雨畑川 ギョウザ 2010年8月28日~29日
メンバー けも、どうちゃん、はっしー、あう
林道(7:25)---ギョウザ出合(7:35)---作業小屋跡(8:25)---二俣(10:15)---行田山登山道(11:55)---行田山(12:35)---行田山登山口(13:20) |
本文中の赤文字は写真あり
行田橋から入渓 | ギョウザ出合 |
1m滝は左から | 瞬間ゴルジュ状になる |
5mナメ滝は左壁から | この5m滝は左巻き |
ゴルジュもどき | 2段5m |
3m滝は右壁から | 谷は左に90度まがる |
私がこの沢に興味をもったのは名前に魅せられたからであった。 登山大系のページをめくって行くといきなりその文字が目に飛びん込んできたのだ。 そこに書いてあったのはこの芳醇でいて香ばしいその名とは裏腹に「この流域最悪のゴルジュ」を有する沢であるとのこと。 「ギョウザ」 これは行かなければなるまい。 しかし、この沢の情報調べていくうちにそれほどの難度でもないことがわかってきた。 実際に遡行した方の話を聞くとわざわざ関西から遠征するまでもないとのことだった。 ならば、他の何かと抱き合わせで行ってみようではないか。内容はともかくその名前はネタ的に面白い。 東京は神田のやっすい居酒屋でうだうだとやっすい話をしているうちに、その計画が8月最終週に絞られたのである。 いっこうに終わらない夏。終わる気配すらない夏。納涼を兼ねた水遊び大会に出発した。 はっしー、どうちゃんとともに林道井川雨畑線を走り、山梨県側に少し下った行田山登山口に到着する。 すでに先着していたけも氏と合流。少し仮眠をしてから、クルマを1台にまとめてスタート地を目指す。 地形図で長畑集落から林道を少し南に登ったところから点線の道が伸びている場所だ。 カーナビゲーションで適当にあたりをつけてそれらしき道を発見。道路わきにクルマをとめて出発。 杣道を歩るいていくとほどなく雨畑川本流に架かる行田橋に到着した。 その吊橋を渡ってから踏み跡をたどり川床に降り立った。釣り師がひとり竿を出してはる。 釣り師にぺこりと頭を下げてから本流を下っていきすぐにギョウザ出合に到着した。出合いは平凡な感じだ。 まずは単調なゴーロを行く。すぐに四角い釜を持った1m滝。ここは左から釜を越えて滝上へ。 谷は右へ曲りプチゴルジュ状になるが簡単に通過する。 再びゴーロを少し進むときれいな5mナメ滝。ここは左壁を登って滝上へ。 またまた単調な渓相。杣道の木橋が架かっている。まだ新しめの木橋だ。現役の杣道かな? すぐに登れなさそうな5m滝。ここは左から簡単に巻き上がった。 またまた単調な歩き。両岸薙いでる箇所がたくさん見られる。川床は結構土砂で埋まってる感じ。 右岸高台に作業小屋跡が見れる場所で小休止。パンをかじる。のんびりとした沢歩きだ。 その後も出てくる滝をこなしながら淡々と進んでいく。30分も歩くと箱状のゴルジュもどきになるが簡単に通過。 2段5m滝はシャワークライム。水量が多いとちょっと大変そうな場所だ。 しばらくゴルジュが続くが難しくはない。釜のある3m滝は右壁から登る。 倒木の詰まった滝を越えて少しいくと前方が行き止まりのように見える場所が到着。 谷は左へ90度折れている。いよいよ出てきそうな予感。 |
登山大系いわく強烈なゴルジュ | 水線を楽しく通過 |
一見の価値はある眺めだ | だんだん開けてきた |
5m滝を登るどうちゃん | ゴルジュ出口の10m滝 |
二俣 | 右俣唯一の滝場か? |
大谷崩の一部 | 行田山あるいは大谷嶺あるいわ大谷崩の頭 |
行き止まりのような場所に立ち谷が左に90度折れまがった先を見ると。登山大系が言う強烈なゴルジュの登場だ。 側壁は立っていて、両壁の幅は1mくらいでその水路の奥が見えない。たしかにこれは一見の価値はあるゴルジュだねえ。 水路は深いのか浅いのかわからんが両岸狭まってるのでつっぱりでなんとでもなりそうだ。 とにかく中に入ってみるとサクサクと進んでいける。難度は低いがゴルジュ好きにはたまらん景色だろう。 50mも進むと谷幅は徐々に広がってくる。水路状を抜け出してもしばらくゴルジュは続いて行く。 釜を持った3m滝を越えてお次の5m滝はどうちゃんは右壁を登り、残りの3人は左から越える。 続く10m滝は僕は左から登り始めるがボロボロの泥壁で、右からロープ出して越えてきた3人にお助けを出してもらう。 ゴルジュ出口の10m滝を越えるとゴルジュは終了。少しで二俣に到着した。ここで小休止。 我々は右俣を登ることにする。単調な渓相をどんどん登って行く。唯一の滝場も簡単に登れる。 倒木が谷を塞ぎ藪沢状になってきたので右の斜面に逃げる。そのまま尾根までヒーヒー言いながら登りきる。 尾根を登っていくと台地状の広々とした景色に変わる。 なおもヨロヨロと登っていくとロープが張っていてミレニアム登山道に飛び出した。 これは西暦2000年を記念して作られた標高約2000mの行田山に続く登山道らしい。 道標が立っていて「行田山へ2km」となっている。 我々はまたここまで戻ってくるので荷物はデポして空身で行田山を目指すことにした。 よく整備された登山道を登って行くと主稜線に合流。日本三大崩れでもある大谷崩の一部が見えている。 主稜線の登山道を登りきると行田山(1999.7m)のてっぺんに到着。 この山は山梨県では行田山と言い、静岡県では大谷嶺または大谷崩の頭と呼ぶらしい。 このレポートでは今回、山梨県側から登ったので行田山を使っているが関西人の私には別にどっちでも良い。 しかし両県民にとってはどっちでも良いと言うことはないらしく、頂上の標識の山名が無残に削り取られている。 誰もいないと思っていたてっぺんには登山者が数名休憩されていた。メジャーな山なのだろうか? 下山は2km走り降りてあっというまにデポ地に戻る。そのままクルマをデポしている行田山登山口まで降りて終了。 もう1台のクルマを回収し、ヴィラ雨畑で温泉に浸かり明日の目的地である笛吹川方面に向かった。 ギョウザ・・ アプローチが便利ならもう少しメジャーな沢になりそうだが、やはり関西からわざわざ出向くにはちょっと不便。 しかし、あのゴルジュは楽しいひと時を過ごせます。 ギョウザのみなさま、ご同行ありがとうございました。 |