牧師室より

本日の礼拝後に、第93回教会総会が行われる。そこで「教会会議」について調べてみた。『岩波キリスト教辞典』(岩波書店)には、「教会を代表して司教(主教)が教義や規律について審議決定するために集まる会議」とある。「司教」とは、カトリック教会の位階の一つで教区を監督する聖職者のことを指す。また「主教」とは、正教会の教区の監督を指す。古代の教会会議は、この司教(主教)が行った会議を指していた。各地にキリスト教が広がっていく中で、教義や規則を定める必要が生じて、行われたようだ。このような重要な会議を、「公会議」と呼ぶ場合もある。

宗教改革後、各プロテスタント教会は、カトリック教会の歴史を継承しつつ、教会会議を形づくっていくことになる。各教派に共通しているのは、教職と信徒によって、教会会議を組織している点だ。

 私たちの教会が所属する日本基督教団は、プロテスタント諸教派が合同した教団ということもあり、戦後(194610)に、『教憲教規および諸規則』を制定し、民主主義的な教会運営を試みてきた(1941年の教団誕生時は、戦争協力教団としてスタートしたため、民主主義的であったとは言えない)。

 「教憲」とは、教団の憲法に相当するものであり、「教規」とは教会規則を指す。その「教憲」第4条に「本教団は教憲および教規の定めるところにしたがって、会議制によりその政治を行う」とあり、「教規」第94条に「教会総会は、教会担任教師および現住陪餐会員たる信徒をもって組織する」とある。横浜港南台教会の教会規則も、この「教憲教規および諸規則」に従って定められ、「教会総会」として教会会議を行ってきた。

 教会を、「イエス・キリストの体である」と告白しつつ、イエスの弟子として、祈りをもって行うのが教会会議である。それゆえに、ひとりひとりの信仰者が、責任をもって教会会議に参加することが願われている。

 聖書に登場する最初の教会会議が使徒言行録に報告されている(言行録15:1-35)。その会議では、異邦人を受け入れる重要な決議がなされた。その結果、今の私たちがある。ひとつひとつの課題に真摯に向き合うことが、神のみ業につながっていることを共に信じたい。  (中沢譲)