南アルプス 北岳バットレス 第4尾根 2004年10月9日〜11日
参加メンバー かっきー、よっしぃー
10/11 広河原(2:15)---二俣(4:00/5:30)---C沢(6:00)---bガリー大滝取付(6:30/7:00)---第4尾根取付(8:25/8:40)--- ---終了点(11:05/11:15)---北岳(11:35/12:00)---二俣(13:25/13:35)---広河原(14:10) |
左側の尾根が第4尾根 | 第4尾根の全容 | |
二俣でツエルトを被って夜明けを待つ^^; | バットレス沢はこの大岩が目印 | |
C沢の右手から続く踏み跡をたどる | bガリー大滝に到着〜♪ | |
ここ何ヶ月かは、ずっと谷底ばかりを歩いてきた。。 稜線系中年ハイカーのボクとしてはそろそろ尾根歩きがしたいなあ〜。 そこで禁漁期に入ってひまそうにしてる源流釣り師のK氏に 「たまには高いとこからの景色を見に行きましょう!」と声をかけると快い返事が返ってきた^-^ そうは言うものの源流釣り師と中年ハイカーが行けるルートは限られている。 そこで浮上したのが今回の北岳バットレス4尾根。数あるクラシックルートの中でも由緒正しい正統派初心者向コースだ^-^ 4尾根ならいけるか〜♪ ってことですぐに決定。 しかしながら1年ぷりのマルチピッチ。。 やり方を覚えてるか不安。 練習し直す時間もないしなあ・・・。 まあ、ぶっつけ本番で登ったら思い出すか^^; ってことでよろしくかっきー! 出発の日にちが近づくと、ここぞとばかりに台風22号も急接近^^; 活発な秋雨前線を刺激しながら狙いすましたように東海関東直撃コースに進路をとった。おいおい(TOT) 10/9 前夜大阪を出発し6時間かけ中央道の韮崎ICをおりてみると釜無川を筆頭に川と言う川が濁流になっている^^; コンビ二によって情報を聞いたところさっきまで土砂降りだったらしい。。 南アルプス林道は大丈夫なのか?? 一抹の不安がよぎる。。 午前5時。。 恐る恐る芦安の駐車場にたどり着いてみるとまさかというか、当然というか・・・ 南アルプス林道 山ノ神ゲートより通行止め!! 台風のあほ〜(T◇T) あほ〜(T◇T) あほ〜(T◇T) 《嗚呼・・・ 空白の時が過ぎていく》 そして30時間たちました(−_−; 10/10 AM10:30 我々を乗せたタクシーは山ノ神ゲートを通過し広河原を目指してひた走っていく。 今年はマイカー規制のため芦安でバスかタクシーに乗り換えなければ南アルプス林道を通れない。 。 登山口の広河原に着いたのはお昼頃。。 今から登ると日没になるよなあ。 作戦を練り直した結果、バットレスは明日に賭けることとしさっさと寝ることに決定。 夕方の5時くらいには寝袋にもぐりこんだ。 だがしかし昨日から30時間ものあいだ、食っては寝るの繰り返しなわけで^^; 夜中にふたたび降り出した雨の音を聞きながら眠れない夜を過ごす。 10/11 ほとんど寝ることができないまま夜中の1時30分に起床。準備をととのえ2時過ぎには広河原を出発した。 小雨の降る中、真っ暗な大樺沢沿いの道を登っていく。暗闇の世界に増水した沢の爆音だけが響いている。 二俣に着いたのは午前4時。あたりはまだ真っ暗。時おり星が瞬くがすぐにガスにかくれてしまう。 あいかわらず小雨もパラつく。ここで明るくなるのを待つことにし、ツエルトを被りラジオを聴きながら時間が過ぎるのを待つ。 5時半。ようやく薄明るくなってきた。つねに頭の隅にひっかかっている最終バスの時刻。追われるように歩き出した。 30分程歩き大岩が見印のバットレス沢を横切る。そこからすぐに水が流れるC沢に出合った。 僕たちはC沢とバットレス沢の間の尾根につけられた踏み跡をたどってbガリーに登っていくことにした。 踏み跡はしっかりしていてふつうの一般道と見間違えそうなくらいだ。 しばらく登っていくと前方に下部岩壁帯が立ちはだかってきた。すでにbガリーには二人組パーティが先着している。 |
