牧師室より

 高校で学級担任をしていた頃、学級日誌というものがあった。日々の出来事を記録するもので、各クラスが自主的に運用していた。担任は、コメントしたり目を通した印にサインしたりして次の生徒に回す。SNSやネット上のブログが発達した今の時代も続いているのだろうか。当時、定番のスタイルに飽きたので、二冊の日誌がクラス内を回覧しているうち、片方の日誌には個性を持たせた。回す順番を出席番号順でなく、書いた人が次に書く人を指名して回すという方式にした。日誌の表紙裏に名簿が貼ってあるので、まだ書いてない人に回せるようチェックを入れる。しかも、次に回す人に対して、「○○について書いてください」と内容もリクエストすることにした。このシステムを開始する際、気心の知れた仲良しに回すより、あまりよく知らない人に回してみよう、とアピールした。これは、やってみたら互いを知る上でけっこう面白かったし、いろいろな議論が日誌上で深まった。

 いま教会の1階ホールに、『みんなの雑記帳』というノートが置いてある。会堂についての夢を自由に語り合うという意図だ。あえてIT化しない形でのコミュニケーション。読むも書くも自由です。あなたも、ぜひのぞいてみてください。(中沢麻貴)