牧師室より

 今年は沖縄の「日本復帰」50周年である。1972515日、沖縄の施政権が米国から日本政府に返還された。復帰当日、那覇市内の民家には、「日の丸」は見当たらなかったという。沖縄の「本土復帰要求」を逆手にとって「沖縄返還協定」が結ばれ、米軍基地は撤去されず、「日本軍の再来」と言われた自衛隊が配備され、沖縄の基地は固定化された。

 金平茂紀氏(「報道特集」キャスター)はかつて、「沖縄は僕にとって内部であり外部である」(雑誌『越境広場』10号)と発言していた。英語に置き換えて、「in -between」とも表現し、この言葉は「『在を生きる』というのに近い」と説明していた。ここで言う「在」とは、「在日外国人」と表現する時と同じ意味で、内部にいるけれども、間にいて、排除されている存在だと説明していた。金平氏は、記者として沖縄を取材することはできても、当事者ではないという意味で「沖縄は僕にとって内部であり外部である」と発言したようだ。

近くて遠い沖縄である。覚悟なくして、沖縄と分かち合えることができないと感じている。

 苦々しい「復帰」50年である。現在自衛隊は、与那国、宮古、石垣、奄美大島に配備され、対中国防衛ラインの最前線にされている。戦前と同じである。私たちはまだ、沖縄を犠牲にし続けている。  (中沢譲)