牧師室より

スペインのカタロニア地方のクリスマス・キャロルに「鳥の歌」という曲がある。この曲に歌詞を付けたものが『新聖歌』に収録されているそうだ。この曲は、チェロ奏者パブロ・カザルスが愛したことで知られている。インターネットで検索すると、カザルスの演奏を聴くことができる。深い哀しみと哀愁を湛えているこの曲が、クリスマスの曲だと聞いて驚くことと思う。

カザルスが国連本部(94歳・19711024日)で演奏した際に、「私の生まれ故郷カタルーニャの鳥は、ピース、ピース(英語の平和)と鳴くのです」と語っています。彼が「鳥の歌」(編曲)を演奏するようになったのは、1945年(第二次大戦終結)の時だと言われている。

カザルスの奏でる曲に耳を傾けつつ、新しい年が平和であることを祈ることにしたい。   (中沢譲)