牧師室より

 新年のご挨拶を申し上げます。

今年も宜しくお願いいたします。

さて、教会での感染症対策が本格化して十か月目となりますが、長期にわたる皆さまの臨機応変なご協力に感謝いたします。

 箱舟で大洪水を生き延びたノアや、干ばつによる飢饉でエジプトに逃げ延びたアブラハムやヤコブを語る創世記の口調に、あまり悲壮感がないのは、語り手も聞き手も、自然の脅威の中を生き延びる大変さについては、自らの生活実感としても共有していたからだと感じます。大昔の人々は、来年の今頃まで生き延びられるかな、という思いを普通に持って日常を生きていたのだと。一方、預言者の語る、戦争の悲惨さや悪政への糾弾には、人と社会のありようへの苦渋に満ちた思いを感じます。自然の力を侮らないこと、人社会への厳しい眼差し、この二つを聖書に学びつつこの年も進んで行かねばとの思いでいます。  (中沢麻貴)