◇牧師室より◇
アドベントに入り、礼拝堂にはツリーが飾られました。輝くトップ・
スターを見上げる枝々に吊り下げられたオーナメントは、百匹の羊たちです。子どもの教会にやって来る小学生の子どもたちと一緒に、11月の分級の時間を使って作りました。
秋口に、羊のオーナメントを作ることを思いつき、反故紙で試作品作りを二、三度し、型紙を作っておきました。スキャナーで型紙を読み取り、パソコンで紙の無駄が出ないように配置して、百匹分を印刷。一匹ずつ切り取ったものを子どもたちと一緒にせっせと折って立体にしました。皆喜んで作業してくれました。やっているうちに、自然と皆がメ~メ~と鳴きまねし始め、いつしかそれは、メ〜声のクリスマス讃美歌メドレーに。楽しいクリスマス準備の時間でした。紙羊の横腹に両面テープをつけ、あらかじめ用意しておいたコットン・ボール(ぬいぐるみ用のアクリル綿を丸めたもの)を胴体の形にひきのばして、くっつければ、モコモコした羊の完成。先週日曜日の礼拝後に、皆でツリーに飾りました。礼拝では、北見正之兄が、イザヤ書11章の「エッサイの株からひとつの芽が萌えいで」ではじまる聖句で説教をしてくださいました。王として、預言者サムエルを通して神様から召命されたダビデが、もともとは羊飼いだったことに触れてくださったので、私たちの羊飼いとして救い主が来てくださる、というイメージがわかりやすくなり、とてもタイムリーでした。羊を飾る前には、マタイによる福音書18章12−14節の百匹の羊の群れから迷い出た羊のたとえを読んでから作業しました。
型紙製作の時、手本となる羊の姿として思い浮かべたのは、畜産大学の学生だった頃に、毎朝会っていた羊の群れです。野鳥の人工繁殖が研究テーマだったので、早朝、校内の広大な牧草地の一角で、鳥の餌用の牧草を刈り取っていました。アカツメクサやアルファルファの旬の若芽をしゃがんで刈っている時、背後に気配を感じて振り返ると、隣の柵にいる羊たちが、すっかり柵ぎわに密集し、全頭じっとこちらの作業を見ていたものです。羊には、野次馬根性があることを知りました。
皆で集い、聖書のみことばに、じっと注目し、耳をすませつつ、御子降誕の良きおとずれを待ちましょう! (中沢麻貴)