牧師室より

先週の主日礼拝は「神学校日」ということで、農村伝道神学校に、説教奉仕者の派遣をお願いした。今回で4人目であった。私自身が農村伝道神学校の出身であり、また近隣の神学校ということもあるので、継続している。今年は、鳥羽加陽子神学生が派遣された。この春に就任したばかりのロバート・ウィットマー校長とそのパートナーの方も礼拝に出席され、農村伝道神学校との距離が縮まったように感じている。それに加え、今年の神学生の説教もまた、熱い信仰の証しの言葉であった。礼拝出席者の心に響くところが大きかったのではないだろうか。私自身、襟を正してメッセージを受け取らせていただいた。感謝である。

「神学校日」は、日本基督教団の暦の一つである。各神学校の働きを覚える記念日である。ちなみに教団の「教規」にこう規定されている。「教師の養成は、教団立・教団認可神学校で行なう。(教規第133 条)」。現在、この規定による教団の神学校は6つ。「教団立神学校」は東京神学大学のみ。「認可神学校」は、同志社大学神学部、関西学院大学神学部、東京聖書学校、日本聖書神学校、そして農村伝道神学校である。東京聖書学校は“ホーリネスの群れ”の神学校ということで、教派色が強いことで知られる。

かつて青山学院大学にも神学部があったが、学生運動の影響で、残念ながら1971年に廃止された。農村伝道神学校は“各種学校”なので、国の補助がなく、経営的に厳しいのだが、それだけでなく、日本のキリスト教人口の低下ということもあり、各神学校の学生が少なくなっているという。他の教派でも同じように聞く。いかに神学校を支えるかが、日本基督教団の将来を考える上で重要なのだと思う。

教団の未来予測が厳しいことが、教団の紛争が継続する原因の一つだと感じているが、安倍政権にも似た、愚かな権力争い(粛正)は、そろそろやめにして欲しい。神学生にも、信徒にも、希望が見える教団であって欲しいと願っている。 (中沢譲)