牧師室より

今日は、「神学校日 伝道献身者奨励日」です。10月第2日曜日を「神学校日」とすることが決められたのは1961年です。翌年「伝道献身者奨励日」も、1月第3日曜日からこの日へと変更され、同時に守るようになりました。これらの日が定められた経緯などを知りたいと思い、『日本基督教団資料集』を開きましたが、制定の経緯などに触れた文書を見つけることができませんでした。伝道献身者が教会内に生まれることと、神学校における牧師養成について、教団の教会全体が祈りをもって覚え、そのための働きを支える献金をささげることが呼びかけられている日と理解してよいと思います。

先週の主日礼拝で説教してくださった小井沼眞樹子先生が、宣教師として働いておられるブラジルの合同長老教会の牧師たちのことに触れられ、興味深く聞きました。彼らは、牧師以外の仕事を持ち、教会が経済的に厳しくても教会の働き人として活動を継続できるようにしているとのことでした。それは、かつて軍事独裁政権の在り方を黙認した教会組織に、批判的立場をとった牧師たちが、牧師職から追放された歴史に由来するそうです。民衆に寄り添う教会を目指して、新たな教会形成をした彼らは、「失職」を恐れることなく伝道するために、経済的に自立した形で牧師をするようになったそうです。私たちの教団は、経済的にも各個教会主義なので状況は少し違いますが、教会も牧師も、厳しい時代にあっても、見張りの責務を果たしつつ、しなやかに生き延びるたくましさを持ちたいものです。

     (中沢麻貴)