◇牧師室より◇
創世記の天地創造に、安息日の制定があるが、曜日の刻みと無関係に仕事がある牧畜業者のアブラハムに、安息日の言及はない。後の都中心の都市生活者の社会では、過重労働から身を守る上で安息日は有意義だったかもしれない。また、飢餓難民や戦時下の強制移住として異国への移動を余儀なくされたイスラエル民族の中に、手洗いなど身を清める習慣があったことは、未知の感染症への予防対策として実は有効だったかもしれない。しかし、後のイエス時代には異邦人差別の根拠となってしまった。いま、私たちは何を掟とするべきだろうかと考える。(中沢麻貴)