池郷川 下流部〜中流部 2010年8月14日・15日

メンバー けも、にゅで、あう 

8/14 池原(6:30)---不動滝ゴルジュ入口(6:50)---砂防ダム上(9:40)---ネジレの滝(13:00)---冬小屋谷出合(13:50)---コンコン滝上吊橋(17:05)---林道(17:30)
8/15 林道(6:20)---吊橋(6:35)---ゴルジュ入口(7:10)---ネジ滝(11:10)---大又谷出合(13:10)---林道(14:05)

本文中の赤文字は写真あり 

この先で谷は左折しゴルジュがスタート 不動滝ゴルジュ入口の3m滝
7m滝で行き止まり 7m滝手前の左リッジを登る
不動滝15m 不動滝落ち口
砂防ダムは水が溢れて渡れず ダムの上は埋まっている
1m滝も越えれない 強水流でペースは上がらない
東京は神田のやっすい居酒屋でうだうだとやっすい話をしてるうちにけも氏の関西遠征プランが出来あがった。
それならばとにゅで氏が大峰の池郷川をリクエスト。あれよあれよと話は纏まったのでした。
池郷川と言えば関西でも難しい谷のひとつらしいが、平行して走ってる林道のせいでなんかゲレンデ化してるとのこと。
みな沢に対してストイックさなど持ち合わせてないのでブツ切り結構、ゲレンデ化大いに結構だ。

今年の夏は猛暑につぐ猛暑なので涼しい沢で極楽納涼タイムを満喫出来そうだあ♪
てなことを夢想してたのも束の間、お盆に合わせて台風発生。日本海を元気に通過して行かはりました。
マジですかあ〜と言うてる間に紀伊半島にもいっぱい雨が降ったのでした。 oh!なんてこった〜い。

水多いやろなあ〜行けるかなあ〜と少々不安になるがまあ、いってみないとわからんわ。
金曜日の仕事を終えて集合場所の下北山スポーツ公園に着いてみるとにゅでけも両氏はすでに就寝中。
時間は12時。あいさつもせず僕もすぐに仮眠に入る。

翌朝は4時に起床。だらだらと準備にかかる。にゅで氏は昨晩の酒で絶不調のようだ。ほんまに学習能力ない人ですな。
とにかく出発。池郷林道は落石があったり倒木が転がってたりで難儀しながらクルマを走らせる。
1日目終了予定地のモノレールのあるスペースに1台駐車。もう1台で池原まで戻る。
どん詰まりの墓地のところには駐車禁止と書いてあったので河原の駐車場まで戻りクルマを停めた。

さてさて、池郷川を覗いて見ると予想通り水多いし〜 このあたりはいつも申し訳ない程度しか流れてないのにねえ。
無理なら無理でしかたなしってことでスタート。国道425号の橋をくぐり小又谷出合を左に見ながら進んでいく。
水が多いので途中から右岸の山道に乗り上がって歩く。しばらく山道を歩くが川から離れていきそうなので再び河原をに降りる。
河原を進むと
正面が行き止まりっぽくなるが谷は左に90度折れていよいよ不動滝のゴルジュが始まった

今までの河原状が一変し大ゴルジュの渓相だ。
入口の3m滝から白泡が溢れだしている。
ここは釜を泳いで取り付き左壁を簡単に登る。お次は
7m滝が立ち塞がるが直登は無理だわ。
少し戻って
左壁のリッジを登る。けも氏がロープを引っ張って不動滝15mが見えるテラスへ。
見下ろすと不動滝から先ほどの7m滝まで細い水路になっていて水がドバドバ流れている。
登れる人は一度谷底に懸垂下降して対岸の壁を登り返すらしいが今日の水量では水路は跨げないわ。

で、登れない我々は当然このまま右岸高巻き。こちらもけも氏がロープをひっぱるがなかなか厳しい登りだった。
その後はトラバースして最後は懸垂下降で川床に戻る。先ほどの山道がトンネル通って出てくるあたりに降り立った。
振り返ると
不動滝の落ち口が不気味な口を開けている。(不動滝ゴルジュ越えに2時間)

