牧師室より

 少し前の話になりますが、先月AEDの講習会を礼拝後に行いました。AEDとは、「自動体外式除細動器」を意味する略号です。人が突然の病気や怪我で倒れて心停止してしまった時、再び心臓に正常な拍動を取り戻させるために使う救命のための医療機器です。心停止している心臓は、「心室細動」という心臓が細かくけいれんしたような状態を起こしていることが多く、そこにAEDを使って電気ショックを与え、加えて人の手で心臓マッサージを行うことにより正常な拍動を取り戻させることができるのだそうです。人が倒れた時に、救急車を呼ぶと同時に心臓マッサージ(や人工呼吸)を行い、合わせてAEDの使用によって回復を試みると、救急車の到着を何もせずただ待っている場合よりも、格段に救命率があがるのだそうです。

AEDは、適切な操作をすれば、機器自体が電気ショック使用の可否を判断し、自動音声等で、使用者に指示を出してくれるので、医療関係者でなくても操作することが可能です。AEDを教会に設置したので、いざという時に少しでも落ち着いて操作できるように、消防署のレスキュー隊員の方々に講師をしていただき、希望者による講習を行いました。講師の方々の説明はとてもわかり易く、実際的な訓練をさせていただくことができ、大変勉強になりました。

 何よりも、誰かが倒れているという緊急事態に、慌てずに、必要な処置を正しい手順で行うためには、日頃からの訓練が必要であると、講習を通じ強く実感させられました。また、誰かが具体的な指示を出すことによって、複数の人が協力して救命に当たることができることも教えられました。誰も倒れたりすることなく、AEDが壁飾りであり続けるのが理想(?)ですが、いざという時のために、今後も折に触れて講習会が開けると良いと感じました。

 訓練の中で、心臓マッサージのやり方も教えられました。倒れている方の胸部に、上から両手をそろえて当て、リズムよく押します。押す位置や押し方も大事です。1分間に100回のペースで押してください、救急車が到着するまでそれを続けてください、と習いました。講習後に私が思いついたのは、1分間に100回なら、讃美歌で楽譜に(♩=100)の記号がついている曲のリズムで押せばよい、ということです。例えば459番(飼い主わが主よ)、537番(眠りからさめよ)、540番(主イェスにより)などです。他にも何曲かありますので、ご自分が歌える曲を探してみてください。   (中沢麻貴)