牧師室より

年が改まりました。今年もよろしくお願いいたします。  雑誌『ビッグイシュー』445号に「私の“サードプレイス”」という特集が載った。サードプレイスとは、家庭でも職場や学校でもない、第3の自分にとって居心地の良い場所を意味する概念だ。人間の社会生活において実は重要な役割を果たしていると、1900年代から目立って使われ出した用語らしい。米国の社会学者レイ・オルデンバーグは、真の(つまり理想的な)サードプレイスの条件として、以下を挙げる。@無料か安価、A飲食可、Bアクセスが容易、C習慣的に集まれる、D友好的で快適(中立的)、E古い友人にも新しい友人にも出会える。ビッグイシューの特集では、10名の著名人が自分のサードプレイスを紹介しているのだが、精神科医の香山リカ氏が、コロナ禍以前のこととして「教会」を挙げていた。だれでもない人として安らげる場だと。他の人は、飲食店や自然のある場所などを挙げていた。  この概念は非常に示唆に富むので、この年に学びを深めたいと感じている。         (中沢麻貴)