bガリー大滝1ピッチ目はこのクラック^-^ | 1ピッチ目クラック上にて |
bガリー大滝から横断バンドを目指して登る | 横断バンドから見た第4尾根^^ |
4尾根1ピッチ目クラックを行く先行パーティ | 2ピッチ目はcガリー側フェースを登る |
bガリーに着くと、また雨が降り出してきた。二人組パーティは天気待ちをしてるのか登りだす気配がない。 それじゃあ ってことで僕たちが先に行かせてもらうことにした。bガリー大滝の取付でハーネスをつけ靴を履き替えた。 1P クラックを直上するルート。乾いてたらどってことなさそうな感じだが濡れてるので念のためロープを出すことにした。 今回は9×50mのダブルロープ。 普段、沢では8×30m1本勝負なのでロープ2本になるだけで頭錯乱じょうたい(@◇@) あーでもない、こーでもないとロープをセッティングし、まずはボクがトップで登り始める。 あいかわらず雨は降っているがホールドもスタンスもしっかりしてて問題なくクラック上のテラスに到着。 まだ早いかなあと思いながらも「最初やしまあええか^^」ってことでここで支点をセットしセカンドのビレイに移る。 ルベルソをセットし合図を送るとかっきーも問題なくひょいひょい登ってきた。 2P フェイス。 ツルベ式でかっきーがトップで登りそのまま大滝終了点へ。 登るのはいいがロープの扱いがとてもじゃないが遅すぎ〜 コールのやりとりもちぐはぐ^^; やっぱり練習しとくべきだった^^ゞ あーだこーだともたもたしてるうちに先ほどの二人組があがってきたので先に行ってもらう。 やっとのことでボクも2P目を登り始める。特に問題なく終了点へ。ここでいったんロープを巻いて4尾根取付まで移動になる。 ここでも、もたもたしてるうちに今度はあとからきた二人組が追い抜いていった^^; ついにキレた二人は「もうダブルはやめや!」と言って9mm1本で行くことにした。。(危険です。けしてお奨めしません^^;) 草付きのルンゼをトラバース道を見落とさないように注意しながら登っていくと踏みあとがあったあった^^ 左手に続くトラバース道に入り草付き帯を横切ってガレガレのCガリーを横断。 ここにCガリー沿いに上がる4尾根への目印があるが、 僕たちはそのままトラバース道を少し進み潅木帯の中の踏みあとを登った。 4尾根取付きの大テラスに到着すると1組目がちょうど登ってるとこ。 順番待ちのあいだに景色を楽しむ^−^ 雨はいつの間にかあがり晴れ間が見えてきた。 正面の鳳凰三山の白色がとても美しい。 2組目のセカンドが登りはじめいよいよ僕たちの番だ♪ 1P またまたトップを行かせてもらう^-^ 今回、ボクだけフラットソールを履いてるので核心部担当をまかされた。 出だしのクラックがなんともいやらしい^−^; クラックに足をねじ込みじたばたしながらエイッと強引に上がる。 クラックを過ぎると簡単なスラブ。適当なところでビレイに移る。 2P ツルベ式でかっきーがリード。ガイド本によるとここは左側と右側の両方コースがとれるみたいだ。 かっきーは右側のCガリー側フェースを選択。しばらくして登れの合図。プロテクションを回収しながら簡単なフェース登る。 不本意ながらロープを一本にしてようやくペースがあがった。。 次回までにはダブルの練習しとかないと。。反省です。 |
3ピッチ目を登るよっしぃー | 3ピッチ目白い岩のフェースを登るかっきー |
