牧師室より

横浜の地で、はじめての211の日を迎えました。午前中は神奈川教区横浜地区主催の集会に出席し、弁護士の海渡雄一氏から、特定秘密法の危険性についてのお話を伺いました。また午後からは、神奈川教区のヤスクニ・天皇制問題小委員会も参加している「県民のつどい実行委員会」主催の集会にも参加させていただき、「建国記念の日に学校・教育を考える」として、元中学校教諭の三上満氏の話を伺いました。

 どちらの集会からも感じ取れたのは、日本という国が今、急激に戦争ができる国へと進みつつあるということです。

 昨年までは、かつて日本基督教団事務局が連絡先となっていたこともある、実行委主催の211集会に参加してきました。その実行委では、集会後にデモを行いますが、ここ数年、1,000人を超える右翼団体が街宣車等で押しかけて来て、デモを妨害するということが続いています。たいへん奇妙な話ですが、機動隊に守られなければデモもできない状態なのです。私も何度か突入してきた右翼の方々にプラカードを壊された経験があります。今年は参加しませんでしたが、心配していましたら、デモ参加者の女性が逮捕されたという連絡が届きました。

 右翼団体の暴力、ヘイトスピーチ、公安警察の強化……こうした流れの中で、言論の自由、表現の自由、市民活動の自由が奪われつつあるように思います。

「建国記念の日」(紀元節)とは、『日本書紀』に登場する神武天皇の即位を記念する日として、1873年(明治6年)に定められた「祭日」です。私たちはふだん、天皇制に支配されているとは感じていませんが、未だに天皇制の時間の中に置かれていることを思い出させてくれるのが、この日でもあります。神ならぬ者を神としない信仰に立ち続けたいと思います。        (中沢譲)