行く手を見ればすぐ目の前に
砂防ダムがある。通常は左岸に渡って階段状を登って越えるらしいが・・・
水が溢れてるじゃん。 ダム下の流れも白泡まみれ。 まったく渡れる気がしねえ〜
そんなわけで、少し戻ったルンゼ状から右岸高巻きで砂防ダムの上に降り立つ。(高巻き10分)

ダムの上流は埋まっていて穏やかな流れ。しかし苔の生え方からすると平水よりも15〜20cmくらい水が多いか。
河原でこれだと、ゴルジュだと大変そうだ。7年前に池郷川を下降したにゅで氏曰くこのあたり当時よりだいぶ埋まってるとのこと。
以前は泳ぎ下ったところも今回は腰あたりで進んで行く。すると前方に右から枝谷が滝となって落ちているのが見えてくる。
その少し手前で
1m滝が出てくるが、水が多くこの程度の滝さえも越えられない。
しかたなく左壁を微妙なバランスでへつり越えた。
その後も前回の下西河内を彷彿とさせるよな
強水流をずりずり進んだりしてまったくペースが上がらんわ
下西河内の時と違って水が透明なのが救いですが。

 

2m滝は近づくことも出来なかった なので左壁から高巻く
エコ滝8mも取り付く島もなし ネジレ滝15mもごらんの通り
ネジレ滝上の渓相 取水堰堤も溢れていた
大岩を越える 5m滝は左から巻く
コンコン滝下の水路 吊橋で本日終了
それでもよれよれ進んでいくと釜を持った2m滝が登場。
ここは滝右の被り気味の壁を這い上がって越えるらしい。しかし釜は滝の水勢が強く白泡が広がっているし・・・
とりあえず、偵察がてら近づいてみることにする。こう言う場所は唯一ライフジャケット持参の僕の役目らしい。
二人の声援を受けて勇んで泳ぎ出すが荒波にもまれてあっけなく敗退。
何度かトライするも全て弾き返されたのでした。あう〜
両岸は壁に囲まれている。まさかここで断念か!? なんか方法はないかとしばらく周辺を偵察。
左に入る枝沢の上流から巻けそうな感じだが・・・ 相当な大巻きになりそう。

すると2m滝の左壁に登れそうなクラックが。偵察に空身で泳いで取りつくと労せずして登れた。
その上の左上する外傾バンドを覗くとなんとか行けそうな雰囲気。ならばと、一度戻り荷物を担ぎロープを引いて行く。
しかし、荷物背負ったら水から這い上がれませんでしたあ〜 何度かチャレンジして力尽きた。あう〜
けも氏タッチ〜ですわあ。 さすがけも氏は水から這い上がってロープを伸ばして行く。
僕はブルブル震えながら河原から高見の見物。けも氏は左上バンドもなんとか登り安全地帯でビレイ。
後続はラクチンだ。登りながら2m滝を振り返ると滝上は
S字状の真っ白な白泡水路となっていた
あれは2m滝が登れてもその後がどうにもならんかったやろなあと結論。
ビレイ点からは歩いて滝上へ抜けることができた。この2m滝を越えるのに1時間50分くらいかかる。だめだこりゃあ。
落ち口に立って下を見たら目と鼻の先なのにねえ〜

そこからすぐで
エコ滝8mが登場。これも豪快に落ちてますわあ。
滝身の右壁が登れるらしいが、白泡が広がりまったく近づける気がしねえ〜
ここは選択の余地もないので左から高巻く。(高巻き30分)

その後はまた水に浸かりながら進んでいく。時刻も13時になろうとしている。
まったくペースがあがらんの〜  すると目の前に釜をもった豪快な滝が。 
ネジレ滝15mのお出ましです。
水勢が強く釜は波立っている。 ここも滝身の左壁を登れるらしいのだが・・ 偵察する気もおこらん。
すこし戻って右から高巻く。簡単に滝上に出ることが出来た。(高巻き10分)

ネジレ滝上も少しゴルジュ状が続くがすぐにゴーロ帯に変わる。
しかし相変わらずの水勢なので小滝を越すのもひと苦労だ。吊橋跡を両岸に見ながら進むとすぐに
取水堰堤が現れた。
川幅いっぱいの水量を幅1mくらいの樋に圧縮して一気に吐き出している。樋に落ちたらエライことになりそうだ。
この取水堰堤はハシゴで簡単に越えることができる。

