舟ノ川 イブキ嵓谷 2008年8月10日~11日

メンバー けも氏、にゅで氏、あう 

8/10 林道七面谷横断点(6:00)---桶側ノ滝(6:40)---イブキ嵓谷出合(8:20)---稲妻状10m滝上(10:00)---トユ状30m滝(11:50)---枝谷7m滝(13:40)---黒滝80m(14:10)
8/11 黒滝(6:50)---20m滝(8:50)---奥駈道(10:10/10:25)---中尾分岐(10:40)---明星ヶ岳(10:45)---中尾分岐(11:00)---湯ノ又(13:20)---林道七面谷横断点(13:40)

本文中の赤文字は写真あり

入渓しばらくは穏やかな感じ なんか見えてきた
アメ止滝6m 桶側ノ滝2段25m
桶側ノ滝の廊下 4mナメ滝は難渋しながら越える
イブキ嵓谷出合手前 イブキ嵓谷出合
3m滝の奥になにやら見えている 稲妻状の10m滝
お盆休みで帰省してくるにゅで氏のクルマに便乗してけも氏も関西にやってくるという。さて、恒例のお盆沢はどこに行こう。
で、候補にあがったのが舟ノ川支流のイブキ嵓谷というところ。ここは二人とも関西在住時代に行ったことがなかったそうな。

それじゃあってことで関西にやってきた二人を拾って夕立がバシャバシャ降る中を大峰・舟ノ川を目指した。
途中で仮眠をとってから翌朝早朝に林道が七面谷(地獄谷)を渡る手前の駐車スペースに到着。
だらだらと準備をして林道の橋から入渓する。 天気はまずまずだ。
最初は単調な河原を歩いていく。すぐに右手に二木山谷が入る。左手に見えていた林道跡もいつのまにか途切れたようだ。
ナメ床を滑らないように慎重に歩いていくといよいよ両岸が狭まってきた。
さっそく
渕が出てきてその奥に滝が見えている。近づいてみるとなかなか見栄えの良い滝だった。アメ止滝6mとのこと。
右手から巻けそうかなあと考えてると、あっという間にけも氏が釜を越えて滝の左壁の溝から登ってしまった。
朝からけも氏は元気だわ。 しかたがないので僕とにゅで氏も左壁から登る(>◇<) 朝一は体が動かん。

滝上もしばらくゴルジュ状だったがそのうち河原に変わる。右手上方に「猪の鼻の岩壁」を見ながらてくてく歩いていく。
しばらくすると前方に変わった滝が見えてきた。右手に大きな洞窟状の穴をもった
桶側ノ滝2段25mとのこと。
滝の手前は岩壁になっていて釜が見えない。
水はどう流れてるのかなあと探してみると洞窟のところに
廊下状に繋がっていた。 面白い滝だ。
みなでおおっ~!!と喜びながら写真をバシバシ撮る。ひと通り感動したあとは先に進まなければならない。
あたりを観察すると滝手前の岩壁から左に続いてるフェースが登れそうだ。
すると、けも氏が「はいどーぞ♪」とロープの端っこを渡してくる。 わたしが、ですか??
けも氏とにゅで氏に見つめられてどうも断りにくい雰囲気になる。このメンバーでは立場の弱いわたし。
泣きながら登りだすが、ザックが重くて一度降りる。 すんません空身で登らせて~(;◇;)
細かいホールドを拾いながら樹林のあるところまで登ってほっと一息。
適当なところでFIXして後続に登ってもらう。で、自分のザックを荷上げするも途中でひっかかり懸垂でとりに戻る(>◇<)

桶側ノ滝上は釜のある
4mナメ滝。泳いで取り付くがつるつるで立ち込めない(;◇;)
アップアップ泳いでる後ろで二人は「ポ~ニョポ~ニョポニョさかなのこ~♪」と歌いながら声援を送ってくれている。
やはりひとりでは無理なので嫌がるけも氏を無理やり釜に引きずりこんでつるつる壁にへばりつかせた。
あとは自分でなんとか登ってちょうだい! さすがけも氏はヌルヌル岩に苦労しながらも滝上へ登りきる。
後続はお助け紐でラクラク越えることができた♪ まあ、ここは左から簡単に巻けるようなのだが・・

右手にトチノキ谷を見ると河原状に変わる。そのあとはとくに難儀することもなく
イブキ嵓谷の出合に到着。
一見すると本谷であるカラハッソウ谷の方がゴルジュ状で厳しそうだが我々は左俣のイブキ嵓谷に入る。
廊下状だが難しいこともなくどんどん進んでいくと、
渕で行き詰まりその奥に3m滝
またその奥にも立派な滝が見えている。泳いで見に行くと
稲妻状に壁を打ちながら落ちている10m滝だ。
この10m滝は越えれない。泳いで戻り渕の手前から右手のルンゼ状を登ることにする。
ここはけも氏がTOPで登っていく。ぐわんばれっ!! 30mロープぎりぎりいっぱいで小尾根に乗る。
今回は30mロープ2本では心もとなかったが、それしか持ってきてないものは仕方がない(;◇;)
フォローで登るもボロボロのやらしい登りだった。 反対側の壁沿いを懸垂で降りると稲妻10m滝の上の4m滝上に出れた。
高巻きに1時間20分。

 

5mナメ滝は泳いで取り付く 巨岩帯3m滝
15m滝 屈曲点のトユ状30m滝
30mナメ滝は左から巻く 黒滝80m
黒滝周囲はでかい嵓に囲まれている 黒滝の目の前をテンバにする
少し進むと釜を持った5mナメ滝。 泳いで取り付いて水流を慎重に登り滝上へ。
トユ状5m滝も水流を登るとゴーロ帯が続くようになる。
巨岩の3m滝を越えるとどんどん傾斜が強くなる。
行き詰まりの
15m滝は直登も可能そうだが右手の溝から巻き登る。一応ロープ出す。

