牧師室より

先週、里山を散歩していると、あちこちでツマグロヒョウモンを見かけた。ヒョウ柄が美しい南方系の蝶で、年々分布が北上しており1990年代になって関東に定着、昨年は北海道南部でも多く捕獲された。同じく南方系の蝶であるナガサキアゲハも見かける。温暖化を実感する。  7月末にグテーレス国連事務総長は、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と記者団に語り、劇的かつ早急な気候アクションの必要性を訴えた。 日本語の「ほっこり」の英訳はハートウォーミング。温暖化もウォーミング(warming)。沸騰化はボイリング(boiling)。今や地球はゆで卵だ。 地球上の熱循環の出発点は太陽だ。大気や海洋、氷床、森林などの生態系、土壌などが相互作用しあい熱循環のありようを決めている。いずれかの要素が大きく変化すれば、地球規模で他の要素にも変化が波及し、不可逆的なカタストロフが起きる。今の気候変動の状態は、「文明存亡の危機」を示していると気象学者は警鐘をならしている(2019年ティム・レントン学術誌『Nature』など )。 もはや戦争している場合ではなく、目先の利益や領土的野心を満足させている場合でもない。人類の近未来を考えると、世界中の政治指導者を30歳代ぐらいに若返らせたほうが良いかもしれない。  (中沢麻貴)