牧師室より

先週の日曜日に予備選挙が行われ、次期役員候補として12名の方が選ばれた。私共の教会では選挙で役員奉仕者を選出することになっているが、このように教会の奉仕者を選ぶ方法は、どこを起源としているのだろうか。

幸いなことに、ルカが使徒言行録に、最初の選挙の様子を伝えている。使徒言行録12326節に、[そこで人々は、バルサバと呼ばれ、ユストともいうヨセフと、マティアの二人を立てて、次のように祈った。「すべての人の心をご存じである主よ、この二人のうちのどちらをお選びになったかを、お示しください。ユダが自分の行くべき所に行くために離れてしまった、使徒としてのこの任務を継がせるためです。」 二人のことでくじを引くと、マティアに当たったので、この人が十一人の使徒の仲間に加えられることになった]とある。イスカリオテのユダの後任を、くじで選んだというのだ。この記事が、選挙の起源であろうと考えている。ここで大切なのは、120名の会衆が、祈りによって一つとされているただ中で、選挙が行われている点だ。教会の業を担う奉仕者は、祈りを通して与えられる。そのことを共に信じたい。

さて224日は、ユダの後任として12使徒に選ばれたマティアを記念する祝日。残念ながら、マティアの名が登場するのは、先ほどの聖書箇所のみである。伝承によると、マティアはイエスが任命した72人の弟子(ルカ10:1)の1人で、カッパドキア、エジプト、エチオピアなどで宣教し、西暦63年頃に殉教したという。現在、224日を「聖マティアの日」としているのは、聖公会の一部とルター派で、大工、仕立屋、依存症患者とその支援者等の守護者とされている。       (中沢譲)