牧師室より

T.K81年の生涯を終えて、天に帰られた。高校生の時、宣教師のバイブルクラスでキリスト教に触れ、洗礼を受けられた。大学卒業後は、高校の英語教師として、働いてこられた。私たちの教会へは1997年に転会された。その時、東南アジア文化友好協会に参加し、仲間の人々とフィリピンの恵まれない子どもたちへの教育支援を熱心にされていた。日比混血児童を支える会などにも関わり、アルバート・グンバン牧師と出会い、教会建設にも、惜しまぬ協力をしていた。苦しみを分かち合う生活態度や純朴なキリスト教信仰に生きるフィリピン人を愛し、短期滞在であるが、50回以上も行ったそうである。Tさんの愛読聖句は「エンディングノート」にマタイ712の「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」、また、マタイ620の「富は、天に積みなさい」であると書かれていた。これらの聖句に押し出されて、精魂込めた支援、奉仕活動をしてこられたのであった。

2002年に奥様を亡くし、悲しみと痛手は大きなものであった。3年後 M姉と再婚され、元気を取りもどした。仲良し夫婦で、旅行、山登り、ダンスと楽しい生活を送られた。愛する人を得ることは、生きることにこれほどの喜びと力を与えるものかと、見ていて楽しかった。Tさんは血圧が高かったが、1年半ほど前から、内臓疾患が続いた。危篤状態にも陥ったが、適切な治療とM姉の献身的な看病で、奇跡的な回復を見せた。しかし、神は「時よし」と、天に召し上げられた。

Tさんは体を使うことを厭わず、正直で、オープンで青年のような感性を持っておられた。真っ直ぐにご自分を表し、人を愛し、誰でも受け入れた。多くの人に愛され、信頼され、豊かな人生を送られた。神を見上げ、天に富を積む、無私の生涯を生きたTさんの信仰と生涯を、神は祝福し、永遠の命に包んでくださっていると信じる。