【よろパラ 〜文学歴史の10〜 年表】
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【天平5(733)年】
月日  天皇 政体 事項
正月11日 第45代
聖武天皇
知太政官事
舎人親王
県犬養橘三千代、死去

 光明皇后の生母。
 時に正三位。

 葬儀の責任者として高安王が派遣される。
 ≫『県犬養橘三千代』
 ≫『光明皇后』


正月27日 飢饉対策を実施

 讃岐国・淡路国・芳野監など全国各地で、
 昨年の旱魃の影響により飢饉が発生。
 大税(稲)を無利息で貸し出す。

 以後この飢饉対策は頻繁に行われる。


3月14日 叙位

 塩焼王、従四位下。
 中臣東人、従四位下。
 小野老、正五位下。


4月3日 遣唐使、出発

 遣唐大使は多治比広成。
 任命は天平4(732)年。
 副使は中臣名代。

 遣唐使一行は四隻の船団で出発した。


4月5日 国司交代に関して制定される

 国司の交代時期になると、
 新任者への引継ぎをすることなく
 京へ戻る国司が多くなったために、
 新任者への引継ぎ事務として、
 解由状を必ず渡すように決める。


5月26日 大赦、実施

 光明皇后の病気平癒を祈願して、
 大赦が実施され死刑囚らが釈放された。

 ただし反逆罪については減刑のみで釈放はなく、
 強盗犯・窃盗犯については今回の
 大赦の対象外とされた。


6月2日 氏姓を下賜

 種子島熊毛郡大領の
 安志計らに「多ネ後国造」が、
 同益救郡大領の加理伽らに「多ネ直」が、
 武蔵国埼玉郡の新羅人徳師らに「金」が
 それぞれ下賜される。

 ※ネ・・・ころもへんに「執」


9月23日 三つ子出産の母に褒賞

 遠江国蓁原郡の君子部真塩女が、
 三つ子の男児を出産したことに対して、
 大税(稲)二百束と乳母一人が、
 下賜される。


12月26日 出羽柵を移動

 秋田村の高清水に移動させる。

12月28日 県犬養橘三千代に追贈

 県犬養橘三千代に従一位を追贈。
 勅使として舎人親王・藤原武智麻呂・
 藤原宇合・鈴鹿王・大伴道足らが派遣される。
 ≫『舎人親王』
 ≫『鈴鹿王』
 ≫『大伴道足』


 

 《天平5(733)年のポイント》

 養老4(720)年に藤原不比等が死去し、
 この年に県犬養橘三千代が亡くなったことで、
 奈良時代を牽引して来た一種の後宮政治が一旦終焉を迎えることとなる。

 天平4(732)年の旱魃の影響を受け、
 地方のみならず平城京内でも飢饉が発生するなど、
 民生が極度に不安定な状態に陥ったことで、
 政府は対策に追われる。

 その反面で地方の国司が職務怠慢な姿勢を取るなど、
 国家としての統制に揺らぎが見えた年でもあった。


 

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