牧師室より

反戦の八月に読むため本二冊を入手。一冊目に魂が揺さぶられ、泣きそうになりながら読んだので、紹介したい。『ぼくたち、ここにいるよ―高江の森の小さないのち―』(2017年 影書房)。小学生から読める写真絵本だ。著者は、アキノ隊員(本名:宮城秋乃さん)。沖縄本島高江の森で鱗翅類(蝶や蛾)研究をしているすごい研究者だ。今月はじめ、彼女が高江の森の米軍北部訓練場跡地から回収した廃棄物を、米軍のゲート前に置いたら威力業務妨害や廃棄物処理法違反などの疑いで書類送検されるという事件が起きた。放射性物質や薬莢などを廃棄放置した側ではなく回収した側が罰せられるおかしさに怒りがわく。森に生きるたくさんの命の代弁者であるアキノ隊員を、心から応援したいと思った。    (中沢麻貴)