牧師室より

今週で、東日本大震災から四年が経とうとしています。昨年、この教会で働き始めた際に、東日本大震災支援委員会というものがあり、かつ教会が十年間は、被災地支援に取り組む方針を立てていることを知りました。あの大災害の直後から、この教会は困難に直面した人々と共に歩もうとして、即座に反応したということを感じました。委員会の名称が、「震災」を「支援」するわけではないので、少し奇妙なのは、それほどびっくり大慌てで、なんとかせねば、と立ち上げられたという生々しさが想像され、それはそれでキチンとすることよりも即座に動くことが優先されたのであろうと、推測しました。同時に、十年という期間の打ち出し方には、人々の困難が長く続くであろうということへの予測と心構えが込められているのを感じました。世の中のことから目を背けずに、なんとか向き合おうとする教会に、仲間として加えられたことが嬉しかったのです。

教会は、今後も弱い立場や小さい声が助けを求めているのを聞き逃さないようにする役目を果たさねばなりません。時代の大きな流れの中でまかり通る嘘を見抜く、預言者的な見張りの役目も果たさねばなりません。目立たない所で良い働きをしている人を見つけて応援せねばなりません。

この一年、すでに動き出している皆さんの後を追いかけるのが精一杯で、自分では、わずかなことしかできませんでした。でも、四年経って、ようやく重い口が開かれ、語られ始めることも出て来るのを感じます。まだ、これから取り組まねばならないこと、必要とされる働きはきっとあると思います。教会は、一歩一歩ていねいに、震災後を生きる人々に寄り添って進んでいく存在でありたいと思います。また、今後の災害に対する備えについても、考える必要を感じます。      (中沢麻貴)