牧師室より

来月18日(日)開催の伝道集会には、講師として古田晴彦先生をお招きしています。古田先生と私が出会ったのは、今から30年前、捜真女学校に教師として勤め始めた時のことでした。私は理科教諭になったのですが、同じ職員室に、先輩として社会科教諭である古田先生がおられたのです。生徒指導にせよ社会科の授業内容にせよ、生徒たちに日々熱い語り口で説かれた後に、「なあ、そう思わんか?」と、しきりに問いかけておられた姿をなつかしく思い出します。その後、関西学院高等部で25年間社会科教諭として、今日まで教壇に立ち続けておられます。

 昨年度の伝道委員会で、次の伝道集会の講師を選ぶために話し合う中、難しい神学的なお話よりも、日常的なことがらについて、信仰をもって語ってくださるような方を、という意見が出された時に、古田先生のことを思い出し、講師に推薦させていただきました。なぜなら、古田先生は、阪神淡路大震災の経験、そして、ホスピスでご自分の家族を看取られた経験、さらにはアメリカで、あの9.11のテロに遭遇された経験などを経て、校務の傍ら、死生学の学びを深められ、高校生や大学生を対象に、死と生の問題を深く学ぶ授業を実践されるようになっておられたからです。現在は、各地で講演される機会も多く、ご著書『高校生のための「いのち」の授業』には、アルフォンス・デーケン上智大学名誉教授の「死をみつめることは、自分にいただいた『いのち』をどう大切に生き抜くかを考えることです」という推薦の言葉が記されています。

 老いも若きも誘い合わせて、死と生について、若い人々に、信仰を持って深く問いかけておられる先生のお話を聞く、というコンセプトで伝道集会をするのはいかがですか?という提案に、伝道委員会の方々が賛成してくださり、今回の企画となりました。ご家族、ご友人と誘い合わせて、ぜひどうぞ。  (中沢麻貴)