牧師室より

沖縄で、米軍基地辺野古移設のための工事が止まらない。埋め立ての土砂が、美しい海にどんどん投入されている。それだけでも悔しく、無力感にさいなまれるのだが、政府は、沖縄本島南部からさらなる土砂調達をしようとしている。そこは、沖縄戦で犠牲となった多くの方々の遺骨が眠る場所だ。遺骨収集を39年間ボランティアで続けておられる具志堅隆松さんが、犠牲者遺骨の尊厳を守り、基地建設工事強行と遺骨の含まれた土砂の埋め立て使用に抗議するためのハンストを行い、連帯が呼びかけられている。思い出すのは、広島平和公園で原爆供養塔の遺骨を守り続け、ご遺族を探し続け、訪れる人々への語り部として働かれた故佐伯敏子さんから伺ったお話だ。インドから来日した舞踊団の少女たちに、平和公園で「この場所の土には原爆で犠牲になった方々の遺骨が埋まっています。だから静かに歩いてくださいね」と話したところ、「ならば靴をぬぎましょう」と少女たちは裸足になって歩いて行ったというのだ。生前の佐伯さんは、何度もこの話をされていた。若い世代の、死者の尊厳を守る思いが、佐伯さんを力づけていたと感じる。   (中沢麻貴)