牧師室より

運動不足にならぬよう、里山へ散歩に行く。梅雨の気配のする山道は、植物の香気に満ちている。すっかり緑に覆われた梢に、巣立ち雛を引率したシジュウカラやエナガなど小鳥たちが賑やかだ。沼地や水田も生き物の気配に満ちている。水際の倒木にたたずみ魚を狙っているヨシゴイ、暑い日には冷たい泥にぺたりと腹這って涼を楽しんでいるふうのカルガモ夫妻、そしてカエルたちの合唱。林縁でシモツケやホタルブクロが咲き、オカトラノオの花穂が伸び始めたので、夏への序章だ。名を知らぬ生き物を見つけたら、スマホで撮影して帰宅後に図鑑を引く。顔見知りが少しずつ増えていく。(中沢麻貴)