早出川遡下降 2009年9月19日〜21日
メンバー けも、にゅで、あう
9/19 一ノ俣沢橋(8:50)〜一ノ俣越(11:00)〜今早出沢(11:35/11:55)〜今出(12:50) |
9/20 今出(4:35)〜二股(7:15/7:40)〜ガンガラシバナ取付(7:50)〜ガンガラシバナ上(10:20)〜下矢筈岳(12:00)〜矢筈岳(13:05)〜西俣沢出合(16:30)〜ジッピ下(17:45)〜今出(20:45) |
9/21 今出(7:10)〜広倉沢出合(7:50)〜コモリ淵上(8:55)〜シゴヤ上(10:55)〜ハヨ止まり上(13:55)〜中杉川出合(14:40)〜駒ノ神(16:40)〜早出川ダム(18:00) |
本文中の赤文字は写真あり
一ノ俣沢橋 | 一ノ俣沢は穏やかたおやか |
10m滝 左壁を登る | 一ノ俣越 |
今早出沢に降り立つ | 二重滝3条3m |
坊主ベツリ | 今出のテン場 |
今年は秋に大型連休があるのでどこに行こうか考えていると、けも氏から早出川に行くのだ!とメールが届いた。 大阪から移動と予備日を含めても問題はなさそうなのでお気楽に参加表明。 しかしけも氏の計画はド変態プランだった・・・ 早出川。 はいでがわ・・ 関西在住の私には名には聞くが中身がさっぱりわからん沢だ。 よくよく調べると、ガンガラシバナの大スラブ壁、ジッピの奇景、稜線のやぶ、中流部の水泳大会。 なんや、もりだくさんな沢やし。おまけに夏は吸血系の虫の宝庫とのこと。 まあ、今の時期なら大丈夫か・・・ 計画では今出ってところにベースを置くので快適装備も持っていこう〜♪ ってな感じの情報量で現地に向かう。 で、当日。大阪から8時間かけて北陸道の栄パーキングエリアってとこで関東ど変態チームと合流。 やっぱり一睡もできてませんわってことで、とりあえずけも氏に運転を代わってもらい早出川ダムを目指す。 下山予定地の早出川ダムの駐車場にクルマをデポし、もう一台のクルマで入山地の室谷川に移動。 かの山深いことで有名な川内山塊の奥の奥にある早出川源流も一ノ俣越と言う裏技でささっと入れてしまうらしい。 室谷川沿いの林道を走っていき一ノ俣沢橋付近のスペースに駐車。 すでに何台ものクルマが駐車されていて出発準備をしているパーティもいてはる。 われわれも早速準備をして出発だ。一ノ俣沢橋の右岸側に続く踏み跡に入り登って行く。 今回はシュラフやエアマットやライフジャケットやネオプレーンのベストやらを持っているので重い〜 すぐに汗だくになりながら踏み跡を登って行く。 踏み跡は一ノ俣沢を右に左に移動しながら続いていくがときどき不明瞭になる。そのうち面倒になったので川床を登る。 途中で小滝やナメ床などが出てきて基本的に穏やかな渓相の中をぐりぐり登っていく。 これはこれで癒しな沢で良い感じだが、この山の向こうがわにはあの早出川があるとは思えない。 標高500mくらいで二股を右にとるとちょっとした滝場になり10m滝は左の樹林際を登り続く10m滝は左から巻き越えた。 すると完全に穏やかな源流の感じになった。一ノ俣越に続くルンゼを探しながら歩くとそれらしいのがあり入る。 途中の枝で間違ったのか踏み跡を見失い最後は藪こぎで稜線に到着。 ここから眺める今早出沢はなんの変哲もない感じだ。あの奥にガンガラシバナがあるのだろうか。 鞍部に移動すると踏み跡があったのでそれをたどって下って行く。 フェルト靴ではとても滑りやすい道でみなでヒーヒー言いながら降りて行く。 途中で沢床に降り立ってそこを下降し一ノ俣越から30分もかからずに今早出沢に降り立った。 ここはどこ?? 今の沢は赤っぱ沢?? もひとつ上流の枝谷?? よくわからんがとにかく無事に到着。 先行パーティの二人組が河原で休憩してはる。すぐ上の台地ではテントサイトを作ってるパーティも。 秘境のはずがなかなか人くさいのだった。ここに明日必要なクライミング道具はデポをしておくことにする。 さて、われわれはベース地の今出を目指して下降にかかる。 まだ濡れたくないので淵は巻いたりへつりながら下る。二重滝3条3mは右岸からクライムダウン。 