牧師室より

米国大統領選挙が大きな関心事として報道され、目にする機会が多い。日本の公職選挙では、投票時間終了と同時にTVの開票速報で「当確」情報が流れたりするが、次期米国大統領の確定には、時間がかかりそうだ。日本の選挙は、投票方法や投票用紙は全国ほぼ同じで、住民票のある自治体において投票できる。有権者であると自覚しなくても投票用紙が届く。米国では、まず有権者登録することにより自分が有権者であると意思表明する必要があるし、投票用紙や投票の仕組みは各州独自の方式だ。大統領選の混乱を国力の低下と嘆く向きもあるが、英語が話せなくても、引っ越したばかりでも、即登録して投票可能な点など度量の広さも感じる。「民主主義は時間がかかる」という言葉を、ふと思い出す。(中沢麻貴)