牧師室より

 かつて川端純四郎さんという、神学者(ブルトマンの弟子)で、教会音楽に貢献した人がいた。ご自身もパイプオルガン奏者であり、讃美歌に関する著作もいくつかある。教団の讃美歌委員会や常議員会でも長年奉仕をされていた方だ。その川端さんが、このようなことを語っていた。

 「キリスト教は、歌う宗教です。なぜならば、キリスト教はゆるしの宗教であり喜びの宗教であるからです。どこまでいってもエゴイズムの虜であるわたしたちを、それでも主はゆるしてくださり、そのままでよいから、わたしのところに来なさい、と招いてくださっているのです。これほどの喜びはありません……わたしたちのような人間が神に愛されている、その喜びがあふれ出て歌になるのです。だから歌わないのはキリスト教ではありません」と。

 川端さんの言葉に耳を傾けていたら、讃美歌が歌いたくなった。礼拝の場で、思いっきり歌いたくなった。その日の訪れを、祈りつつ待ちのぞみたい。        (中沢譲)