穏やかな河原をどんどん下ると廊下状になり坊主ベツリ。ここは胸まで浸かって越えた。 水は冷たくないのでまあいいか。 デポ地から小一時間も下ると割岩沢との二股である今出に到着。 本日の行程は終了。少し割岩沢に入ったところに砂地があったのでそこをテン場にする。 ツエルトを張って流木を拾い焚き火をしながらのんびり過ごす。明日と明後日は長い一日になりそうなので今日は休養。 この時期はメジロアブは見なくなっているが藪蚊はまだまだ元気だ。 夕暮れ時は結構たかられた。ツエルトの中も藪蚊だらけでかゆいかゆい〜 それでも明日は早いので早々に寝るべし。 |
今早出沢は基本穏やかだがたまに廊下 | 横滝2段10m |
ガンガラシバナが近づいてくる | 二股より右方ルンゼを眺める |
先行パーティが取りついていた | 4P目のビレイ点にて |
6P目を登る私 | 6P目のビレイ点より見下ろす |
8P目トラバース | 大滝落ち口(終了点)は混雑 |
さて、2日目。今日はメインの1日だ。早出川源流部ぐるっと一周ど変態ツアーの始まり。 3時に起床して真っ暗な中、準備にかかる。 4時半にヘッドライトの明かりを頼りに歩きだす。 谷中と言えども昨日歩いた場所なのでだいたい地形がわかるので安心だ。 坊主ベツリは泳いで通過。どんどん進むうちにだんだん薄明るくなってきた。 二重滝を左から越えて少しで昨日の下降地点に到着。ここでデポしていたクライミング道具を回収。 どんどん明るくなっていく中、どこまでも穏やかな今早出沢を進んでいく。 砂地には昨日のものであろうたくさんの足跡が残っていた。 戻ってきてる足跡がないのでもしかしたらガンガラシバナに向かっているのか?? もしかして混雑してるの? そうなの?? 今早出沢は単調な河原の中にちょっとした廊下やナメ床をはさみながら続いてく。 左から魚止め沢がV字の谷から滝を落としている。すぐに釜を持った横滝2段10mが登場。 釜の前には土砂の堆積が盛り上がっていて出水したときの激しさを物語っている。 けも氏は直登したそうだったが時間節約のために高巻くことに。左に踏み跡があり簡単に滝上に出ることができた。 次の釜を持った2m滝をへつり越えるといよいよガンガラシバナの大スラブ壁が近づいてくる! と、思ったらスケールがでかすぎて一向に近づかない。 それでも進むごとに景色が広がって行き3人とも感動する。これが日本の秘境のひとつなのだなあ。 二股まで進むと目指す右方ルンゼ大滝の全貌が確認できた。 するとなんと取り付きに順番待ちしている10人以上の人かげがあああああああああああ。あう〜 日本の秘境がゲレンデの様相になっている。私たちもその中の一部なのだが・・・ まあ、僕みたいに大阪からわざわざやって来るくらいなので関東からもそりゃきてるのだろう。 まだまだ時間がかかりそうなので二股でしばし休憩することに。 ここまでは予定よりも早く到着しているのでなんとかなるかあ・・・ まあどっちにしろ最後は日没するんやろけど。 てなわけでガンガラシバナの全貌を楽しみながらパンを食べる。 ゴージャスなランチタイムだ。 この大岩壁は当然1枚や2枚のの写真に納めることが出来ずあたり一面のスラブ壁に囲まれた絶景地だ。 このスケール感は百聞は一見にしかずですわあ。 さてさて、我々はここで持ってきていたクライミングシューズに履き替える。 とにかく今日はスピードが大切なのだ。二股を右股に入り登っていく。 テラスになってる取り付きまで上がると「越後沢出合でお会いしましたねえ」と声がかかった。 沢の世界は狭いもので僕とにゅで氏がおととし利根川本谷に行ったときに焚き火を囲んだ某山岳会の方でした。 お久しぶりでございます。 けも氏ともほんの少し面識がある方でした。 その方は先行してるもうひとパーティも知り合いの山岳会らしい。 ほんまに一部愛好家の世界なのだなあ。 こちらもゆっくりはしてられないし、ルートはいろいろ取れそうなので別ルートから登ることにする。 1P目 けも テラスから正面スラブ 45m 人が多すぎて誰が誰のコールかわからん。あちらこちらから「あと○メートル!」