牧師室より

本日は“アジア祈祷日”です。

アジアキリスト教協議会(CCA)が、ペンテコステの1週間前の日曜日を、この日に定めました。これはアジアキリスト教協議会の前身である東アジア・キリスト教協議会(EACC)が、1959524日、ペンテコステの1週間前の日曜日に誕生したことに由来しています。

 また、アジア祈祷日からはじまる1週間を“アジア・エキュメニカル・ウィーク”と定め、この期間をアジアの諸教会を覚えて祈り、アジア地域が抱えるさまざまな重荷について考え、また担い合う時としています。 

日本では、日本キリスト教協議会(NCCJ)に参加している諸教派(日本基督教団を含む)および諸団体が、この日を覚えることにしています。

 これに関連した行事として、聖霊降臨日を、“エキュメニカル・サンデー”と定めています。以下、NCCJの説明から紹介します。「現代のエキュメニカル(教会一致)運動の起点は、1910 年にスコットランドのエディンバラで開催された『世界宣教会議』に求められます。……その後、『教理は分裂をもたらすが、奉仕は一つにする』を標題として……伝統的教理の相違を越えての教会の『一致』が模索されています。エキュメニカル・サンデーは、キリスト教の一致を祈る日として制定されました」(NCC エキュメニカル・カレンダーより)。

 アジア祈祷日からはじまるアジア・エキュメニカル・ウィークも、その締め日となるエキュメニカル・サンデーも、「エキュメニカル」=「一致」を願う祈りからはじまりました。いずれの場合も、「聖霊による一致」を強く意識して、この時期に記念日を制定したことに注目したいと思います。

「聖霊による一致」を求めることは、神の業に信頼することを意味します。つまり各教派・各教会のそれまでの歴史的な歩みや賜物を尊重し、認め合うことでもあるのです。人の判断によるのではなく、ただ神に信頼して一致を信じる時に、はじめてエキュメニカルという状態は生じるのではないでしょうか。もし人の判断に頼り、強引に「統合」を求めたりすれば、その結果は、排除と差別を生み出すだけです。残念ながら、日本基督教団の「聖餐論」をめぐる現在の状況は、そのことを証明してしまっているように思います。

 横浜港南台教会はこれまで、アジアや南米、また震災の被災地のことを祈りに覚え、重荷を分かち合う努力を重ねてきました。このことは大切な働きだと受け止めています。  

聖霊降臨日に向かうこの1週間を、困難の中で生きる人たちのことを忘れない、その決意をあらたにする時としたいと思います。

(中沢譲)