牧師室より

ある音楽プロデューサーが、昨年の1歌曲は「極彩 I G L (S)」だと発言した。歌手の名はROTH BART BARON三船雅也)。2人組のユニットであったが、コロナ禍で1人が脱退する中、発表したアルバムの1曲である。三船雅也氏は中学生の頃から心の病を発症し、高校を中退。大学検定試験を受けて大学に入り、自宅で音楽をつくり始めた。その後、高校時代の友人とバンドを結成し渡米。音楽活動を通して、やっと人と話をすることができるようになったという。

「……祝祭が見たいんだ極彩色の心で遠くから呼ぶ声が 聞こえるか? 聞こえるか?叫び声を上げるのを 止めるな 止めるな僕らはまだ何にも 成し遂げてない 成し遂げてないお前の物語を 絶やすな 絶やすな……」

「全ての祝われなかった命へのレクイエム」であり、「圧倒的に生を肯定する応援歌」だと、前述の音楽プロデューサーは述べていた。鼓動を感じさせる曲であると私も感じた。教会もそうありたい。   (中沢譲)