とか聞こえてくるなりよ。 2P目 あう 正面スラブを継続 20m すぐ上の下段滝の落ち口テラスで渋滞のため行き詰るなりよ。 3P目 けも 落ち口テラスで水流をまたいで大滝左岸側へ 45m 後発組は裏街道しか残されてないので楽しいそうなスラブは外して草付きを登るなりよ。 4P目 あう 草付とスラブのミックスを直上。 45m すぐ左の快適そうなスラブを登る某山岳会がうらやましいなりよ〜 5P目 けも そのままほぼ直上 45m 某山岳会が登るルートとやや被るなりよ。 6P目 あう まだまだ直上 45m やっと快適なスラブ壁を登れた。簡単な岩場だが高度感があるなりよ。 7P目 けも ブッシュに沿って左上していく 45m 真下に某山岳会パーティがいてはるので落石に細心の注意なりよ。 8P目 あう 大滝落ち口に向けてトラバース 30m 落ち口からガンガラシバナの絶景。いやあ〜来て良かったなり♪ おまけ けも 落ち口すぐ上の3m滝 滝左のスラブを登る ここでロープを仕舞ってランチタイム。他のパーティも続々と登ってきて人口密度が増える。 我々がなぜ早かったかは日帰り装備だからなのだ。みなさん荷物重たそうだあ。 なんかすんません。 |
源流より返り見る大スラブ壁 | 正面のルンゼを登り下矢筈岳へ |
矢筈岳まではやぶやぶ | 矢筈岳のド変態けも氏 |
CS7m滝は左岸の隙間から降りる | 25m滝は懸垂 |
8m滝も懸垂 | 10m滝も懸垂 |
ジッピの中へ滑り込むにゅで氏 | 割れ目から泳ぎ出てきたにゅで氏 |
大滝上からはプチゴルジュが続くのでしばらくクライミングシューズで登ることに。 沢靴と違って快適に登っていける。ぬるぬる岩は怖いけど。 すぐにプチゴルジュを抜けると源流の雰囲気に変わる。振り返ると絶景。対岸の山々もみんなガンガラシバナの一部なんだな 途中で沢靴に履き替える。まず目指すは下矢筈岳のピーク。より頂上に近そうなルンゼに入って詰めていく。 なかなか傾斜の強いルンゼなのでもうヘロヘロ。稜線に出て10分ほどの藪こぎで下矢筈岳(1241m)に到着。 いよいよここから矢筈岳まで藪こぎゾーン。目指す頂上はそこに見えてるのになかなか進まない。 かすかな踏み跡を外さないようにすればややマシになるがそれでもお疲れモード。 日帰り荷物が幸いしてなんとか1時間ほどで矢筈岳(1257.5m)のてっぺんに到着。 いやあ〜 やっとここまでこれました。川内山塊の盟主の矢筈岳。幾重にも続く山々に囲まれた素晴らしい場所だ。 さて、時間は13時をまわっている。今早出沢で短縮できた時間をガンガラシバナで費やしてしまった。 いよいよ下降開始。頂上の三角点から北に下って行く。 藪をかきわけながら尾根状を選んでどんどん下る。傾斜も強く枝をつかむ手も疲れてくる。 さらにどんどん下って行くとルンゼに降り立った。 このまま沢床に降りれるかなと淡い期待を抱いてルンゼを下るがやはり涸滝にぶちあたった。 40mの懸垂下降でやっと沢床に到着。てっぺんから1時間強ってところでやっと水が流れてる場所に降り立った。 さてここからは日没との競争だ。なんとか陽のあるうちにジッピは越えたいのだ。 沢をくだり始めるとすぐに10mほどの滝。懸垂下降で降りる。 ロープを回収してる間にもう一本のロープを持った人が先行して下降点をセットするシステム。 CS7m滝は左岸の溝からクライムダウン出来た。すぐに割岩沢最大の25m滝。 ここも懸垂下降で降りる。その後も8m滝やら10m滝やら出てくるが懸垂下降。何回懸垂下降したことやら。 16時半くらいにやっと西俣沢出合に到着。予想以上に時間がかかってしまった。 プチ廊下を越えてどんどん下ると右から曲り沢が出合う。ここで17時すぎ。う〜ん、まだまだ遠いぞ。 17時半ころに西俣沢と出合。まもなくジッピが出てくるはず。なんとか日没には間に合ったよ〜 そこから10分も歩かないうちに両岸立ってきて急激に狭まり細長い隙間に水流が吸い込まれていってる。 これやん!これがジッピやわあ〜 思わず叫ぶ。 ジッピーーーーっ!と叫びながら暗闇に走りこんでいく。 泳いで泳いで泳ぎまくって暗闇から抜け出した。