しばらく難しいところもなくどんどん進んでいく。左手上方には立派な嵓が見えている。
あれが谷名由来のイブキ嵓らしい。 すると谷の真ん中に岩塔が立っている。 これがロウソク岩だろう。
すぐに右手から
トユ状の30m滝が落ちている。 これが本谷なのだが登れない。
直進する枝谷に入り途中から右手に入る急なルンゼを登る。念のためけも氏が1ピッチだけロープを引っ張った。
ルンゼの二俣が出たので右を鞍部目指して登る。結構急斜面でモンキークライムになる。
鞍部からは反対側のガレガレの斜面を降りて沢床に戻る。高巻き1時間 
せっかく沢床に戻ったが目の前に
30mナメ滝が立ち塞がっていた。 ここも登れないので左手斜面からまたまた高巻く。 
ここでも念のためロープを伸ばす。途中でけっこう強く雨が降ってきたが30分ほどで止んでくれた。
最後は懸垂で30mナメ滝上から続くナメ床に降り立った。 高巻き40分
その先はゴルジュ状だが簡単に通過できた。すぐに左から枝谷が7m滝で落ちている。
ここにテンバになりそうなスペースがあるのでザックを降ろした。

時刻はまだ13時半すぎ。 再び青空も見えてきたことだし観光がてら空身で黒滝を見に行くことにする。
すぐに水が伏流になり大岩が重なる急傾斜になる。ひーひー言いながら登っていくとだんだん滝の音が聞こえてきた。
再び水が流れ出したと思うと目の前に
黒滝80mが姿を見せた。おお!素晴らしい! 
高い嵓に囲まれた広々とした空間に落ちている大滝。 感動感動♪
あたりを見回すと滝の正面の大岩の前にテンバに出来そうなスペースがある。
せっかくやしここで泊まろうってことになり往復1時間かけて枝谷7m滝のところまでザックを取りに戻った。

ロケーションは最高のテンバだが常に滝の飛沫がかかるので雨具を着込む。
夕食の準備をしているとザーザーと夕立が降りだした。
30分ほどツエルトの下でじっとしていると雨もあがり黒滝の水量も増えて見栄えも良くなった。 
夕日に染まる黒滝を見ながらの晩御飯は格別だ。名残はつきないがゆうべはあまり寝れなかったので明るいうちに寝ることにする。
しかし常に飛沫が顔にかかり今日も熟睡できなかった(>◇<)

 

ルンゼを抜け出るところが立っている 20m滝は右の斜面から巻く
いよいよ源流の雰囲気 奥駈道目指して急斜面を登っていく
奥駈道 明星ヶ岳のてっぺん
翌朝も晴れている。黒滝を眺めながら朝飯を食べてだらだら出発準備。
黒滝は右壁沿いを少し樹林の中に進んだところにあるルンゼが登れるらしい。
僕達は3人なので落石のリスクを考えて、昨日偵察しておいたルンゼ右隣の小尾根から登ることにする。

最初から傾斜のきついモンキークライムになる。しばらく登っていくとリッジになったのでロープを出すことに。
すると「立ち位置から言うて登るのはあう氏だ!」と言うてけも氏にロープの端っこを渡された(;◇;) まじですかっ?
この尾根登りたい言うたのは他でもないけも氏なのに・・・ しどいっ!
「立ち位置から言えばにゅで氏でしょう!」と後ろのにゅで氏にふると「うっ、持病の胃痛が・・」と言ってお腹を押さえて顔をゆがめる。
しばらく3人でTOPのなすり付けあいをするがどうやら有無を言わしていただけないらしい。
不本意ながらロープを引っ張る。 リッジに沿ったバンドを木の根たよりに登っていく。
尾根がやや広がるところで乗りあがってピッチを切る。 前方には嵓が立っているのが見えるが越えれるのだろうか??
そのままつるべでけも氏が登って嵓の基部でピッチを切る。近づくと嵓は越えれないがそこから
簡単に左のルンゼに降りれるようだ。
ルンゼの中は急斜面の泥壁で落石をしないように登っていく。
ルンゼを抜け出るところが立っていて嫌らしそうだ
ここはけも氏が慎重に登ってロープを張る。これでようやく黒滝の上に出れた。
黒滝の上は穏やかな景色の中に
20m滝が見えている。高巻き1時間半

20m滝は右手の斜面を上がりルンゼ奥にある岩穴を抜けでて越える。そのまま尾根に上がると七面山方面の展望が広がる。
谷に戻ると源流の雰囲気になっていた。 しばらく沢沿いを進み右に涸枝谷が入った先から右手斜面に取り付く。
急な斜面をどんどん登っていく。 へろへろになって、もうあか~んって言うあたりでなんとか大峰主稜線に飛び出す。
尾根上には
奥駈道の立派な登山道がついていた。

展望を楽しみながらのんびり北に進んでいくと湯ノ又に下る中尾の分岐点があった。ここにザックを置いて明星ヶ岳を往復する。
すぐに
明星ヶ岳(1895m)のてっぺんに到着。頂上からは白川又川方面や八経ヶ岳が良く見える。しかし暑いのですぐに退散。
あとは中尾を湯ノ又まで下るだけだ。 複雑な地形の箇所があるがテープがきっちりついてるので迷うことはなかった。

今回も楽しい沢旅が出来ました。けも氏にゅで氏ありがとう~

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