牧師室より

 人生半世紀を過ぎたあたりから、意識的に運動を心掛けないと、筋力の衰えを深刻に感じるようになった。いま習慣にしている運動の一つが散歩だ。平坦でない山道を上り下りする里山散歩。自然観察しつつの散歩は心の栄養にもなる。出会った動植物の種を同定して頭の体操も。

 先週は、まだツクツクホウシが鳴いているのに、サクラはすっかり葉を落として冬芽の準備は万端。夏と冬が同居する奇妙な状態。今年の里山は、木の実全般が豊作だ。コナラやクヌギのどんぐりが、落ち葉の間にぎっしり。動物たちには、おだやかな冬になるかもしれない。モズが鋭い声で秋の到来を告げている。咲き始めたナギナタコウジュの写真をとっていたら、肩にルリタテハがぶつかってきた。    (中沢麻貴)