そして振り返るとよく見る写真のあの景色だ。 泳ぎの苦手なけも氏は「もうあかんたすけてくれ〜」とあっぷあっぷしながら暗闇の隙間から出てきた。 さてさて、もう18時前だがこれでもう今出までの道は開けた気分になった。途中で薄暗くなりヘッドランプを取りだす。 単調な河原を下って行くとどこから何やら焚き火の匂いが・・・ すると河原でビバークされているパーティがいてはった。すこしお話をし時間がないのですぐに歩きだす。 聞くところによるとこの先はヒョウタン淵くらいしか悪場はないとのこと。もう暗闇なのでこれ以後の写真はないのだ。 そのヒョウタン淵らしきものはヘッドライトで泳いで越える。 とにかく光の届く景色を頼りにどんどん下って行く。滝も出てくるがなんとなく通過。 夕沢?小割岩沢?? そんなものはどこで出合ったかわからない。 時刻は午後9時に迫ろうとしてるころ河原に焚き火あとを発見。 誰かのビバーク地かなとあたりを見ると我々のツエルトが張っていた。最後はあけっなく到着。16時間の行動だった。 もうヘロヘロだが寒いのでさっさと着替えて焚き火にあたりひと心地つく。ほんまに周回ド変態ツアーやったわ。 明日も長い一日なりそうだ。満天のスター軍団を見ながらあと1日晴れますようにと願う。 |
泳ぎ体制万全のわたし | コスゲ淵のラッコ2匹 |
大釜淵に入っていくわたし | 大釜淵を泳ぐラッコ |
コモリ淵に入って行く | コモリ淵から泳ぎ出てくる |
白い岩肌がまぶしい | シゴヤで泳ぎ疲れるにゅで氏 |
ゼンマイ沢出合付近は明るい渓相 | ハヨ止まり |
早出川ダム湖 | 湖岸道を歩くにゅで氏 |
翌朝は5時に起床。ゆうべは疲労と食ってすぐに寝たからか朝から胃の具合が絶不調。 ミルクティーだけの朝食にしておく。ド変態けもにゅで各氏は朝から獰猛な食欲で3人前を一瞬で平らげていた。 ああ、わたしはあなた達のようになりたい。 今日は登れば難関、雨降れば地獄の早出川中流部を下降するので完全水泳スタイルに身を固める。 7時過ぎに体調不良の中を歩きだす。今出を出るとすぐに最初のアトラクションのコスゲ淵に到着。 今早出沢と割岩沢が合わさってるのでやはり昨日までに比べて水量は断然多い。 わたしは水泳スタイルなのでそのまま淵に滑り込んでプカプカと進んでいく。ライフジャケットしあわせ。 もと水泳部のにゅで氏も得意のラッコ泳ぎでなんなくクリア。あとはかなづちのけも氏のうめき声だけが聞こえてくる。 いつまでたってもこないのでにゅで氏が泳ぎもどってけも氏を引っ張って来る。これでにゅで氏の体力は尽きたようだ。 泳げないのにようこんなん計画しますなあ〜 まあド変態やから仕方なし。 その後、河原を歩いていると下流から釣りながら遡行してくるパーティとすれ違う。 対岸だったのでお話はできなかったがダムから来られたならば敬意を表しまする。 すぐに左から広倉沢が出合う。てことはこの次に出てくるのが大釜淵かあ。 どんなところだろ♪ 水泳スタイルのわたしは楽しみだがあとの二人はすでにぐったり。 言うてる間に両岸が狭まり水路が奥に続いていく。 これが大釜淵なりか! 中に滝が無いことは情報として分かってるので何を躊躇することもなく流される。 ライフジャケットさまさまで流されていく。 細い通路から流れ出ると大釜。ゆったりと流れる。 そのまま再び淵に続きゆうゆうと泳ぎ下る。で、またまた釜? なるほどこれは登るのは大変だわ。 泳ぎ疲れたあとにあの水路が待ってるねんもんねえ〜 下降はらくちんなりよ。 で、あとのラッコ2匹もヒーヒー言いながら抜けて出てきた。 にゅで氏は寒い寒いと言うてはる。そりゃカッパの上だけじゃ寒いでしょう〜 で、へつりや河原歩きと少しの泳ぎをまじえながら下って行くと20分ほどで左から清水沢が入る。 まだまだ先は長い、どんどん進もう。 すぐに右から容ヶ谷。 沢と谷の使い分けは何なんだろう?? しばらくで左からヨシノ沢が入るといよいよ次のアトラクションであるコモリ淵の領域に近づく。 言うてる間に両岸が立って淵が続くようになる。一直線に続く淵を泳ぐ。 いやあ泳いだ泳いだ。