5ピッチ目垂壁を右に逃げるよっしぃー^^ゞ | 5ピッチ目ナイフエッジは高度感サイコー^^ |
マッチ箱のピークからの懸垂 | 6ピッチ目のビレイ点から下を見下ろす^−^; |
3P ボクがリード。白い岩のフェースと呼ばれてるところだ。景色も良く、とても快適快適^^ 自然に鼻歌もでる♪ 少しガスが出てるが天気は確実に回復にむかってるようだ^-^ 4P かっきーがリード。ここはあっというまに終了。15mほど登って垂壁手前のコルで切る。 5P ボクがリード。さてさて噂の垂壁登場。 こまかいホールドに立ちこみながら最初のプロテクションにロープを通してホッと一息。 しかし垂壁を直上するのはあきらめて右側に回りこむ(^◇^ゞ 回り込むと足元はスッパリ切れ落ちてて高度感があるが、しっかりしたガバがあるのでラクラクで上がりきる。 垂壁の上から今度は両側が切れ落ちたナイフエッジの通過。ここはとても気持ちがいい^−^ これこれ♪ この高度感がサイコー! とつぶやきながらエッジをまたいでズリズリ這い上がっていく。 マッチ箱のピークでセカンドの確保。かっきーもナイフエッジでよろこんでるようだ。 そこから先行パーティが7ピッチ目を登ってるのが見えている。僕たちは後続がいないのでのんびりと出来る^^ 次はdガリー側に懸垂で10mほど降りる。懸垂支点はしっかりしていた。 着地点は少し右側の方にあるらしい。 下が見えないので気持ち右へ右へと降りていくとテラスがあった。 セルフをとってエイト環をはずしかっきーに合図。 かっきーもするする降りてきた。 |
6ピッチ目コーナークラックからフェイスへ | 定番の写真をパチリ(^O^)/ |
7ピッチ目は左の凹角を登った | 枯木テラスから見下ろす |
7ピッチ目フェースを登るかっきー | おつかれさま〜^−^ |
6P ここはかっきーがリード。コーナークラックからフェースの登り。 からだがすっぽり入ってしまいそうなクラックに沿って登っていきフェースに移る。 スタンスは細かいが問題なく登っていけた^^ ここのフェースから見下ろした景色はよく写真で見る^-^ 4尾根といえばこの写真♪ 前例に違わず僕たちもここでパチリ(^O^)v 7P ボクがリード。本来はリッジ上がルートらしいが間違って左隣のルートの草付き凹角を登ってしまった^^ゞ 結局、枯れ木のテラスで4尾根ルートと合流しフェースを登って岩の割れ目の手前でピッチをきった。 ここを終了点として、あとはコンテで行くことにする。岩の割れ目をまたいでスラブを登ると大テラスに到着。 これで4尾根の登攀はすべて終了^−^ かっきーとハイタッチを交わす。 登山靴に履き替えて草付きに付けられた踏みあとを登っていく。この登りでけっこうヘロヘロに^^; 最後は稜線の登山道に出て、そこからすぐのところに北岳(3193m)の山頂があった。 ゆっくりとしたいところだが、最終バスの時刻が気になるので下り始めた。 八本歯のコル経由で二俣へ。途中、バットレスの景観が目を奪う。「あそこ登ってんや〜」っと思うと感慨深いもんだ。 今、まさに一組のパーティがちょうどマッチ箱のピークに立ってるのが見えている。 二俣から急ぎ足で大樺沢を下り広河原へ。気になっていた最終バスの時間には余裕持って到着できた。 テントを回収し帰り支度。うまいこと帰りも相乗りタクシーに乗ることができ広河原をあとにした。 10月の連休ということで4尾根は大渋滞と覚悟してたけど、台風のおかげで静かな岩稜歩きを楽しめました。 30時間の通行止め待機と岩場で渋滞を計りにかけたら微妙だけど・・・^^; バットレスはとても素敵なところでした。次回はぜひ違うルートで登ってみたいなあ。 |