牧師室より

 教会には「教会暦」という独自の暦があります。現在は、受難節(40日間)の時を過ごしているわけですが、その中でも最後の週を「受難週」と呼んで、イエスの十字架の受難をとくに覚えることにしています。私たちの教会でも受難週祈祷会を例年行っていますが、今年は不測の事態が生じたため、中止にいたしました。そうしたこともあり、急遽『受難週の手引き』を作成しました。各自、祈りの時をお過ごしください。

 イスラエルの民は、午前9時、正午、午後3時に祈りの時を持ったようです。使徒言行録31節に、「午後3時」の祈りの話が出てきます。その祈りの慣習を、修道院やプロテスタント教会も継承してきました。私たちの教会では、祈ることを日課にするように勧めてはいませんが、今回の事態は、自宅で日々祈る良い機会だと考えています。

 私たちはふだん、父なる神様に向けて祈ります。なぜなら主イエスご自身が、「アッバ父よ」と祈ることを私たちに教えられたからです。しかし、受難節の場合、私たちのために苦しまれたのは主イエスご自身でした。古い祈祷書をひも解くと、「主イエスよ」、「主キリストよ」と呼びかけ、イエスに向けて祈りはじめる祈祷があることに気づかされます。受難の主である主イエスに向けて、直接に祈ることもまた、私たちには赦されているのだと受け止めています。    (中沢譲)