牧師室より

―就任式について―

横浜港南台教会で牧師の就任式が前回行われたのは、1983612日であったと、『横浜港南台教会30年史』にあります。そのときから30年以上経過しました。この機会に就任式の意味について説明させていただいても良いかなと思います。

 就任式というと、世間では役職に就く儀式のことを指します。お披露目の式と呼んでも良いかもしれません。しかし教会で行われる就任式は、お披露目の式ではありません。理解の助けになるのは、教会で行う結婚式です。どちらの場合も、礼拝として執り行い、神様の御前に立ち、誓約をします。式の中心におられるのは神様であり、誓約の証人は神様と参列者です。そうした点で似ていると言えます。

これに近いのは、米国の大統領の就任式です。聖書に手をおいて宣誓を行います。ちなみにオバマ大統領は、「神に誓って」という言葉で宣誓を締めくくっています。それゆえに、そこで宣誓した自分自身の言葉に責任を負うことになります。

教会で行う就任式や結婚式も同様です。誓約をした人たちは自らの言葉に責任を負うことになります。

 ですから、教会で行う就任式は、お披露目の式のように、行わなくても済ませられるものではありません。また他の教会の人たちに、牧師を紹介する集会でもないのです。教会が新しく出発するために必要な式なのです。神様の前で誓約することで、牧師ははじめてその教会の牧師としての責を負い、教会員は新しい牧師を迎えて、新しく歩みだすことができるのです。

 次主日礼拝後、私たちの教会では就任式を執り行います。牧師と教会員が、神様の前で一緒に真面目にされる時を持ちます。また、私たちの教会は、神奈川教区の祈りと支えによって、今日まで歩んできた教会でもあり、教区内の教会や学校法人に、出席してくださるようお願いをしています。多くの方々が、私たちの誓約の証人となってくださることでしょう。神様と教区の方々に、これまでのお支えを感謝し、祈りつつ準備の時を整えたいと思います。

(中沢譲)