穂高岳

　

穂高岳　その2

　


涸沢の朝	あずき沢（ザイテングラートの左側）を登る
翌朝5時半に出発。なんとか午前中はお天気もちそうな気配。まずは、ザイテングラートを目指して直登し始める。朝の1発目からの急斜面でワクワク。1歩1歩高度を稼いで行く。早朝で気温が低いので適度に雪が締っていてアイゼンが気持ち良く効いている。少し傾斜が緩くなり、ザイテングラートの末端にそって左側のあずき沢に入る。一段と急斜面になり快調なペースであがるも息もあがる。ここは、雪の状態によっては雪崩の危険が大きい場所なので慎重に進む。こてっちゃんはまだ足の状態が完全でないのかペースがふるわず、はるか下に点のように見えている。

　


奥穂高岳	山荘直下を登るこてっちゃん
最後の急斜面を越えると穂高岳山荘に飛び出した。こてっちゃんはまだ点なので到着するまでの間に涸沢岳に登って縦走路を偵察することにする。どうも今年はすでに稜線と西面は雪が融けていて夏道が見えている。北穂までの縦走路もこれなら行けそうだ。再び山荘までもどりしばらくしたらこてっちゃんが到着。こてっちゃんは今回はモチベーションが低いようで奥穂はパスして涸沢岳に登るということなので、奥穂はボク一人で向うことにした。

　


奥穂高から見た北穂高・槍ヶ岳方面	ジャンダルム
偵察した結果、アイゼンは必要無しと感じたのでノーマルの足で登ることにする。まずはくさり場とハシゴ場を通過。その上は残雪があるので夏道をはずれて落石に注意しながら残雪の上部に巻く。再び夏道と合流しあとは頂上までは難しい場所はない。奥穂高岳（3190ｍ）の頂上からは360°の大展望♪ こてっちゃんが涸沢岳のてっぺんに立ってるので手を振ってみる。気づいたかな？高曇りなので景色は北アルプス全体が見渡せる。しばし展望を満喫し同じ道を山荘まで下る。

　


奥穂頂上は雪がなかった	ライチョウは足にも毛が生えていた！
下る途中にライチョウの夫婦がいたので観察。冬毛の姿を見たかったのにすでに半分茶色かったのは残念。夏道を外れると浮石だらけでとても緊張する。落石だけは避けなければ。山荘までもどるとこてっちゃんも涸沢岳から戻っていて一緒に山荘でホットミルクを飲む。ボクは北穂まで縦走するので直接下るこてっちゃんとはここで分かれて涸沢で合流することにした。

　


縦走路もところどころに残雪がある	濡れた岩場はいやなかんじ
もう一度涸沢岳に登り返し、まずは頂上直下のクサリ場を下降。先ほどから雪が降り出して岩がどんどん濡れて行く。涸沢岳の下降はクサリ場とハシゴ場のがつづく。すぐに最初の残雪のトラバース。短い距離だがアイゼンをはずしてるのでとても緊張する。横殴りの雪とガスが捲く岩場で気分が萎えてくる。もっとメンタル面を強化しないと！と切実に感じる。涸沢槍の下降でも残雪をトラバース。最低コルから北穂に向けて登りが多くなる。途中雪壁で夏道が分断されている場所があり、涸沢側に切れ落ちてる箇所をハイマツさんごめんなさいと言いながらわしづかみにしてよじ登る。

　


縦走路を振り返る	なんとか越えた北穂高岳南峰
だいぶ高度も上げて、そろそろ北穂高岳に着くころやろとホッとしたのもつかの間。北穂高岳南峰から先が完全に雪の斜面になってるじゃあーりませんか！？　さてさて、南峰越しに見えている北穂の頂上にどうやって行こうか？？　まずはアイゼンとピッケルを装着。南峰の頂上からおそるおそる岩を下る。次ぎの雪に足場を置くとそのまま雪の固まりがグシャッ！と落ちたじゃあ～りませんか。。ひょえ～　辛うじて岩で確保してる足でセーフ。ちょっとビビる。なんとか雪の斜面まで降りてそのまま次ぎの岩場までトラバース。しかし次ぎの岩場はさすがにボクのレベルでは越えれない。そのまま岩に添うように雪の急斜面を後向きになって1歩1歩降りていく。そのまま雪の割れ目にビビリながらトラバースしやっとこさ北穂沢からのルートと合流。ほどなく北穂高岳にたどり着いた。横殴りの雪とガスで真っ白。キレット方向をのぞいてみたら吸いこまれそうな気分になったのであわてて戻る。頂上からは北穂沢をダッシュで下る。これでもか！って言うくらい走る走る。ときどき振りかえって落石チェックする以外は走る走る。涸沢のテン場まで25分くらいで到着。こてっちゃんもすでに降りていて無事合流。今日は涸沢ヒュッテのおでんとビールで乾杯♪

　


新雪の涸沢を下る	結局下まで降りたら晴れてるやん！？
昨日からの雪が一晩中やむこともなく今朝もしんしんと降りつづけている。雪の中、テント撤収をして下山開始。新雪の涸沢を駈け下る。すぐに雪から雨に変わり湿った重い雪に変わる。横尾まで下りたところで雨もあがり上高地に向けて歩いてるとだんだん晴れ間ものぞいてきた。結局上高地に着く頃はとても気持ちの良いお天気に変わってるやん。どないなってんの？？

　

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