堰堤の上は穏やかな感じ。しばらくすると右から冬小屋谷が出合う。
冬小屋谷の奥には立派な25m滝が架かるのが見える。すぐに再び堰堤が登場。ここは左から巻き越えて行く。
堰堤上の河原でしばし休憩。時刻は14時過ぎ。ここまでぜんぜんペースが上がらんかったな。
行動食を食べて少しのんびり。するとけも氏の足にヒルが・・ いつも半ズボンなので格好の餌食になるのだ。
さっそく全員ヒルチェック。にゅで氏の足にもついている。っていうか首にも一匹。肩こり治るかも。東洋医学パワーだ。

さて、終盤戦開始。しばらく歩くと大岩の2条5m滝。ここは
左端の隙間から越えて行く
その後も大岩のゴーロをよれよれと進んでいく。そのうちゴルジュ状になるがややこしい場所はない。
ただ水勢が強いので何かと時間を食ってしまう。お次は
豪快な5m滝が登場。
にゅで氏曰く平水の時は滝身左壁を直登できたらしい。 ・・・が本日は不可能。左から巻き越える。

16時10分、右から皮張谷が滝で入る。その後もゴーロ帯を岩を越えたり水に浸かったりしながらよれよれと進む。
すると前方奥の方に吊橋が見えて来た。その手前は大岩が重なっている。
岩のトンネルを抜けると
細長い水路があった。その先に滝が落ちているのが見えている。これがコンコン滝のようだ。

コンコン滝上からはすぐ
吊橋に到着。時間は17時。本日はここで終了。ライフジャケットとウェットを脱ぐ。
左岸側から簡単に吊橋に上がれた。吊橋を右岸に渡ってあとは林道まで登るのみ。
モノレールの軌道を見ながら高度を上げて行く。相変わらず体力が戻らないのでけも氏とにゅで氏に置いていかれる。
17時半に林道に上がるとぴったりデポ車の駐車地だった。

本日は下北山スポーツ公園の温泉に浸かってのんびり過ごす予定。
こう言う沢行きもたまには良いですな。激混みの温泉に浸かってレストランで夕食。
その後はクルマにもどりささやかな二次会。さすがに今日はにゅで氏も酒が進まないようだ。
みな睡眠不足なのでさっさと就寝する。

 

石や塔が見えている ゴルジュの始まり
CSをくぐって取り付くはずが・・・ 強水流で進めず左壁から回り込む
5m滝が登場 5m滝をバックに記念撮影
5m滝左壁を登る 流れに逆らいながら40m泳ぐ
ネジ滝15mとわたし ネジ滝左壁をアブミ掛け替えるけも氏
登るわたし ネジ滝上の渓相
大又谷出合でお帰りの時間 大又谷F1で工作中のけも氏
さて2日目。昨夜はあまりの蒸し暑さで寝苦しく寝不足だ。池原は標高低いからなあ〜
今日は昨日の続きなので、まずは一台を終了予定地の林道ゲートに止めて再びモノレールの駐車地に戻る。
ここから昨日登ってきた仕事道を下って行く。最後は不明瞭になるが無事に吊橋に到着。
水が減ってるのを期待したが、昨日からほとんど減ってるようには見えない。がっかり。

けも氏とにゅで氏は東京に帰らないといけないので本日は昼過ぎにタイムリミットを設定。
いけるところまで行こうってことで時間短縮のため巨岩帯は左岸沿いの踏み跡を使ってラクさせてもらう。
谷中は巨岩が埋めているので川床通しだとえらい時間かかりそうだわ。おまけに水も多いし。
前方上方には
石や塔の奇景が見えている。ゴルジュ入口で川床に戻りしばし休憩。すでにお疲れモード。

