ガスでさっぱりルートが読めない^^; とりあえず20mほどコンテで登って行くと狭いテラスがありここをビレイ点にして先行パーティが登攀中。 テラスの少し下で順番待ちをする。しかしじっとしてると寒い寒い(><) 15分程待つと先行パーティが上がっていったのでまずはかっきーがトップで1ピッチ目開始。 ガイドブックによるとここは3つのルートが選べるようだ。 右ルート(凹角から右のリッジに出る) 中央ルート(中央凹角を直登) 左ルート(バンド上を左上してから稜線に戻る) しかし狭いテラスの時点で左ルートの分岐を過ぎてしまっていたようで とりあえず凹角でもなさそうなところを登る。ここはどこ?? 一段上がった広いスペースのところでまたまた先行パーティで詰まってしまったので 僕もそこまで上がる。 う〜ん 順番待ちは寒いよ〜^^; そこで先行パーティが右ルート?をとっているで僕達はそのまま正面の岩を直登することにした。 で、その岩が雨で濡れてツルツルで滑る滑る^^; まずはかっきーが残置スリングなど掴めるもんはなんでも掴んで無理やり越える。 しかし越えたところで先行パーティのルートと合流していてここでまたまた待機^^; 僕もとりあえず登ろうと思ったがトレッキングシューズと相性最悪のツルツル岩。。 「あかん、かっきーゴボウさせてっ!」と泣く(><) 後から調べるとどうもルートではなさそうな場所でした。。 なんとかゴボウでツルツルの岩を乗り越す^^ゞ 正式ルートに戻りそのままやや右上した岩溝の入り口でピッチを切る。 つづいてつるべで僕がトップで2ピッチ目開始。 岩溝を普通に歩いて登り、出口にあるチョックストーンを越える。 手がかりは豊富にあるけど足がかりが全然ないじゃん。 仕方ないので腕力で「おりゃー!」と上がる。 その先凹角でまたまた先行パーティが詰まってるので凹角手前で2ピッチ目終了。 先行パーティの方と雑談しながら少し待機。 しかし、ピッチを短く切りすぎてその都度ロープを巻くのがエライわあ^^ 先行パーティに続いて3ピッチ目開始。今度はかっきートップで凹角突入。 ここは急だがホールドがたくさんあるので問題無しに通過。 4ピッチ目は普通の岩場歩き。コンテでだらだら歩いていく。 「運転手は君だ〜 車掌は僕だ〜♪」とぜんぜん気合の入らない歌をかっきーと合唱。 コンテで歩くと電車ごっこの気分だねえ。 5ピッチ目は頂上直下を5、6m程直登。被り気味でちょっと登りにくい。(涸沢側に巻き道もあるらしい) ここは僕がトップで通過する。 そのままコンテでV峰からU峰へ。ほとんど登り下りもなくU峰に到着。 ここで先行パーティを抜かせてもらう。 U峰の下りは濡れてたら懸垂下降が無難と他の方のレポートに載っていたが。 パッと見てクライムダウンでラクショーみたいだったのでそのまま下りる。 あとは前穂高岳本峰まではぜんぜん問題なし。 前穂高岳(3090m)の頂上はやはりガスでまったく展望きかず残念。 ここでハーネスとヘッチンを外し身軽になる。 じっとしていると寒いので出発。 紀美子平にいったん下り吊り尾根を奥穂高岳へ歩く。岳沢から吹き上げてくる風が冷たい。 奥穂高岳(3190m)はさすがに登山者でいっぱい。連休と言う事を思い出さされた。 穂高岳山荘からザイテングラードを通って涸沢に戻る。 涸沢はガスが切れてるがさすがに稜線はガスに包まれたまま。 再びだらだらとした時間を過ごす。 明日も朝早いので夕食の雑炊を食べてさっさと寝ることにした。 夜半から雨風が強くなり天幕がたよりなげにバタバタと音をたてている。 一瞬強く天幕が音をたてたかと思うと急に静けさが・・・ 恐る恐る目を開けると空が見えてるじゃないですか! いやもしかしたら・・ いやそれはないだろう・・と自分に言い聞かせていた事態に^^; この寒空の下、天幕が飛ばされて寝袋にくるまって寝ている男二人の姿がさらされた状態。 あまりにおもしろ悲しい光景だっただろう。。 すぐに天幕を立て直し、それ以降は寝ることもできず風が吹くたびに 条件反射でポールを押さえる夜を過ごすことになる(><) 結局4時前に涸沢を出発。 連休最終日、いくら悪天候とは言え観光客と登山者でごったがえす上高地。 出遅れたら大渋滞に巻き込まれてしまうことは容易に想像できる。 少しでも早く上高地を脱出するため足早になる。 なんとか8時前には上高地に着け無事にバスに乗ることができた。 今回も雨の岩稜歩きになってしまったがまたひとつクラシックルートが歩けて満足できました。 こんどは晴れた乾いた北尾根を歩きたいものです^^ |