牧師室より

 沖縄で牧師をしつつ、辺野古の海へ基地反対のために通っている先輩と、SNSで交流している。米軍基地建設の無茶な工事の様子や、破壊されていく自然、沖縄の人々の苦しみなどが伝わってくる。様々な活動の紹介もされていて教えられる。ときに映し出される自然の美しさに感嘆する。ある時、辺野古の現状を訴える内容や、勉強会のお知らせに混じって、「いやし」の一言と共に一枚の写真が投稿されていた。水族館の大きな水槽で浮遊するクラゲたちの姿。

クラゲは、まあ五億年は、ほとんど姿を変えず海に揺蕩う(たゆとう)生き物の大先輩だ。欲を肥大させて国同士が競い、いがみ合う我らヒトは、生きるためにほんとうに必要なことは何なのか、クラゲ先輩の姿を見ながら内省する必要がある。仕事を離れて安息しクラゲを眺める余裕を失ってはいけない。 (中沢麻貴)