ではでは、ライフジャケットを着込んで早速ゴルジュに入っていく。このあたり泳ぎと大岩の乗り越しが続く。
本日も泳ぎ区間は僕が先行してみなをロープで引っ張る役目を授かる。
しばらく進むと最初のポイントである
大チョックストーンを泳いでくぐる名物スポットに到着。
なるほどなるほど。こう言う感じなのね。 しかし、水勢が強くて波打ってますやん〜
とりあえず、ロープを引っ張って流れに逆らいながら進んでいく。 が、しかしどうしても弾き返されてしまう。
一度戻り作戦変更。カムをCSと左壁の間にセットして支点を作ることにする。
再び泳いでいき水中からジャンプしてなんとかカムをセット。それを支点にしてしばらく奮闘するがやはり敗退。
その後は投げ縄作戦などチャレンジするがうまくいかない。もう、寒すぎ。身体がブルブル震えてしかたがない。
元水泳部のにゅで氏にタッチ交代〜。パワフルな泳ぎを見せてくれるかと思いきや
左の岩棚に乗る作戦に変更。
アブミを使ってにゅで氏が無事に岩棚に乗り上がる。あとは上流からロープを流して道は出来た。
ロープを伝ってやっとのことで取り付きまでたどり着くことが出来た。(この作業で30分使った)

ここは人工で乗り上がる。残置ボルトは全部抜けていたのでカムとタロンでアブミをセットして乗りあがる。
そこから泳ぎで大岩を左から回りむとツルツルの
5m滝が登場。
滝の勢いがえげつないわあ〜 とりあえず
滝身をバックに記念撮影

さて、ここは
滝身左のクラックを人工で登るしかなさそう。 このルートは残置ハーケンが数枚残っている。
まずはけも氏がハーケンを打ちたしながらアブミの架け替えで滝上へ乗り上がった。
ロープが繋がれば後続はラクチン。にゅで氏は途中でハンマーを落としたらしいので2番手で上がる。
最後は僕がハーケンを回収しながら滝上へ。なかなか楽しい場所ですわあ。

滝上は淵になっていて少し泳いで3m滝。ここは最初右手の赤ゴケヌルヌル岩を登るが滑って落ちる。いたたた・・
じゃあってことでもうひとつ奥に回りこんでみるとガバがあって登れた。一段上がってから次の段差はショルダーで越える。
その上は一瞬穏やかなゴーロになったので一息入れた。太陽があたって気持ち良い。
パンを食べながら時計見るとすでに10時を回っている。これはゴルジュ抜けるのは無理かなあ。

ランチタイムのあと歩き出す。20mほどの淵が出てきたが右の岩棚から歩いて越えれた。
谷は右に折れてお次は
40mの淵。こちらは泳ぐしかない。
泳ぎ班の僕がロープを引っ張るが水流が強くなかなか厳しい区間だった。

谷は左に折れて3m滝がありその奥にネジ滝15mが見える。さすが池郷川を代表する滝だねえ。うっとり♪
しかし3m滝に取り付くには白泡まみれの激流を渡らないといけない。ここも君が行きたまえとの指示が出た。
ロープの確保を頼りに対岸に飛び付くが一度失敗して流されかける。こわっ。

なんとか対岸の3m滝にとりつき滝上に登ると
波打つ大釜の奥にネジ滝15mが豪快に落ちている。
引き続き大釜もロープを引っ張って泳いでいく。
ネジ滝の取り付きはクラックにカムをセットしてアブミで乗り上がった。そのままテラスまで登り後続を確保。
今日の水量ではテラスにもネジ滝の飛沫が飛んできて顔を叩く。
テラスからはけも氏がロープを引っ張る。最初は残置ハーケンを利用して
アブミの架け替えで一段上がる
その上はフリーで登っていける。(ネジ滝の処理で1時間30分くらいかかった)

ネジ滝上は太陽もあたり明るい雰囲気だ。しばらく行くと大又谷出合が見えてくる。
しかし水勢が強く手前の淵が越えられず右から高巻く。
ルンゼから川床に戻ると対岸が
大又谷出合だ。奥にCS5m滝が落ちている。
本流の方を眺めると淵が続いている。時刻は13時10分。
時刻もタイムリミットギリギリなので、今回はここまでとする。水が多いと全然ペースが上がらん。

大又谷のCS5m滝は
左のクラックを人工で登る。 ここから先は以前に来たことがある。
しばらくゴルジュ状が続くがややこしいところはない。堰堤を越えると河原状になり左に石垣が見える。
ここから斜面に取り付くが山道を発見できず適当に登っていくと林道に飛び出した。
そこから少し下っていくとクルマの置いてある林道ゲートに到着。ほんとにアプローチがラクチンだ。

少し宿題が残ってしまったがいたしかたなし。またそのうちに続きをやりたいところです。
噂通り池郷川は楽しいところでした。けも氏、にゅで氏楽しい2日間をありがとう。

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