にゅでけも両氏は勘弁してくれってな感じで抜けてきた。左からコモリ沢が入るのを確認。 支流がいっぱい入るので増水も早いのね。おまけに源流は保水しない大スラブ壁やし。 右からヤハズ沢がトユ状の滝で入って来ると本流は再び両岸3mほどに狭まり水路状になる。 すぐに抜け出て明るいゴルジュに変わる。白い岩肌がまぶしい。 なかなか気持のよい場所だ。 太陽の光を浴びてランチタイム。寒いにゅで氏はやっとカッパの下も履いたのでやや復活か。 右からトウガン沢がナメ滝で入る。このあたりは明るい渓相が続いていく。 30分ほどで強清水沢が入るといよいよお次のアトラクションであるシゴヤが始まる。 まだ11時前なのに泳ぐのもだいぶお腹いっぱいになってきた。。 両岸が狭まり長い淵が続く。ヒーヒー言いながら泳いで抜け出る。 20分ほど進み右からゼンマイ沢が入るあたりは白い岩の広々としたゴルジュだ。 しかし荷物も水を吸いまくって重い〜 だんだん疲れてきた。 左から上マサワリ沢が滝で入る。しばらく進み右からミン沢も滝で入る。ここで12時10分 本流は屈曲しながら流れて行く。丸山沢?地形図上はワリ沢?が右から入る。 40分ほどで左から下マサワリ沢が滝で入るが、もう疲れてきてどうでも良くなる。 似たような景色が続くので現在地は地形図とコンパスで谷の向いてる方角で適当に同定する。 13時半くらいに右からボフ沢(地形図上水線のある沢)が滝で入る。いよいよ最終段階に突入か。 両岸が立ってきて淵が続くようになる。頑張って泳ぐのだ自分。 右からガレのような六三郎沢が入るといよいよハヨ止まりに突入。泳ぎ出る頃には14時を回っていた。 谷が屈曲するあたりでカクマ沢と丸子沢が入り、本来なら次のドウゾ淵の手前で踏み跡で谷から抜け出るはずだった。 しかし勢いでドウゾ淵も泳ぎ越えてしまった。左から中杉川が出合ところで我に返る。 「行き過ぎたようね」「そのようね・・」 時刻は14時40分。もうドウゾ淵を泳ぎ戻る気もない。 右岸を適当に登れば湖岸道に戻るゼンマイ道が横切るはずやろうってことで適当に斜面を登り始める。 ここで今までの快適水泳グッズが単なると重しとなり他の2名と形勢逆転。もうへろへろ。勘弁してくれ〜 急斜面をモンキークライムで登って行く。薄い踏み跡に出るがけもけも道かどうか判別つかん。 どんどん登って行くとやっと本来の踏み跡が横切った。これがまた藪が被った道で路肩を踏み外さんように気を使う。 元気な二人はどんどん先に行ってしまう。もうわたしはダメです。 半分意識が飛びながらも駒ノ神にたどりついて日本平山からの登山道と合流。川床から1時間半くらいかかった。 ここからは道も良くなりやや復活。いったん金ヶ谷まで下ってから対岸を登り返す。 このあたりは山ヒルに注意しないといけないらしい。さっそく靴に一匹ついている。 湖岸道に入ると早出川ダム湖の景色が見下ろせた。スラブに囲まれてなかなかの景観だ。 谷が入るたびに迂回するのでなかなか進まないが歩かないと着かないので頑張るのだ自分。 湖岸道はしっかりした道だが落ちたら終わりなので慎重に歩く。 荷物が肩に食いこむは足が痛いわでボロボロ。にゅで氏もだいぶくたびれてるようで一緒にとぼとぼ歩いて行く。 どんどん陽が落ちてきて山ノ神を過ぎるころにはすでに薄暗い。 しかし道はどんどん良くなってきてダム管理事務所の明かりも近づいてくる。 最後の踏ん張りでやっとのことで早出川ダム駐車場に到着。時間は18時。今日は11時間くらいの行動で済んだ。 先着したど変態けも氏もだいぶ疲れてるようだ。もうあたりは暗いのでクルマのヘッドライトで着替える。 にゅで氏も山ヒルが付いていたようでキャーと悲鳴をあげる。わたしは家まで一匹お持ち帰りした。 最後の仕事は室谷までクルマを回収をしに行かないといけない。 とりあえずやり遂げた満足感と疲労感にひたりながらダムをあとにした。 早出川本流のほぼ全貌が見れたのでとても満足な3日間でした。 気温もそこそこで水温も高く何より雨が降らなかったことが幸いしたのでしょう。 と変態の両氏、辛くも楽しかった素晴らしい3日間をありがとうございました。あんたらやっぱり異常ですわ。 |